■『私がクマにキレた理由』(The Nanny Diaries)(2007)アメリカ
監督・脚本:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
出演:スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、ポール・ジアマッティ、ニコラス・アート、アリシア・キーズ、クリス・エヴァンス、ドナ・マーフィー ほか
「自分のやりたいことって何?」
「そもそも自分ってどんな人間?」
▼story
アニーは大学を出て、かねてから母親に言われていた一流企業への面接を受けに行くが、
「あなたはどんな人ですか?」ていうカンタンな質問の答えにすっかり詰まって、逃げ出してしまう
キャリアウーマンらしき女性を見てもピンと来ず、公園のベンチで鳩にエサをやるオバサンになってしまうのか?と悩んでいると、
自転車にぶつかりそうになっている少年グレイヤーを助けたのがキッカケで、ナニーのバイトを始めることに。
グレイヤーはわがままたっぷりな男の子。でも、それは孤独の裏返しだった。
父ミスターX氏は金儲けの仕事と浮気、母は夫に相手にされない欲求不満から様々な催しやショッピングに明け暮れ、
2人とも息子のことを邪魔者かオモチャ扱いしかしていなかった。
24時間、休みなしで奉仕して、自分を見失ってしまうアニー。母にもウソをついて誤魔化している。
雇い主の住むマンションの上階にいる青年と知り合うも、ナニーにカレシはご法度!
ミスターX氏に口説かれたり、ナニーカメラでチェックされたりで、アニーはもう爆発限界になる
大学を出たばかりの20歳そこそこで、自分がどんな人間かハキハキ言える人のほうがインチキ臭いよねぇ
歳をとったら必ず分かるってものでもないし、それだけ人生は複雑で、日々刻々と変化しているわけだし。
もしハキハキ答えられる人がいたら、面接用、対人用に都合のよいペルソナを披露しているか、
「自分はこうありたい」「こう見られたい」という願望じゃないのかな。
憧れるセレブライフであっても、そこに「正直な自分」がいなければ、すべて上っ面だけの空しい虚構に過ぎないと知って、
途中で辞めたくても、孤独な少年と、奥さんに対する愛情、責任感でなかなか言い出せないアニー。
「さっぱり辞めて、バカンスに行こうよ
」なんて誘うカレシは、
彼女を元気づけようとしてるのかもだけど、なんだかちょっと無責任に見えた
中途半端に投げ出しても、結局気になるし、なんの成長にもならないもんねえ。
アニーの母は「若くて、自由なんだから、なんでもやれるじゃない!」と言いつつも、
一人娘には一流企業に就職して金を稼いで、ゆくゆくは青年実業家とでも結婚して家庭を持ってほしいと期待している。
娘を育てるのに自分のやりたいことも我慢していた、そんな母親の苦労や期待の大きさを知っているからこそ、
ガッカリさせたくなくて嘘をついてしまった気持ちがよく分かる。
セクシー女優として人気のヨハンソンは、あまり好きなタイプじゃないんだけど、
ニュージャージーから来たちょっとダサめな等身大の女の子役を好演していて、演技の幅を見せている。
人類学専攻だけあって、街を歩いているいかにもパターンにハマってる人物像を観察しながら、
自分の進路を模索するってゆう展開が面白い。
自由と夢の国、アメリカにも、生まれた土地や環境、稼ぎの大小による壁、差別がある。
お金や教養があってもなくても、それぞれ抱えている問題があって、
それらを1つ1つ乗り越えて学んでいく過程は同じなんだ。
映像特典は、メイキング:凡人から見た金持ちの暮らしぶり、原作者の告白、ファニーカット集、
削除シーン集、オリジナル版劇場予告、日本版劇場予告集。
「観察者になろうとしたのに、私は人生の“傍観者”になっていた」
「人類学者たちは、こう信じている“自分の世界を理解するためには、未知の世界に身を沈めるべきだ”と」
監督・脚本:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
出演:スカーレット・ヨハンソン、ローラ・リニー、ポール・ジアマッティ、ニコラス・アート、アリシア・キーズ、クリス・エヴァンス、ドナ・マーフィー ほか
「自分のやりたいことって何?」
「そもそも自分ってどんな人間?」
▼story
アニーは大学を出て、かねてから母親に言われていた一流企業への面接を受けに行くが、
「あなたはどんな人ですか?」ていうカンタンな質問の答えにすっかり詰まって、逃げ出してしまう

キャリアウーマンらしき女性を見てもピンと来ず、公園のベンチで鳩にエサをやるオバサンになってしまうのか?と悩んでいると、
自転車にぶつかりそうになっている少年グレイヤーを助けたのがキッカケで、ナニーのバイトを始めることに。
グレイヤーはわがままたっぷりな男の子。でも、それは孤独の裏返しだった。
父ミスターX氏は金儲けの仕事と浮気、母は夫に相手にされない欲求不満から様々な催しやショッピングに明け暮れ、
2人とも息子のことを邪魔者かオモチャ扱いしかしていなかった。
24時間、休みなしで奉仕して、自分を見失ってしまうアニー。母にもウソをついて誤魔化している。
雇い主の住むマンションの上階にいる青年と知り合うも、ナニーにカレシはご法度!

ミスターX氏に口説かれたり、ナニーカメラでチェックされたりで、アニーはもう爆発限界になる

大学を出たばかりの20歳そこそこで、自分がどんな人間かハキハキ言える人のほうがインチキ臭いよねぇ

歳をとったら必ず分かるってものでもないし、それだけ人生は複雑で、日々刻々と変化しているわけだし。
もしハキハキ答えられる人がいたら、面接用、対人用に都合のよいペルソナを披露しているか、
「自分はこうありたい」「こう見られたい」という願望じゃないのかな。
憧れるセレブライフであっても、そこに「正直な自分」がいなければ、すべて上っ面だけの空しい虚構に過ぎないと知って、
途中で辞めたくても、孤独な少年と、奥さんに対する愛情、責任感でなかなか言い出せないアニー。
「さっぱり辞めて、バカンスに行こうよ

彼女を元気づけようとしてるのかもだけど、なんだかちょっと無責任に見えた

中途半端に投げ出しても、結局気になるし、なんの成長にもならないもんねえ。
アニーの母は「若くて、自由なんだから、なんでもやれるじゃない!」と言いつつも、
一人娘には一流企業に就職して金を稼いで、ゆくゆくは青年実業家とでも結婚して家庭を持ってほしいと期待している。
娘を育てるのに自分のやりたいことも我慢していた、そんな母親の苦労や期待の大きさを知っているからこそ、
ガッカリさせたくなくて嘘をついてしまった気持ちがよく分かる。
セクシー女優として人気のヨハンソンは、あまり好きなタイプじゃないんだけど、
ニュージャージーから来たちょっとダサめな等身大の女の子役を好演していて、演技の幅を見せている。
人類学専攻だけあって、街を歩いているいかにもパターンにハマってる人物像を観察しながら、
自分の進路を模索するってゆう展開が面白い。
自由と夢の国、アメリカにも、生まれた土地や環境、稼ぎの大小による壁、差別がある。
お金や教養があってもなくても、それぞれ抱えている問題があって、
それらを1つ1つ乗り越えて学んでいく過程は同じなんだ。
映像特典は、メイキング:凡人から見た金持ちの暮らしぶり、原作者の告白、ファニーカット集、
削除シーン集、オリジナル版劇場予告、日本版劇場予告集。
「観察者になろうとしたのに、私は人生の“傍観者”になっていた」
「人類学者たちは、こう信じている“自分の世界を理解するためには、未知の世界に身を沈めるべきだ”と」