まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

ゆく春のごつごつとあり聖母の地 まほろば/新雑句雑感(11)~プロローグ7の始まり

2019-05-17 03:11:47 | 新雑句雑感

まう何も言はず行く春消してゆく   春尽くとわが父アッラーの手招きす   大本営跡地とありぬ春の果て   逝く春のコサック騎兵光ます   ゆく春の鍔広帽の叫びだす   ゆく春のごつごつとあり聖母の地   死後の生あるはずもなく春逝けり   行く春の芭蕉は誰も見てをらず  行く春の上野に故郷喪失譚(「ああ上野駅」記念碑)   ゆく春の板橋一丁目処刑場   ゆく春や徴用工の無縁墓   ゆく春の蝶空を得て嬉々とせり   行く春の虚空真っ青なるもて遥か   ゆく春や俳句は無音を押し通す   ゆく春や大波のあと人死ぬる   ゆく春の愛犬に問ふわがガン死   ゆく春の路地に襤褸の声上がる   東京下町中年ニート春逝くか   春逝くやノートルダムの出火とあり