しるばにあの日誌

プリキュアシリーズレビューやいろいろな事について語るブログです。

ふしぎ遊戯外伝11 ー優愛伝ー

2011-07-22 09:16:00 | ふしぎ遊戯
 朱雀七星士張宿メイン。
 賄賂罪の濡れ衣を着せられた父が自殺したのを境にズバ抜けた知識を得た道煇。しかし、朱雀の能力で頭脳明晰になった自分と本来である弱虫な自分との間に悩んでた。


<プロフィール>
本名:王道煇(おうどうくん)
出身地:南紅国上善市(こうなんこくじょうぜんし)
身長:148cm
生年月日:3月19日
年齢:13歳(初登場時)
血液型:O型
趣味:読書、研究
字が現れる部分:左足の甲
能力:知力
距星: うみへび座ウプシロン星
備考:科挙2次試験を最年少で合格。数時間で字が消えるが玉にきず。


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<決意の朱文字>
 道煇は材木商の家の次男坊として生まれた。父尊拓、母緑雨、10歳年上兄義翔、数名の使用人と暮らしてた。
 道煇が10歳になる直前、兄と一緒に宮殿の大規模工事の仕事に出かけていた父親が賄賂罪で帰らぬ人に。無実を主張し続けるが虚しく自殺する結果に。この時の紅南国は、孟太后の独裁恐怖政治だった。父親の哀れな姿を見て残された一家は号泣。そんな時、道煇の左足に朱雀七星士の証〝張〟という文字が浮かび上がった。道煇は計り知れないほどの知性をもつ少年に変わってた。兄の話と父親の外傷からして、真犯人である他の材木商が役人と手を組んで父親を賄賂の罪におとしめたと推測。でも無実である証拠が父の無念死をきっかけに腐りきった紅南国を変えたいと役人になる決意をした。


<ふたつの人格>
 道煇が朱雀の能力が目覚めたことであらゆる書物を読みあさり、頭脳明晰な少年に変貌。しかし、朱雀の証が現れてはすぐに消え、泣き虫な自分に逆戻り。道煇は朱雀の能力を持ったときの自分とのギャップに苦悩。
朱雀の能力に目覚めた翌年から年一度に行われる科挙試験を受験した。1度目は字が現れず白紙答案。2度目は字が現れて楽勝かと思いきや問題用紙を開いた途端字が消えてしまい、試験管につまみ出され退場。
翌年、紅南国は孟太后が崩御し、政権はその皇太子彩賁帝に引き継いだ。3度目の正直に挑むが、他の受験者達に迷惑だと受理されず。兄は弟のために一肌脱ごうと直談判しに宮殿へ何度も足を運んだ。それが彩ひ帝の耳に届き道煇にも科挙受験の許可を降りた。


<封印された一族>
 科挙一次試験に続き二次試験も合格した道輝。母親に知らせようと付き添ってくれた兄とともに家路についた。そんな中家近くの木陰に火琉座(カルザ)という17歳の青年がいた。
 火琉座の故郷は西廊国磨汗村外れの岩山の洞窟。元々優れた薬草を作る遊牧民だが、200年前の祖先達が住居を岩山洞窟に移り、月の魔力で国を支配しようと野心に燃えた。それが天の怒りを買い、天罰によって暗闇のみの生活に強いられた。村人達に薬草を提供しながら、天の許しを得るのを待ち続けた。
 火琉座は外の世界が見たいとこっそり抜け出し、夜の祭りで白虎七星士奎宿(とかき)&昴宿(すばる)の養女西鈁(シーファン)に一目惚れ。外世界の人間と結ばれることを許さないという父ムサハの言葉を貸さず、天に振り回されたくないと半年前家出した。夜道で西鈁が数人の男性に絡まれているとこを助けるが、一緒にいた女友達に自分達一族を異端な存在と忌み嫌われたと一目散に逃げた。帰る場所がなく各地に彷徨ってたとき、倶東国将軍心宿と邂逅。自分たちと同じ存在で200年前の先祖のように国を支配しようという心宿の企みに共感する。月の力に買われ心宿の下で働くこととなった。
 心宿に張宿捜索を命令されてから3ヶ月後、道輝が科挙試験を3度受験し、最終試験まで登り積めたという噂に目を付けて、道輝にズバ抜けた知能を持っていることから朱雀七星士張宿だと確信し、倶東国に帰って心宿に報告。心宿は張宿の能力を聞いて、火琉座に張宿を朱雀の巫女夕城美朱達と合流させず家から連れ出す用命じる。


