メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1999 Australian Open

2004-03-01 23:26:18 | テニス
ついこの間「もう今年のテニスシーズンは終わったか・・・」と思ってたら、
もう新しい戦いの幕が上がった。

いきなり嬉しいニュースを聞いた。準決勝にヒンギス×モニカ


モニカ・セレシュ×スティフィ・グラフ 7-5 6-2 セレス
こんな素晴らしいカードが再び観れるとは!
もしかして、これがラストかもよ。

膝?左足首手術をしたらしいグラフ。
数年前から引退をほのめかしていた彼女は
「万全の準備ができたから出場した。テニスが好きだから」と言ったという。

忌まわしい事件から見事な復活を果たした時に、最愛の父を亡くしたセレス、
同じく、父に裏切られた傷を負い、今年29歳、新風に押されてすっかり影の薄らいだグラフ。

死闘を繰り広げた全仏の姿も昨日のことのよう。
セレスも25歳かあ! 信じられないなあ。
ふと、あのまま事件がなかったらどうなっていただろうと思わずにいられないのは、私だけじゃないだろう。

でも、新風はいつでも吹いている。
いずれにせよ安易な道ではあり得なかったはず。
生まれ変わって、人間的にも、選手としても成長した彼女の今を見れば、
不幸も絶望も糧だったと思える。

メランコリックになっているのは私たちだけで、彼女たちは常に未来を見つめていたんだ。
とくにセレスは、グラフよりヒンギスをターゲットにすべき。実際そうなった。

グラフは、まだ混沌の真っ只中にいる気がする。
松岡修造の解説の通り「バックハンドで決められるというプレースタイルが大きく変わったのが原因」なら
納得できるが、いつのまにか女王の座を追われて、不調になったグラフ。

「負ける気がしない」

と余裕で苦笑いしていた頃の無敵な表情と自信は、この試合にはなかった。
対照的に常に自身と向き合い、ペースを守り、集中しきったセレスの表情は孤高の侍みたいだった。

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マルチナ・ヒンギス×メアリー・ピアース

ビデオテープが足りなくて、途中までしか観れなかったけど、ヒンギスが勝ったらしい。
天真爛漫の少女だけでは、厳しい混戦は乗り切れなかったヒンギスも、
対ヒンギスで押し寄せる新人に、最近はずっと不調だったらしいが、
やっと「ハイジが戻ってきた」という今回。

肉感的な“grace(優雅)”って言葉がピッタリのピアースと対照的に
可愛らしいヒンギスらしさの出るウェアで、2人ともとってもファッショナブルなのが印象的。

やっぱり女子テニス界って華も実もある立派なエンターテイメント。

そして、これから観る対戦に久々興奮。
今日の午後から始まる女子ファイナルにあがったのは一体誰だったのか?!

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マルチナ・ヒンギス×モニカ・セレシュ 6-2 6-4 ヒンギス

ヒンギスが'98全豪から優勝からずっと離れていて、ダベンポートが女子ランキングNO.1になっていたとはビックリ!
でも、この試合はどんどん調子を上げて、モニカは逆に力が入って、
グラフ戦で決まっていたバックのダウン・ザ・ラインやらが決まらなかったのが敗因か。

全然モニカサイド陣営の紹介がなかったけど、今度のコ-チってたしかけっこうイケメンだったよね。
二人三脚の改造計画の成果は、まだ未完成か!?

負けなしの全豪で、'98にはヒンギスに2勝してたけど、今回は見送り。
あまりいいショットの観られないゲームだった。
なんか余談だけど、2人の母親の顔が似てない?


topics
注目のヴィーナス・ウィリアムズは、自慢のビーズがコート内に落ちて、
「身に着けているものがコートに落ちたら減点」てルールに半泣きで抗議。
結局、それでペースも崩して、シングルス敗退したって、NHKのニュースにまでなってた。


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アメリー・モーレズモ(フランス)×リンゼイ・ダベンポート 4-6 7-5 7-5 モーレズモ
いやあ、モニカの試合の落ち込みもぶっ飛んだ! なんだ、なんだコイツは
またキョーレツ、モーレツなキャラ登場。女子テニス界は面白い。
ヒンギスもたじろぐワケだね。どう見ても男子みたい。肩の筋肉もたくましい。このカッコ良さ

しかも、いきなり世界NO.1の足元をすくって注目度アップ間違いなし。
それが、なんとエドバーグのサーヴィスに憧れてテニスを始めたって!
男子シングルスの顔合わせかと思ったよ、この試合。

今までマニッシュな美しさでピカイチなサバティーニはいたけど、さらに凛々しい。
しかし、何度も映ってガッツポーズ連発してたお友だち?は誰?
ちょっとアジア系で、こちらも性別不明。

パワーテニス界もここまで来たか。
人間離れしてて、もしかして宇宙人かも・・・
断然、女子ファイナルに興味出てきた。


topics
ダベンポート&ズベロワ×ウィリアムズ姉妹のダブルスは、ダベンポート組の勝ち。
ヒンギス&クルニコワのコギャル・キャピキャピ・ピチピチ・ノリノリチームのゲームも面白そうだったな。

それにしても全然分からないのは男子。
今回、テレビ放映してもしゃーない雰囲気で、知った顔は皆どこへ行ったの??? 寂しいなあ。

UVカットしたウェアを着たヴァンパイアとテニスして、陽がさして周りは灰と化すのに
「自分は大丈夫だぜ」ってな相手にニンニクをサーヴしてとどめをさすってNIKEのCMはイケてる。


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女子ダブルス決勝戦 ヒンギス&クルニコワ×ダベンポート&ズベロワ ヒンギス組優勝

ライバル同士の2人が組んで、見事なプレーで優勝。

ヒンギスは、シングルス共に疲れも見せず、常にいろんな人と組んで優勝に導いてきたが、
今回もすっかりお姫さまが先生のようになって、なんだかんだと話しかけ、励まし、
とびきりの笑顔でコートを和ませていて、女王なのに、天真爛漫な上、
意外に気を遣うコなのかもって一面も覗いた。

松岡修造も「女王さま」とお気に入りのクルニコワは、
10代にして氷の人形のごとき美しさと色っぽさ
こんなビジュアル系ペアは今までいなかった。

現NO.1のはずのダベンポートに、ダサいメガネのズベロワ(失礼)がすっかり地味にかすんでた。
ずっとダブルフォルト続きで不調だったらしいクルニコワを、ヒンギスがサポートし続けたおかげで
サーヴィスエースやらスーパーショットが多数出て、やっと最後に満面の笑顔

ダブルスで強くなるのはヒンギスにとって、シングルスのライバルが強くなることなのに
誠意をもって素晴らしチームプレイを見せた彼女に拍手


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Wemen's Final マルチナ・ヒンギス×アメリー・モーレズモ 6-2 6-3 ヒンギス

やっぱヒンギスだわ。去年、不調だったなんて思えない。
バンビみたく軽やかに弾んで、安定した余裕の試合運び。
ダブルスで培ったコートいっぱい使った多彩なプレー、そして今回3連覇というキャリアが一番影響したかな。

モーレズモの健闘にも拍手。

ファイナルのプレッシャーに決めショットとサーヴィスが不安定で、不安な表情には、とってもフェミニンさが覗いてた。
芝では分からないけど、これから場数を踏んでいけば、きっと近い未来、大物になる予感。
そうなって欲しいし、世界の期待、プレッシャーをはねのけて欲しい。
かつてガヴィがプレッシャーについに勝てずに卒業していったことを思うとなおさら。

こうなると、次の全仏が楽しみ。

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