原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

【連載】法曹になるための教科書(1)

2015-03-12 | 【連載】法曹になるための教科書

第1 はじめに

 裁判官,検察官,弁護士になりたい。この連載は,法曹を目指したその瞬間から,実際に法曹になるまでに,どんな過程を経ていくのか,それぞれの時期において何をしていけば,最も確実かつ合理的にその夢を叶えられるかという点について,いわば「教科書」の役割を果たすように書いていきます。
 というのは,私自身,実際に弁護士になるまでに必ずしも順調な過程を経たわけではなく,仮にもう一度法曹を目指した瞬間に戻ったのであればもっと別の,より確実かつ合理的な方法をとったであろう,という反省があるからです。法学部に入ってみて六法なるものを買ってみたもののそれを読んでもさっぱりわからず,基本書(専門書)なるものを読んでみても難解な概念のオンパレード,法化大学院入学後も日々の課題に追われて何が正しい法律学習かをなかなか理解できず,(当時)3回しか受験権利のない司法試験もあっという間に2回が過ぎ…。何とか合格した時には,嬉しいと同時に,それを上回るくらいの反省をしたのでした。
 ご存知の方も多いかと思いますが,司法試験制度は(言葉として適切かどうかはわかりませんが)冷酷なものです。第一に,司法試験を受験できるチャンスは,今でこそ5回受けられますが,当時は3回しかありませんでした(いわゆる三振制度)。合格率が高い試験でならばまだしも,合格率20%そこそこ,つまり,4人~5人に1人しか受からない合格率での,3回です。第二に,その司法試験の受験資格を得るために,多大な時間的・経済的負担が必要であるということです。学部卒業後,基本的には法科大学院に進学し,そのうえでやっと司法試験を受けられる。
 それは承知だ,それでも私は法曹になりたいのだ,そう思う方に向け,私の経験(多くは失敗経験)と,私の知りうる数多くの法曹を取材した結果,加えて,司法試験予備校で受験指導をしてきた経験を踏まえ,この連載を書き進めていきたいと思います。
 安直なノウハウではなく,真摯に法曹を志す人が法曹となって活躍するために,二人三脚で適宜アドバイスをしていく,そんな連載にしたいと思います。


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2 コメント

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Unknown (ゆっちょん)
2015-03-12 14:15:43
'14年度の基礎講座受講生です。いつも先生の記事を読んで、勉強の参考にさせて頂いてます。今度の企画(連載)も非常に楽しみです。今後に期待し、陰ながら応援しています(^O^)!
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Unknown (はら)
2015-03-14 10:54:20
ゆっちょんさん、基礎講座終了後の勉強は順調に進んでますかー?基礎講座が終わってだれちゃってたら、要注意。

頑張っていきましょー。

連載は、既に結構、書き貯めておりますので、お楽しみに~。
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