中鉄大全情報版(博客)

つれづれなる中国鉄道情報をより早くお伝えできればと…。日本、韓国ネタも少し。

上野駅トウサン番狂想曲

2010年03月09日 | 日本情報(21番線)


 2010年3月8日、上野駅。
 家路を急ぐサラリーマンばかりが目立つ肌寒い夜、高架下の薄暗いホームにはぞろぞろとカメラを持った人々が集まっていた。それはまるで、引退をするスポーツ選手の会見に集まった記者たちのようである。
 最近、テレビでもダイヤ改正で列車が廃止されるごとに、そのニュースの扱いが大きくなっている。それを報じることで、昭和のノスタルジーを掻き立てているようにも思える。
 上野駅の13番ホーム(トウサン番)は上野発の夜行列車乗り場の代名詞である。かつては在来線ホームが20番線まであり、夜行列車も多かったので、夜行列車のすべてが13番線からの発車ではなかった。しかし、八甲田をはじめ、北海道を結ぶ列車などは高架下で荷物ホームのある13番線が夜行列車の特等席であった。



 3月12日を最後に運転を終える寝台特急「北陸」とボンネット「能登」。ホームのそばでは廃止記念?グッズや弁当などが売られ、さよならセール真っ盛りだ。ただ写真を撮りに来ただけという人も多く、この売り場に気づかなかったり、最近この手のグッズも乱発気味のせいか、皆かなり食傷気味なのかあまりグッズを買い求めるひとはいなかった。とはいえ、私は「ありがとう急行能登記念弁当」という普段なら買わないような1000円もする弁当を空腹も手伝って1000円で買い求めることになる。あとで食してみたが、北陸の海の幸がコンパクトに入っていて結構おいしかった。社内で食べればもっと美味しかっただろう。






 「北陸」が入線するころには13番線ホームには数百人のカメラマンが、推進運転で入ってくる列車を今や遅しと待ち構えている。鉄道警察隊と警備員の厳戒態勢もあり、殺気立つところまではいっていないが、駅のアナウンスだけがけたたましく注意を呼びかけていた。
 数日前、全国紙の夕刊1面に「撮り鉄」に警戒というような記事が出た。大阪での「事件」を教訓に現場がピリピリしているという内容である。往年の名列車が廃止になることを伝えるのにこのような形で記事になってしまうのは大変残念なことである。駅でカメラに収めるのには構図的に限界があり、「生きた」列車の写真を撮ることは難しいような気がする。みんなカメラを持ってきていても、それはいい写真を撮りたいということよりも、思い出に残しておきたいという気持ちが強い人のほうが多いのではないだろうか。










 
 「能登」、久しぶりにボンネット車を見た。正直、お疲れ様と言いたくなった。国鉄特急色であるボディラインは色がくすみ、中をいくらアコモ改造しても、寄る年波に勝てないのは明白である。急行だから良いではないか…という意見もあろうかと思うがそれにしても痛々しさがぬぐえない。
 以前、廃止前の富士に乗ったときに思ったのだが、このアコモでこの料金か?と感じたのを思い出した。今の「ブルートレイン」はかつてのような輝きを放った「ブルートレイン」ではないのである。カシオペアが全車A寝台でも人が乗るのは1編成という希少価値とアコモのよさにある。今の14系、24系で昔のような料金を取れる時代ではないということを考えると、旧型客車ではないのだから懐かしさを差し引いても廃止やむなしと言うところだろう。





 「能登」は満員かと思いきや上野出発時にはかなり空席があった。自由席よりも指定席のほうが埋まっていたのは「能登」という名前の入った切符を取っておきたい人が多いからかも知れない。「能登」定期運行終了ということだから、多客期にはまた復活するかもしれない。そのときにはかつて「雷鳥」だった車両が上京してくるのだろうか。

 「北陸号」、「能登号」、長い間お疲れ様でした。



にほんブログ村 鉄道ブログへ
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 西寧ー格爾木間に臨時列車を運転 | トップ | 3月21日発売鉄道雑誌の中国情報 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本情報(21番線)」カテゴリの最新記事