メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『こころが晴れるノート』

2012-08-30 15:42:29 | 
『こころが晴れるノート~うつと不安の認知療法自習帳』(創元社)
大野裕/著

認知療法(思い込みを直す)の基礎として、クリニックの主治医から勧められて、
随分経ってから、やっと買ったのが6月(ブログを調べて分かった/焦)、
内容にワークが多いのと、ほかに読みたいものがたくさんあって後回しにしていたせいで、
やっと読み終わったのが今ごろになってしまった

しかも、大してワークの書き込みを練習することなく、
そもそも、みんな思い込みで生きてるなら、それはそれでいいんじゃないか?
と思い始めて、今ではすっかり開き直ってるし/苦笑

それぞれの思い込みを「個性」と捉えて、1人1人違って当然、
他人と違う自分を認めればいいと、勝手に解決してしまった。

それでも、長いことかけて読んだことだし、せっかくだから一応記録しておこう。
すでに分かっていることもあり、なるほどと思った箇所もあったから。
また長くなること必至。興味のない方はすっ飛ばしてくださいませ

【内容メモ】
大事なキーワードは2つ。
自動思考
瞬間ごとに浮かんでくる考えやイメージのこと。現実をどのように見ているかが現れる。

スキーマ
「自動思考」を生み出す元になっている「考え方のクセ」

まずは、自分のストレスに気づく練習問題をキチンと整理する練習をする。

気持ちは考え方に影響される
憂鬱、身体が重くなる。怒り、恐怖、安心。
同じ体験をしても、どう捉えるか(認知の仕方)で気持ちは随分違って、身体の反応や行動も変わってくる。
私たちは、自分で作り出した世界を生きて一喜一憂している。

否定的な認知の3つの特徴
・自分に対して悲観的
・周囲に対して悲観的
・将来に対して悲観的

辛い時に頭に浮かんだ考えやイメージに注目する
私たちは物事を現実以上に悲観的に考えている。
不安な時、危険に対して過度に敏感になっている。
自分の中の自動思考を見つけ出すことが大事(専門的にはホットな思考と呼ぶ

「でも・・・」という言葉は要注意(後ろ向き
疑問文の問いかけも危険「そんなにうまくいくだろうか?」「いくわけがない」
ストレス時には、最初から悲観的な決めつけをして、諦めてしまいがち。
試してみて何も得られないことはほとんどない。

自分が悪いわけじゃない
「人」は変えられないが、「考え」は変えられる。
善悪を判断して、自分や人を責めても問題は解決しない。
自分の気持ちを周りの人にキチンと伝える
自由な考え方を身に着ける+ストレスを軽くする

考えはカンタンには変えられない
回り道に見えても、繰り返しが大切。ストレスがあって一時的に出来なくなっている状態だと意識する。
ストレスの原因になっている問題をもう一度新しい視点で見直して解決することも必要。

「アサーション」=自分の考えを相手に適切な形で伝えること

ストレスがたまると極端な考え方をしている。
バランスの良い、適応的(現実的で合理的)な考え方に変えていく。

本当に強い人は、弱った自分も自分として受け入れられる人
困った時もそれなりの手当てがすぐに出来る人。
「いつもとは違う感じ」が出たら、注意する。
何が問題なのか、それに対して自分はどうなればいいと思っているのか、具体的に考える。
一度にいくつもの問題を解決しようとしない

解決目標を設定するポイント
1.自分にとって重要か
2.解決可能か
3.具体性があるか
4.将来につながるか

認知療法は、マイナス思考をプラス思考に変えるのが目的ではない。
問題解決に役立つような現実的で柔軟な考え方が出来るようになるのが目的。

「考え」と「気分」を区別する
気分は一つの言葉で表現できるもので、考えは文章になって浮かんでくる。
自動思考は、できるだけ逐語的に書き出す。
自動思考の内容は、一つの可能性だし、推測だと考える。

特徴的な認知の歪み
根拠のない決め付け
白黒思考
部分的焦点づけ
過大・過小評価
べき思考
極端な一般化
自己関連づけ
情緒的な理由づけ
自分で実現してしまう予言

気持ちが動揺している時には「いつも」「絶対」と極端な判断をしてしまいがち

問題解決技法
・問題の明確化
ブレインストーミング(頭を自由にして、思いつくままにアイデアを考える)
・解決行動決定
・実行
・最終評価

・客観的な事実と、不確かな推測や解釈を区別する。
・目標を達成するのに障害になりそうなものをハッキリと言葉で書き出す。
・できるだけ解決法を多く考える。筋が通っているかの判断は後回し。
・くれぐれも、人生の大目標をここで達成しようとしない。

・うつの時には自分の世界に閉じこもりがち。
一時的には楽だが、自分の思い込みからは解放されない。
「アクションプラン」は包括的なものではなく、細かく段階づけたものにする。
・考えが堂々巡りになっている時は、「思考停止」して行動に移る。
・一度にいくつもの課題を解決しようとせず、一つ一つ行動する。

