今週は藤井八冠の対局ラッシュだった。まずは王将戦第4局から。圧巻の指し回しで菅井八段にまたもや快勝し、4-0でストレート防衛。ちょっと付け入る隙がなさすぎで強すぎると感じた。大山十五世名人の記録(タイトル戦19連勝)を抜いてまた1つ偉大なる記録更新となった。
この勢いのまま今日の朝日オープンも優勝するかと思っていたが・・・。準決勝の糸谷八段戦は序盤で自陣に角を打ち込まれても大丈夫とみた大局観が印象的な将棋で、AI評価としては途中30%台になった瞬間もあったものの、最後は終盤力を発揮して際どい踏み込みから見事に勝ち切った。
決勝戦は永瀬九段と対戦。この将棋は序盤から永瀬九段が全く持ち時間を使わず藤井八冠ばかり持ち時間を使う展開となり、40分の持ち時間を藤井八冠が使い切ったところで永瀬九段は38分も残っている、といった感じだった。あんなに指し手が進んだ局面まで想定通りだった、ということ自体、研究の深さがちょっと次元が違うと驚いたが、終盤も難解ながら永瀬九段の竜使いがうまく、最後は藤井八冠の玉を即詰みに討ち取って永瀬九段快勝。藤井八冠の対局終了後のインタビューも上記持ち時間の点に触れていて印象的だったが、今年は惜しくも決勝戦で敗れた。それでもまだ年間最高勝率の記録更新をするかもしれない、というほど今年の勝率が高く、凄まじい強さである。この後、3月末までの対局はどうなっていくであろうか・・・。