『離愁』~Le Train(1973)フランス
原作:ジョルジュ・シムノン 監督:ピエール・グラニエ=ドフェール
出演:ロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニャン ほか
今作はカンペキな名作だ。母もきっと好きになる悲恋もの。
不朽の名作とは、突然の悲劇で終わるものが多い。
「よかった、よかった」のハッピーエンディングより、ずっと心に刺さって
思い出に残るからだろう。でも、今作は悲劇だろうか?
原題は「列車」。昔ながらの汽笛をあげてのんびり進む蒸気機関車と、
戦争中とは思えないほどのどかに広がるフランスの草原風景が素晴らしい。
▼story
ラジオで空襲避難警報を聞いたジュリアンは、臨月の妻と幼い長女を連れて
疎開先に向かう列車に乗るが、妻は優遇されて1等席、夫は最後尾の貨車に
分けられてしまう。
そこで出会った黒服の美しい女性アンナにひと目で惹かれたジュリアン。
長く不安な道中を共に過ごすうち、2人は親密な関係になるが。。
ときは第二次世界大戦中。影のあるアンナは、実はドイツ生まれのユダヤ系で、
列車に乗る前すでに家族を収容所に連れていかれなくしている、という事情が
今作を悲劇にしている。
フランス人で職人のジュリアンたちは戦争の実態もよく分からずにいるから、列車の中で
退屈しのぎに酒を飲んだり、歌って踊ったりして、アンナとは立場がだいぶ違うんだよね。
特殊な状況でうまれた愛だけに、いずれは別れがくると知りながらも寄り添いあう
姿がなんともいえない。言葉少ない中で交し合う視線とかも。
トランティニャンのヨレったスーツにメガネがこれまたステキすぎる・・・はぁ~
内気で地味なラジオ技師ながら、ここぞってときにはケンカも恐れないし、
戦火の中を守ってくれる頼りになる男ジュリアン。
ネタバレになるけれど、ラスト家族を守るために他人のフリもできたのに、
そうしなかったのが彼の真の愛情と優しさ。
ロミー・シュナイダーは好きな女優のひとり。端正な顔立ちの知的なクールビューティ。
素晴らしい作品を残しながら、本人のプライベートは波乱に満ちて、
43歳という若さで亡くなっている寂しいものだった。
ジャック・レモン主演の「ちょっとご主人貸して」、ピーター・セラーズと共演した
「何かいいことないか子猫チャン」も大好きな映画。
原作:ジョルジュ・シムノン 監督:ピエール・グラニエ=ドフェール
出演:ロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニャン ほか
今作はカンペキな名作だ。母もきっと好きになる悲恋もの。
不朽の名作とは、突然の悲劇で終わるものが多い。
「よかった、よかった」のハッピーエンディングより、ずっと心に刺さって
思い出に残るからだろう。でも、今作は悲劇だろうか?
原題は「列車」。昔ながらの汽笛をあげてのんびり進む蒸気機関車と、
戦争中とは思えないほどのどかに広がるフランスの草原風景が素晴らしい。
▼story
ラジオで空襲避難警報を聞いたジュリアンは、臨月の妻と幼い長女を連れて
疎開先に向かう列車に乗るが、妻は優遇されて1等席、夫は最後尾の貨車に
分けられてしまう。
そこで出会った黒服の美しい女性アンナにひと目で惹かれたジュリアン。
長く不安な道中を共に過ごすうち、2人は親密な関係になるが。。
ときは第二次世界大戦中。影のあるアンナは、実はドイツ生まれのユダヤ系で、
列車に乗る前すでに家族を収容所に連れていかれなくしている、という事情が
今作を悲劇にしている。
フランス人で職人のジュリアンたちは戦争の実態もよく分からずにいるから、列車の中で
退屈しのぎに酒を飲んだり、歌って踊ったりして、アンナとは立場がだいぶ違うんだよね。
特殊な状況でうまれた愛だけに、いずれは別れがくると知りながらも寄り添いあう
姿がなんともいえない。言葉少ない中で交し合う視線とかも。
トランティニャンのヨレったスーツにメガネがこれまたステキすぎる・・・はぁ~

内気で地味なラジオ技師ながら、ここぞってときにはケンカも恐れないし、
戦火の中を守ってくれる頼りになる男ジュリアン。
ネタバレになるけれど、ラスト家族を守るために他人のフリもできたのに、
そうしなかったのが彼の真の愛情と優しさ。
ロミー・シュナイダーは好きな女優のひとり。端正な顔立ちの知的なクールビューティ。
素晴らしい作品を残しながら、本人のプライベートは波乱に満ちて、
43歳という若さで亡くなっている寂しいものだった。
ジャック・レモン主演の「ちょっとご主人貸して」、ピーター・セラーズと共演した
「何かいいことないか子猫チャン」も大好きな映画。