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まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

【氷の禁域】神の氷に神の小便少々垂れる 夏石番矢/新俳句入門*特別編

2018-09-14 23:49:41 | 新俳句入門

神の氷に神の小便少々垂れる  夏石番矢 最新句集「氷の禁域」より*アマゾンよりネット通販中!

氷の肛門流れ出るのは氷の涙

氷の薔薇を差し出せば君は氷解

一句目に言う【神の氷】とはいったい何なのだろうか。もとより《氷》とは、人類の過去・現在・未来を貫いて普遍的な《存在》であることの不可能性を告知するものであったはず。ところが、その神なる《存在》もまた、われわれ人間を模した「小便」を自らの生み出した《氷》にちびることもあるようだ。神もまた人間同様のある種の《生理》を併せ持つのかもしれない。ただし、少々とあるから自らの《氷結》を解くまでの決定打にはなり得ないのだろう。

かつて人類世界の《全体》が氷結したあと、現代に至るまで《時間》の不可逆的な進行は恐ろしいほどの確実性を持ったままである。一切の存在する者の《氷結》を導いた《神》なる者の生理(存在)も、時折おのれの超越性に耐え切れず《感情》を持ち始めるものらしい。二句目の【氷の涙】とは、氷が氷であることの恥じらいのようなものであろう。そして、その《感情》の昂ぶりが沸点に達し、《氷》が「薔薇」という極限のかたちをとる時、君=神の気まぐれな《怒り》もまた解消される。・・・《続く》

 

 

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