<月の少女、未依耶>
 朱雀の巫女夕城美朱が残りの七星士を捜しに旅に出ている時、和平関係だった倶東国が国境近くの村に侵略していた。この噂に道煇は自分が張宿であると科挙合格するまで名乗らないつもりでいたが、母と兄の一押しで朱雀七星士の役目に専念しようと決意。しかし、肝心なときに字が消え最終試験当日になっても出なかった。字が出ないと泣きじゃくる道輝に宮廷からの使者が皇帝に会わせて欲しいと玄関に泊まっている馬車に乗る。宮殿に向かうはずが岩山だらけの道へと進んでた。火琉座が江南国外交官と装って道輝を拉致し、半年ぶりの帰郷に妹未依耶(ミイヤ)という道煇と同い歳の少女がいた。未依耶が作った忘却草入りスープで道煇の緊張をほぐした。妹には道煇が張宿だと打ち明けるが、道煇が張宿になったら、外遊中の彩ひ帝に引き渡すと偽った。
 数十人いた夜民族が年々と減少し、火琉座と未依耶のみとなった。2人の母親は数年前になくし、父親ムサハは火琉座が出て行ってから3ヶ月前、不治の病で亡くなった。未依耶は道煇と日に日に打ち解けていくが、道煇が張宿になったらいなくなってしまうのではと複雑な心境を抱く。


<異世界の扉>
 心宿は朱雀召喚を阻止しようと亢宿を自分を殺そうとした桃華(とうか)の解放(詳しくはふしぎ遊戯外伝4を参照)と引き替えに張宿になりすまして美朱達のとこへ送り込んだ。倶東国では美朱の親友本郷唯を青龍の巫女として迎え入れ、唯が密かに想ってた美朱の恋人兼朱雀七星士鬼宿を監禁してた。
 心宿は巫女が住んでいる現実世界がどういうものかと興味津々。火琉座に道煇を連れ出させたのは、この世界と巫女達の世界につながる物が存在しているのではとその因果関係を聞き出すためだった。巫女達がこの世界に降臨したとすれば、自分も巫女達の世界にいけるかも知れないと心宿の支配欲が強まった。


<ひと夜きりのデート>
 岩洞窟にいてから1週間、道煇は未依耶に言われるまま昼夜逆転の生活を続けてた。あるとき壁に書かれてある文字を見つける。未依耶は薬草を採りに石仏の谷に足を運んだ。そこで白虎七星士の1人昴宿に遭遇。90年前、白虎召喚によって西廊国は平和になったが、未依耶たちの呪いは消えなかった。それでも昴宿は未依耶たちを普通に接した。未依耶が道煇に思いを寄せていると察し、翌日の夜道煇と火琉座を連れてくるよう未依耶に勧める。
 当日、火琉座が養女の手紙を見ている隙に昴宿は道煇と未依耶を16歳の姿にした。2人は箒に乗って西廊国中を飛び回る。西廊国のシンボルである大寺院を通りかかったとき、未依耶の脳裏から父の遺言を思い出す。平和に保ってきた西廊国を闇に染めようとする輩を倒せば、長年の鈍いから解放されると。
 優愛塔にたどり着き、未依耶は自分たちが呪われた夜民族だと道煇に打ち明ける。道煇は朱雀の能力でズバ抜けた知能を持っている自分でも普通に接してくれていると未依耶を健気で優しい少女だと見ていた。
零時の鐘と同時に2人は元の姿に戻った。


