まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

吉野家は敗北の味夏の雨/北大路翼を読む(4)

2017-07-30 04:38:12 | エッセー・評論

吉野家は敗北の味夏の雨   北大路翼 (その1)

吉野家はファーストフードの老舗である。牛丼店は、他に松屋・すき屋などがあり、この3店が上位3社を構成し、売上順位が目まぐるしく入れ替わる。吉野家は1970年代初めから存在し、最も古典的な和風焼肉の味付けを踏襲し、豚・チキンなど他メニューの導入で出遅れている。それが祟ったのか、このところ売上が減少し、3位に転落した。また、味噌汁が付かず、サイドメニュー無しの牛丼のみの客は店の片隅に追いやられている。昼夜を問わず、この種の客はかなりの貧乏人であることは間違いなく、仕事・家庭・ギャンブルなどでの【敗北者】のイメージに重なって来る。作者自身がどうなのかは判然としないが、彼の眼差しが【敗北者】に向けられていることは確かだ。そして、少なくとも現代の【敗北者】の何たるかについて、よく承知していることも否定出来ない。・・・《続く》
 
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北大路翼第一句集 『天使の涎