まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

どうにもならぬこと/新雑句雑感(37)~プロローグ5の始まり

2015-12-23 05:31:51 | 新雑句雑感
煤払い一日持たず燻み出す  煤逃やスピード違反激増す  孤独死はまだまだ先と煤払い  あをあをと己れを磨く煤湯かな  煤竹のしなる青さに見取れをり  リサイクルごみばかりなり煤払い  シェアハウス終の棲家の煤払い  ワンルーム仏壇の煤払ひけり  煤逃げのゲーセンここも煤だらけ  どうにもならぬことから先に煤払い

日本の空/新雑句雑感(36)~プロローグ5の始まり

2015-12-23 05:08:00 | 新雑句雑感
ふるさとは心の中に大根洗ふ  掛大根掛けし父母もうおらず  懸大根一本まるごと食べてみる  冬耕の空とはかくも遠きもの  干大根干されて日本の空うごく  頭のどこか溶けてしまいぬ冬の雨  虎落笛ジタバタしてもはじまらぬ  寒晴や日焼けサロンの黒き空  柚子湯出て天皇誕生前夜祭  冬服に人生の機微滲み出す  自己破産通知冬服の積まれをり(長兄がバブル倒産)  夢に母現れて丹前手を入れず    

蓮根掘/新雑句雑感(35)~プロローグ5の始まり

2015-12-23 04:44:01 | 新雑句雑感
冬夕焼皆が見ている信じたし  冬耕すかつて地主の子と呼ばれ  冬耕やガーデニングも農なりき  何もかも捨てて冬田の暗がりに  冬景色あの世はたぶんこんなふう  泥んこで生まれたばかり蓮根掘  蓮根掘る巨大なブーツ蠢めけり  蓮根掘見たことのなき景色見ゆ  人間の臭いと違ふ蓮根掘  蓮根堀泥にまみれた人ばかり    

虎落笛/新雑句雑感(34)~プロローグ5の始まり

2015-12-23 04:27:10 | 新雑句雑感
虎落笛誰かの腕ちぎれ飛ぶ  人間に生まれて遠し虎落笛  地獄まで聞こえて来そうな虎落笛  虎落笛この世に生まれてわかること  ストリート・ミュージシャンにも聞えているはず虎落笛  ひゅーひゅーと亡母の呼ぶ声虎落笛  人参をクレソンと呼び丸かじり  山茶花や母の系図に我れもをり  早過ぎる焚火に誰か黙しけり  人生は一度と知らず冬の虹