<四神天地書の謎>
 未依耶とデートしてたとこを火琉座に見つかり、鉄格子の牢に閉じ込められた道煇。この牢はかつて一族の掟を破って下界と交わそうとした同胞を監禁した部屋。字が現れたことで未依耶が作ったスープに忘却草が入っていたことや火琉座が倶東国の密使で自分を誘拐したことを察した。
 巫女が住んでいる世界と巫女がどうやってこの世界に降りてきたかという火琉座の質問に道煇は四神天地書でここより数千年後のとこからやって来たと答えた。


<優しい愛の塔の上で>
 火琉座は心宿のピアスで心宿と連絡。しかし、その一部始終を妹にばれてしまった。未依耶は兄から半年前の記憶を消そうと忘却草入りのお茶を飲むのを勧め、道煇を帰そうと兄の腰にある牢の鍵をぶんどった。
 道煇を連れて外に出ると倶東国の者が数人待ち伏せてた。放ってくる矢から未依耶を道煇は守った。後から火琉座が倶東国の者をやっつけ、妹に道煇と一緒にその場から逃げるよう促す。
 太陽の光で未依耶の体力がみるみる消耗。磨汗村の住人達に未依耶を疎む中、老夫婦が2人のために水を差しだしてくれた。都で西鈁と遭遇した未依耶は奎宿&昴宿に優愛塔に来るよう伝える。
 優愛塔で未依耶は遠くにいても一生忘れらないと道煇に告白しキスを交わした。優愛塔には塔のてっぺんで日没と同時に口づけを交わしたカップルは、永遠に離れることはないという伝説があった。しかし未依耶のそのキスは忘却草入りという悲しくも切ないものであった。苦渋の選択に未依耶は泣きながら気絶している道煇に別れを告げた。奎宿は昴宿に若返ってもらい、瞬間移動で道煇を実家まで送った。


<遅れて来た勇者>
 火琉座は未依耶が入れた忘却草を飲まず心宿のとこへ。巫女の世界のこと巫女が四神天地書を通じてこの世界にやって来たことを教える。ここにある四神天地書は七星士の情報や四神召喚の儀ことが記されているのに対し、巫女の世界にある四神天地書は巫女を中心に起きた出来事を書き綴られるものだと。次元を越えて巫女の世界も支配しようと企む心宿を仕留めようとする火琉座だが、逆に体を貫かれた。大寺院法王兼青龍七星士の1人箕宿が火琉座たちをずっと監視してた。父親、妹、そして同じ地に生まれ育った人間として見てくれた西鈁を思い浮かべながら、太陽の光を浴びて最期を迎えた。
 一方、道煇は家に着いてから2日後昨夜の星の動きの知らせで兄と一緒に朝一の馬車に乗って宮殿へ向かった。紅南国では残りの七星士が見つかり、箕宿の蠱毒を美朱の愛で打ち破った鬼宿が戻って来たことで朱雀召喚の準備に取りかかってた。
 兄の話によると美朱達のとこにいる張宿は笛の音色で自在に操れると。そのものは何者の命令で送られたスパイと察し、朱雀召喚は失敗に終わる予感がすると推測。宮廷の使者に連れられた10日間の記憶を覚えていないが、朱雀の能力が不安定でも自分は朱雀七星士張宿で胸張って、七星士の役目を果たそうと誰かの勇気をもらったことだけは覚えてた。
 朱雀召喚はニセ張宿が紛れていることで失敗。道煇は宮殿正面から草笛でニセ張宿の能力を食い止めた。
その後、太一君の薦めで玄武と白虎の神座宝探しの旅へ。西廊国の大寺院で朱雀の能力が出ない道煇は箕宿に憑依された。道煇は箕宿を封じ込め、マニ車で自分の体を貫いて勇敢な死を遂げた。
 
