メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

君はなにがしたい?

2004-03-20 13:28:45 | lyrics
今日が本当に24日かどうか自信がない
ここのところずっとそんな風なので
まったくボンヤリしているようだ

スティーヴン・キングの「skeleton crew」を2編ばかり読んで
ひたすら意識下と無意識下の間を
ユラユラいったりきたりしている


ただひとつ思うのは
なにもはじめる前から
逃げるような失態だけはしまいということだ

実際、今、私が何をしているのかも
よく分かっていない状態だけど

友人からの手紙の一通でも届けば
気分もすっかり変わるだろうに
そんな気配もない


やらなくてはならないことが山積みになって
なんとか期限内に私の手が回ってくることを
切望しているのに、そんな気も起こらない

その気になれば手を貸してくれそうな
2、3の顔も浮かんではくるが
助けを求めようともしない


今は一体なにがしたいか?
君はなにがしたいかね?

そういってるあんたは誰だい?
一体どこから入ってこれたんだい?

裏の戸口が開いていたから、そこだろう
そこから勝手に猫みたいにして
忍び込んできたんだろう?


君は今何が欲しいかい?
一体何が食べたいかい?

なんでも言ってごらん
わたしなら何でももっているよ

ホラ

この手の中にはなんだってある

言ってごらん

言うだけでいい

そしたら、すぐに君の目の前でだしてあげるよ

すぐにね
すぐだ

もうすぐ生まれるよ
新しいなにかが



人間はどこまで意識的に生きられるだろう
その意味は?
誰のために?

自分を生んで、育ててくれたひとのために?
私を愛してくれる人のために?
けれども私に愛される資格があるだろうか?

こんなに無能で
愚鈍で
醜悪で
無愛想な生き物なのに

誰かに大切にされる価値などあるのかしら?
誰かを好きになったり、
想ったりする価値が?

期待されて
働いて
生き長らえる価値はあるかしら?


わたしは今、
この一瞬だけ
平和で安全なテリトリーの中にいる

信じがたいほど
自分と
現実と
時間と
空間を意識しながら


期限はあとたったの1日で
たぶんきっと明日も
今日とまったく同じで

もし誰かがこっそり
明日と今日を並べかえても
誰も気づきはしないだろう

かろうじて外の世界のことを
考えずに済んでいる


ここには、私ひとりで
清潔で
静かで
自由で

つくられた言葉も
つくられた笑顔もなく

辛うじて
責められることも
痛みもなく
試されもせず
進歩も後退もなく

ただ悲しい時間のみが

午下がりの
曖昧だけれども
刻々と流れる
時間だけを
感じている


私はもう大人なのだから
いつのまにやら
そんな責任を負っているのだから

私には自己を証明するものがない
あとは自分で自分を証明するしかない




すごい意識下だ

脳内に流れる
何百万、何千万本もの血管を流れる
血液の音が聴こえる

今ならなんでも考えられそうでいて
実はなにも考えられない


真正面に自分がいる
今までこんなに近くにいる人間を
見たことがあるだろうか?

あんまり近くに感じたので
思わず吐きそうになった

その目の前にいる奴はこっちを見ている
じいっと一心に見つめている

危機がせまってくる
絶対絶命の危機だ


これは夢だろうか?
現実だろうか?
ほかには誰もいない


期限はあと6日

それでも7日目からやらねばならないこと
やり続けなければならないことのほうが
数倍、数十倍も増えるものだから

それに比べれば
この期限内のやらねばならないことなど
取るに足らぬことかもしれない


そうだ
やり続けなければならない

ほかの人もそうしてきたし
そうするつもりなのだから

途中で休んだりできないのだから
義務で
取り引きなのだから



できればわたしは一日中泣いていたい


猫の死体にたかるハエのように
羽を小刻みに震わせながら
体中で鳴きながら過ごしたい


人はどこまで意識的に生きられるだろうか?







1991.3.24記

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