・人間関係を利用する
・思考を利用する(本を読む、冗談を言うなど
・身体感覚を利用する(音楽を聴く、冷たい水を口に含むなど
・身体の動きを利用する(腹式呼吸、散歩など

不眠対策。寝る時間にこだわらず、眠くなってから床につくなど。

生活のリズムを回復する
気分が沈むと、ますます生活が乱れるという悪循環が繰り返される。

人間関係の改善
・親しい人との間で気持ちがスレ違い続けている時、
 社会的な役割や立場が変化して人間関係が変化した時などは、気持ちが変化しやすい。
・相手とのコミュニケーションがうまく噛み合っているかどうか、
 具体的な問題について話し合えているかどうかをチェックする。

自分が引くと相手も引く。自分が弱気だと、相手が厳しくなり過ぎる。
・メールや手紙で伝える。ただ、一方的になりやすいので、感情的にならないように注意する。
・言いにくいことも言わなくてはならない
「こんなことを言うと気を悪くするんじゃないか」
「わがままだと思われるんじゃないか」という自動思考が浮かび、言いたいことが言えなくなる。
不満がたまり、相手のマイナス面が目について、イヤでたまらなくなる。
相手にも伝わる
・自分の気持ちは言葉で伝えなければ、相手に通じない。
「ブレイブトーク」=勇気をもって話す。うまくいなかったら、元々そうなるはずだった。

気持ちの伝え方の3つのタイプ
・攻撃的
・受身的
・自己表現的(ブレイブトーク、アサーティブ)


自分を伝える会話術
・落ち着いて話す
・相手の気持ちを深読みしすぎない
・「なぜ、なぜ」と理由を聞きすぎない
・話さなくても分かってもらえると期待しすぎない
・具体的に簡潔に伝える
・穏やかに話す

スキーマに気づく
自分の考えや行動パターンに大きく影響している。
「すべての人から愛されなくてはいけない」
「自分はダメな人間だ」
「自分の気持ちをコントロール出来なければ大変なことになる」など


スキーマに気づく方法(下向き矢印法)
それが本当だとして、自分にとってどういうことだろうか?
          ↓
自分(生活・未来)にとって、どういう意味をもつのか?
          ↓
それが起こったとして、最悪のことは何だろう?
          ↓
他人が自分についてどう考えているかが、どういう意味をもつのか?
          ↓
ほかの人について、それはどういう意味をもつのか?
          ↓
自分について言えば、それはどういうことか?
          ↓
ほかの人について言えば、それはどういうことか?
          ↓
世の中について言えば、それはどういうことか?

(これがピンとこなかったな


スキーマに非現実的な面がないかどうか考える
・自分が付き合っている人を大切だと考える順番に並べてみるとよく分かる。
・これまで長く慣れ親しんできたスキーマはそう簡単には変えられない。
「変えなければいけない」というのも完璧主義スキーマ。
少し手を抜いていいものもあるかもしれないと考えれば、
仕事も楽になり、能率も上がり、気持ちが楽になり、ストレスに対する抵抗力も高まる

認知療法4つのポイント
自由な視点をもつ
現実に焦点を当てる
問題解決を目的とする
対人関係能力を向上させる

その他、
・役に立った対処法をメモして必要な時に見返す
・困った時は「落ち着くように」ひと息ついてもう一度問題に取り組む
・機会があるごとに自動思考に目を向け、柔軟な考え方をする練習をする
・単なる気分の波と、本当の落ち込みを区別する
・必要に応じて親しい人や仲間、専門家の力を借りる柔軟性が大事


薬の服用について
向精神薬の種類
・向精神薬精神治療薬、催幻覚薬抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、気分安定薬、精神刺激薬

・薬物療法+認知療法を併用すると、症状の軽減・副作用の緩和に有効だと実証されている。
・薬を中途半端に飲んでいるとかえって症状が長引く。
 その際も自動思考に注意。「副作用が心配」「慣れて効かなくなるのでは?」など。
主役は自分。医師も薬も上手に使ってこそ意味がある。
・アルコールは気分を沈みこませる薬効があり、眠りも浅くする。

原因を追求しすぎない
・性格が悪いから、親の育て方が悪かったから、と誰か悪者を見つけて責めると、
 ますます辛くなり、人間(家族)関係がギクシャクする。

ストレス関連症状の種類(いろいろあるんだねぇ・・・
不安障害(パニック障害)、広場恐怖、全般性不安障害、社会不安障害、
特定の恐怖症(高所・血液・閉所・乗り物など)、強迫性障害、
PTSD(外傷後ストレス障害)、急性ストレス障害、適応障害、
身体表現性障害、不眠症、摂食障害(拒食症・過食症)

これらにも認知行動療法が効果的な場合がある。


というわけで、せっかく買って家にあるんだから、
なにかストレスに感じた時にときどき開いてみてみようっと。


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