<魂の遙かな記憶>
 道煇はその後、死んだ仲間彩賁帝、柳娟、寿安と同様残留私念霊魂となって美朱達とともに青龍との最終決戦と2年後の天罡との戦いを経て国を救った。
 その翌年、一人で各地を旅してた。西廊国に着いたとき、忘れていた10日間の記憶が徐々に蘇った。張宿をなりすましてた亢宿(あみぼし)は双子の弟角宿(すぼし)に忘却草を飲まされすべての記憶を失い、あのとき水をくれた老夫婦の息子懐可(かいか)として暮らしてた。
 都にたどり着くと奎宿&昴宿と西鈁を発見。奎宿が娘にちょっかい出したことで昴宿は激怒。そんな2人を西鈁はケンカ止めようと必死になだめる。
 大寺院に寄って、死ぬ直前の事を思い出す。〝どんな自分であろうと心は一つ〟そう教えてくれたのは家族、美朱&仲間たちそしてと優愛塔に足を運んだ。下から16歳になった未依耶が上がってきた。道煇が勇気を振り絞って箕宿を倒したこと、未依耶が倶東国の追っ手から道煇を助け出したこと、火琉座が体張って心宿に立ち向かったことが天に届き、200年間の夜民族の呪いが解かれた。沈み行く太陽の下で未依耶は心だけはずっとそばにいると道煇への想いは今でも変わらなかった。道煇のすぐそばに火琉座の魂が生き続ける妹を見守ってた。
 彩賁帝は実兄の故郷朱雀村の住人、1年後柳娟はおしゃまな商人の娘、3年後寿安は農村の医者の息子とそれぞれ転生を果たすが、道煇は科挙試験会場を覗いたり、愛しい人たちの幸せを見届けたりと踏みとどまってた。このままでいいと思っていたが、世界は破滅の危機を迎えた。巫女の世界とこの世界の因果関係を思いだす。自分たちは巫女に作られたフィクション。だけどそこに人間や愛がある限り人は皆生きている。道煇は寿安より5年遅れで転生する決意をした。
 贋朱雀による世界消滅を美朱の力を借りた2代目朱雀の巫女榊真夜と転生を果たした4人を含めた朱雀七星士が阻止した。

それから13年の月日が流れ・・・
 25歳になった礼清帝は父親の面影を引き継ぎ、情け深く才色兼備で民から慕われてた。謁見の間で科挙試験に合格した2人の男性がいた。1人は叔父の遺志を継いで16歳から何度も挑んだ23歳青年王道煇(おうどうくん)。もう1人は赤ん坊の頃に残ってた張宿の記憶が今は失ったが、その魂に導かれ最年少で合格した13歳少年張学礼(ちょうがくれい)。この3人が紅南国の明るい未来を築き上げるであろう。
 巫女の世界では、都立中央図書館の閲覧室の奥にある特別蔵書室に鬼宿の生まれ変わり宿南魏と美朱の12歳息子光(ひかり)がいた。本棚から四神天地書を手にした時なんだか懐かしい感じがした。本からこぼれる光に光はこのままでいい気がすると元の棚に戻し、部屋から出て行った。


 張宿の初恋経験ゼロかと思っていましたが、閉ざされた記憶にちゃっかし残ってましたね(^^)。未依耶との出会い、短かった小さな恋を経て張宿はどんな自分でもはじめから自分だと美朱達と行動することに踏み切った。箕宿を倒したシーンが張宿にとって集大成であり、最高の舞台だったんじゃないかな。
 閉ざされた記憶はもう一つ、奎宿&昴宿との面識。鬼宿だけかと思ったら、張宿もそうだったとは。原作では初対面だったことにしてましたけど、忘却草で一旦記憶を抹消してたんだ(作者の都合だったりして・・・)。
 国のために役立ちたいという夢は、転生後で果たし、民と慈しみ合い平和と秩序のある国にするという理想は同期である甥と礼清帝も同じだと私は思う。
 心宿が四国だけでなく巫女の世界にも支配しようと考えたのは、唯が媒体(制服)通じて親友美朱を本の世界から呼び出したけど本世界に吸い込まれ、美朱をずっと探してた(美朱は現実世界に無事帰還)ことを聞かされたからだと推測。張宿に聞けば、巫女の世界に入れる糸口があるかも知れないと火琉座を利用した。心の野望はもはや誰にも止められない状態なんだなと・・・。




卵巣ガンでお亡くなりになった張宿役川上とも子さんを心からご冥福をお祈りいたします。


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