メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少女・世界推理名作選集 3 六本指の手ぶくろ フランシス・ジャット/作 金の星社

2023-07-24 14:24:46 | 
1962年初版 1989年第26刷 土居耕/訳
ブック・デザイン/依光隆 カバー・挿画/小林与志


「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください


少女探偵ナンシーと登場人物の年齢、構成など
かなり似ているけど作者は違うんだな
同じ時代の人気を二分していたのだろうか?

多指症というと、マリリンを思い出す

複雑に入り組んだ人間関係、事件に
行動力と推理で果敢に挑戦するケイ
このシリーズも面白くて一気読み

【内容抜粋メモ】

登場人物
ケイ 探偵にとても興味がある16歳の少女
ベティ ケイの親友
ウィルマ ベティのふたご姉妹

ビル ケイのいとこでケイの家に下宿している 法律事務所に勤める青年
エセル・イートン いじわるでケイをライバル視している

ボール 有名な女優
クレランス・ミントン ボールのマネージャーで恋人

ビーリング もと映画俳優
アイク・ストーン ジェーンおばさんの家の下男
ネイサン・ブリック アイクの相棒
バーバラ・ファンティン
ハリー・パーセル


●ひき逃げ
ケイは母とジェーンおばさんの家で過ごす予定だったが
親友ベティが泥だらけでやって来る

茶色のセダンに轢かれそうになり、フェンダーにぶつかった
クルマはそのまま逃げ、ハンドバッグと
その中に入れた劇の切符3枚をなくしてしまった


●誘拐
ケイの家に警官と有名女優のボールが来る
見知らぬ男に誘拐され、茶色のセダンに乗せられたが隙を見て逃げ出した

争った時に、男の手袋を奪い取った
よく見ると6本指で、中からダイヤモンドの指輪が出てくる









ボールはマネージャーで恋人のクレランス・ミントンを呼ぶ

ケイは再びベティが事故に遭った場所に戻ると
茶色のセダンから気味の悪い男が下りて、手袋を探している

ビルとクルマで追うが尾行に気づいて逃げられる








●不時着
ミントンの乗った飛行機は車輪の故障で不時着する
ボールの誘拐犯に共犯者がいて、細工したかもしれない
現場から怪しい男が飛行機を盗んで逃げるのを見る






新聞記者が群がって報道する

エセル・イートンはケイと張り合うために、ボールを騙して家に招待するが
ウソがバレてモメる

ボール、ベティ、ウィルマも一緒にジェーンおばさんの家に行くことにする

ボールの両親は農家で貧乏だったが、俳優の夢を諦めずに大学で演劇を勉強し
ハリー・バーセルと巡業したが気まぐれなため手を切った


●6本指の男
記者に6本指の男を知らないか聞くと、コルストン町の果物屋を教えてくれる
去年、ここで映画の撮影をしたイーグル映画会社のセットが残っていて
そこにも茶色のセダンと6本指の男を見つける

果物屋の主人コルテスは、以前、果物を配達したお金をもらっていないと訴える
コルテスの6本指は左手だから手袋とは異なる

店にいたタランチュラ!に刺された巡査を病院に運ぶと
そこの医師が6本指の男の映画の脚本を書いたと話す!

映画村の番人に聞くと、主人公を演じたのはシャッド・ビーリング

手袋に入れておいたダイヤモンドの指輪がなくなった
ジェーンおばさんの家の下男アイク・ストーンが怪しい


●貨車どろぼう
アイクと相棒ネイサン・ブリックは貨車に積んであるイーグル映画会社の機材を盗み
アイクの住む小屋の地下室に隠しているのを見つけるが
ケイも見つかり、縛られて、箱に詰められ、NY行きの貨車に乗せられる








●果物どろぼう
なんとか箱から出ると、貨車に無賃乗車している少女バーバラ・ファンティンと出会う
母が亡く、役者の父は娘を置いて旅芝居に行ったまま








食べ物に困っていたところ、店から注文しては転売する少女2人に協力することになり
2人は逃げ、コルテスは警察を呼び、バーバラも逃げて貨車に乗ったと話す


●NY
事情を話して、ビルから電報為替でお金を送ってもらう
ボールが自宅を使ってくれと言い、女中ジャンヌが世話をしてくれる

バーバラは父からきた手紙にある住所を訪ねるが、引っ越した後
ファンティンは怪しい男に殴られて逃げたらしい

ボールの家にパーセルが訪ねてきて
誘拐事件の情報を教える代わりにお金を要求する
バーバラが彼を見て、父だと言う パーセルは芸名


●イーグル映画会社
ケイはボールの服を着て、イーグル映画会社を訪ねると、ボールにそっくりで間違われる
トーナー社長に6本指の男について聞き、エルバートン秘書が調べる

試写用フィルムに映る男は茶色のセダンの男
6本指の男が映画女優を誘拐するという筋で、男はそれを真似たらしい

ボールの家に戻ると、誰かにかき回された後
ジャンヌは縛られている

バーバラは父とともに家を出て、置き手紙をしていた
知らない土地で父とやり直す、という内容

ボールとミントンが帰宅
エルバートンも来て、機材が盗まれた件で私立探偵を雇うという


●ゆすり
シャッドから電話があり、明日夜9時に5000ドルを持ってこいとゆする
ケイはボールになりすまして現場に行き
メッセンジャーボーイに新聞紙の入ったトランクを渡す

メッセンジャーボーイはシャッドにお金を渡し、列車に乗る
行先はジェーンおばさんの家が近いシェルバーンと分かり飛行機で先回りし
ビルに迎えに来るよう頼む

その話を女中のルーシーが盗み聞きしている
ルーシーはアイクが好きで情報を流している
ダイヤモンドの指輪をアイクからもらい、いずれは結婚するとウソを信じている


●逃走
シャッドはニセ金に気づき、駅で見張る警官とケイを見て、列車から飛び降りる
そこにアイクとネイサンが通りかかり、小屋に連れて行く







ルーシーから小屋の様子を聞いて、警察を呼ぶ間に、ケイは再び縛りあげられる
指輪をルーシーにあげたことでケンカになるアイクとビーリング







助けに来たビルも縛られ、倒れたランプの火で小屋が炎に包まれる
火でロープを焼き切り、ブリザードの中、ようやく農家を見つけて助けを求める






ケイは警察に地下室を教えて、そこに隠れていた3人は逮捕
誘拐、飛行機の車輪の細工などすべての罪が暴かれる


●劇場
ハンドバッグの切符を盗んだのはエセルで、劇場に友だちと一緒に観に来た時
「劇をお楽しみください 持ち主より」というメモを渡すと慌てて逃げる



解説
「ケイ・トレーシー・ミステリー・ストーリズ」は一連の人気シリーズ

貧しい境遇から身をおこして、一流女優となったボール
腕1本で世間を渡るミントンらは、いかにもアメリカ人好みのタイプ
こうしたアメリカの好みやものの考え方をくみとってほしい


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