厳然たる死は先のこと遠雷す 震度7誤報とありぬ朝ぐもり 日盛りのまだ足りぬ青継ぎ足せり スカイツリーは悪魔の角か大西日 浅草はいずこも昏し炎天下 留学生群れて晩夏の街を行く 旱天に突き立つことしの御柱 一本道歌い続けて雹降れり(1970年代フォークの到達点) 夏怒涛ペットボトルの墓場あり 鈴木六林男の復員日誌夏の果て 少年ガン増加の兆し夏の揺れ 放射能いまも出てゐる冷し瓜 針失せし時計は無言夏館 焦げ跡のいまも熱持つ寝茣蓙かな 陶枕の関羽の髭のはみ出せり 五輪ともテロとも無縁青すだれ