「今日はパンツをはいてくれば良かった」と聞いてギョッとする方は、もしかして1970年以前の生まれでは? 一昔前、パンツと言えば下着のことだったが、今は表着(うわぎ)の意味でも使われる。物の呼び方は時代で変わるため、最初にそれを何と呼んだかは、年齢によっても違うのだ。【大迫麻記子】
★アパレル用語
◇ジーパン登場で「パンツ」に表着の意味/メキシコ五輪で広まった「スニーカー」
まずは、移り変わりが激しいアパレル(衣料・既製服業界)用語から。
「アパレル言葉の転換期は、60年代でした」と話すのは、「ファッション/アパレル辞典」(繊研新聞社)の著者、小川龍夫さん(75)。
「パンツ」がズボンなど表着の意味を含むようになった理由を、小川さんは「60年代に登場したジーパンすなわちジーンズパンツの影響」と見る。「ジーパンの広がりで、『パンツ』は表着も含むようになった」
運動靴の「ズック」と「スニーカー」も同様。
「一昔前、運動靴と言えばズックだったが、今は死語になりかけている」と小川さん。代わって台頭した言葉がスニーカー。きっかけは「68年のメキシコ五輪」という。同五輪で、色鮮やかで斜めに縫い込みを入れるような、デザイン性の高い運動靴が登場。スニーカーという呼び名と共に広まり、運動靴全体を示すようになったという。
このほか、衣類系では「チョッキ」と「ベスト」▽「バンド」と「ベルト」▽「チャック」と「ファスナー」▽「ジャンパー」と「ブルゾン」▽「トレーナー」と「スエット」--などがある。このうち「トレーナー」はVANの創業者、故・石津謙介さんの造語で、80年代までは主流だったが、最近は「スエット(シャツ)」の方が一般的になっている。
★天花粉
◇使い慣れた商品名も影響
暑い季節に汗やあせも予防に使う白い粉。かつては「天花粉」や「シッカロール」と呼んだが、今は「ベビーパウダー」が主流だ。
「統計はないが、確かに天花粉、シッカロールという言葉は、比較的年配の方が使うようです」と、ベビー用品メーカー、和光堂の担当者。シッカロールは同社の商標で、1906年に発売。鉱物のタルクなどが原料で、ラテン語で「乾かす」という意の「シッカチオ」から名付けられた。
一方、天花粉の主原料はウリ科のキカラスウリの根で、成分から違う。同社によると、1703年に書かれた「小児必用養育草」という書物に記載があり、歴史は古い。
製品名に一般名詞の「ベビーパウダー」を使っているジョンソン・エンド・ジョンソンによると、ベビーパウダーは1890年に同社が世界で初めて発売。ただ、日本に入ってきたのは戦後の1958年だった。同社は「言葉には、子どものころ使っていた商品の影響があるはず。『ベビーパウダー』と呼ぶのは、60年以降に生まれた方が多いのでは」と分析する。
★変わるイメージ
料理の呼び方も、時代で変わる。
例えば「スパゲティ」。ナポリタンとミートソースくらいしかなかった時代はこれで良かったが、イタリア料理が普及すると共に、フィットチーネやラビオリなどさまざまな「パスタ」が現れ、スパゲティよりも、練った小麦粉製品の総称であるパスタが一般的になりつつある。
また、「いり卵」や「ビフテキ」もいつしか「スクランブルエッグ」や「ステーキ」が一般的になった。いり卵はご飯のおかずのイメージだが、スクランブルエッグはパン食の感じ。年配者にとって、ビフテキには特別なごちそうのイメージがあるようだ。
神戸大の窪薗晴夫教授(言語学)は「新語は、言葉の意味を軽くしたり新鮮な感じを出すため、あるいは含有する概念を広める場合に登場する」という。物の呼び方は、その人が育った時代背景や価値観も映し出すのだ。
地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう」
毎日新聞 2006年9月21日 東京朝刊 MSN毎日インタラクティブより
こちらも、地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう」と併せて紹介されていた記事。面白いので取り上げてみました。
パンツ
確かに私も「パンツ」ときくとどうしても下着を連想してしまいます。でも「ズボン」というのも何か古臭くて少し抵抗があります。「ジーパン」もありますが「ジーンズ」というのが無難かな(^-^;
「パンツ」ときくと女性物のジーンズというイメージもありますが、男性物も言うのかな?
スニーカーとズック
ズックという言葉もたまに聞きますが、流石に使ったことはないです。最初からスニーカーでした。
「チョッキとベスト」、「バンドとベルト」、「チャックとファスナー」、「ジャンパーとブルゾン」、「トレーナーとスエット」
チョッキとベストはどちらも使うかなぁ。どちらかというと「チョッキ」
バンドとベルトも「ベルト」かな。
「社会の窓」(死語。懐かしい(^-^;)で、「ファスナー」より「チャック」かな。ジッパーも使うようになったけど。学生時代、女の子がスカートのサイドのファスナーを閉めていなくて、「あ、開いてるよ~」とそれとなく教えた覚えがあります。
「ジャンパー」と「ブルゾン」、「トレーナー」と「スエット」って名前が違うだけで同じものだったの!?知らなかった(^-^; ジャンパー、トレーナーのほうがよく使うかなぁ。。
「ベビーパウダー」「天花粉」
小さい頃、両親が風呂上りにこの「てんかふ」を肌に白い粉をぱふぱふとつけていたのを思い出します。「ベビーパウダー」とか「シッカロール」ともいうとは知らなかったなぁ。
「スパゲティとパスタ」、「いり卵とスクランブルエッグ」、「ビフテキとステーキ」
確かに食生活の変化でそれぞれ前者はあまり聞かないなぁ。個人的には大差ないような感じがして、どちらを使ってもいいような気がします。
う~ん、こうして見てみると自分もおじさんの領域になりつつあるのかな(ってなってるんですけどね(^-^;ただ、自分の中では認めたくない部分があるだけですねσ(^_^;)
あなたはどちらの呼び方を使いますか?