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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『離愁』

2007-07-08 19:58:54 | 映画
『離愁』~Le Train(1973)フランス
原作:ジョルジュ・シムノン 監督:ピエール・グラニエ=ドフェール
出演:ロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニャン ほか

今作はカンペキな名作だ。母もきっと好きになる悲恋もの。
不朽の名作とは、突然の悲劇で終わるものが多い。
「よかった、よかった」のハッピーエンディングより、ずっと心に刺さって
思い出に残るからだろう。でも、今作は悲劇だろうか?
原題は「列車」。昔ながらの汽笛をあげてのんびり進む蒸気機関車と、
戦争中とは思えないほどのどかに広がるフランスの草原風景が素晴らしい。

story
ラジオで空襲避難警報を聞いたジュリアンは、臨月の妻と幼い長女を連れて
疎開先に向かう列車に乗るが、妻は優遇されて1等席、夫は最後尾の貨車に
分けられてしまう。
そこで出会った黒服の美しい女性アンナにひと目で惹かれたジュリアン。
長く不安な道中を共に過ごすうち、2人は親密な関係になるが。。

ときは第二次世界大戦中。影のあるアンナは、実はドイツ生まれのユダヤ系で、
列車に乗る前すでに家族を収容所に連れていかれなくしている、という事情が
今作を悲劇にしている。
フランス人で職人のジュリアンたちは戦争の実態もよく分からずにいるから、列車の中で
退屈しのぎに酒を飲んだり、歌って踊ったりして、アンナとは立場がだいぶ違うんだよね。
特殊な状況でうまれた愛だけに、いずれは別れがくると知りながらも寄り添いあう
姿がなんともいえない。言葉少ない中で交し合う視線とかも。

トランティニャンのヨレったスーツにメガネがこれまたステキすぎる・・・はぁ~
内気で地味なラジオ技師ながら、ここぞってときにはケンカも恐れないし、
戦火の中を守ってくれる頼りになる男ジュリアン。
ネタバレになるけれど、ラスト家族を守るために他人のフリもできたのに、
そうしなかったのが彼の真の愛情と優しさ。

ロミー・シュナイダーは好きな女優のひとり。端正な顔立ちの知的なクールビューティ。
素晴らしい作品を残しながら、本人のプライベートは波乱に満ちて、
43歳という若さで亡くなっている寂しいものだった。
ジャック・レモン主演の「ちょっとご主人貸して」、ピーター・セラーズと共演した
「何かいいことないか子猫チャン」も大好きな映画。


『危険な恋人』

2007-07-08 16:03:32 | 映画
『危険な恋人』~COL CUORE IN GOLA (1968)イタリア/フランス
監督:ティント・ブラス
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、エヴァ・オーリン、ビラ・シレンティ、
ロベルト・ビサッコ、チャールス・コーラー ほか

トランティニャンが出演してるっていうほかはあまり映画的にはピンとこなかったな/苦笑

story
父親が交通事故で亡くなり、遺された義母とその愛人、仲の良い兄と妹は
悲しみを忘れるために来たクラブで鉢合わせる。
可愛い妹ジェーンをひと目見て心奪われた売れない俳優のベルナールは、
彼女を追ううち愛人の死体を見つける。そのそばにいたジェーンをかばって
事件に巻き込まれてゆく。

次々と死体が出てきて、妙なギャングにも追われてジェーンは監禁されるしで、
何か探すときはベルナールの目の動きだけのカットを使ったり、バスの中での
キスシーンにやたらと街中の人びとの視線を集めてる感じを出したりと、
いろいろ工夫してるけどそれほど奇抜さは感じられない。

本作の見どころはやっぱりトランティニャンとエヴァのセクスィな掛け合い。
エヴァ・オーリンのズルいくらいのアイドル的な可愛いさに全然負けてないんだな。
写真スタジオで興奮してなぜか置いてあったドラムを乱れ打ちしてから、
ターザンになって縄に掴まって飛ぶシーンなんて、性格俳優の風格を投げてるし/爆
イタリアが絡んでるからどぅーしてもこうゆうおトボケお色気シーンが混ざっちゃうんだよねw
見た目ストイックながらこうゆうお茶目さもあって、そのギャップがたまらない
イタリア語を喋るトランティニャンもステキ。
ん?この2人『殺しを呼ぶ卵』(1967伊)て作品でも共演してるんだ。
『キャンディ』(1968米) はやたらとどの店でもピックアップしてるから気になってる。