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まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

【俳句の此岸】何もかもが終ったが何も始まらなかった!?・・ファッション革命の担い手は《団塊の世代》の生き残り*元祖テクノポップ付/私とは誰か~プレおたく世代の現在

2018-12-04 02:01:46 | エッセー・評論

今は2018(平成30)年12月4日である。私は当然昭和の戦後生まれだが、1980年代の終りに突然、平成の世になった。それまでの何年かは、30年もの月日が流れ去ったいまとなっては不鮮明だが、その断片は記憶の片隅に染み付いている。70年代いっぱいで大学を中退したが、80年代初めに通信制大学に編入し、84年秋(通信制の入学期は4月と10月の2回)に卒業したのだ。もはや30歳代に入っていたが、今更新卒就職というわけにもいかず、そのままフリーター状態を続けていた。その頃、一番印象に残ったのは【デザイナーズ(DC)・ブランド】というファッションの流行であった。70年代いっぱい引き摺った【70年安保】の余韻を、当時勃興始めていた全く新しい【消費文化】の中心としてのファッションが一掃してくれた。それまでの私のファッションは、60年代末のヒッピー文化の象徴であった【長髪・Gパン】から一歩も出るものではなく、それに合わせて知識や生き方も旧時代の牢獄に自ら閉じ込められていた。この1985年前後のDCブランドの服たちは、粋とかオシャレ、ビート・・などの前時代の既成概念をアッサリと抜け出していた。しかも、その担い手たちは山本耀司・川久保玲・高田賢三・山本寛斎・コシノジュンコ・・・といった60年代のラジカリストたちで占められていた。そのことに何の不足もあろうはずもなく、一回り下の20歳前後の若者たち【元祖新人類】に混じって、丸井やパルコのバーゲンの列に加わっていた。私はもう一度時代の最先端部に身を置くチャンスを与えられたのだ。・・・《続く》

 

「山本耀司」の画像検索結果

 

クラフトワーク 『THE ROBOT』  1978

https://youtu.be/SGex55Sxi6A

 

hthttps://youtu.be/SGex55Sxi6Atps://youtu.be/SGex55Sxi6A


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【俳句の消滅】銭湯に自転車で往くほぼ裸 大木雪香/一句観賞

2018-11-26 12:39:24 | エッセー・評論

銭湯に自転車で往くほぼ裸   大木雪香  俳句愛好誌海光」9号より

この句を最初に目にした時、文句無しにこの作者の当号掲載12句中髄一のものと思った。その理由は、【ほぼ裸】の下5に置かれたただ一言によって俳句形式という擬態をアッサリと突き抜けたからである。2018年のいま、俳句などというものがどのようにも存在し得ないことはあまりにも明らかである。なのに作者は、わたしたちは季題(語)諷詠・17音(数律)・結社の【有季定型】の三大要素の幻影の中を泳がされ続けている。子規・虚子に始まる偽装された日本的近代の亡霊が、現代の全国数十万の身霊に乗り移り、21世紀初頭のいまも列島界隈を跋扈している。作者はその虚子直系の俳句結社の中堅女流である。しかし、この【ほぼ裸】というような季題・季語としてのそれから決定的にかけ離れた認識を詠う者は皆無であるに違いない。

一句の具体的な読みに入る。銭湯に自転車で通う光景は、現在も地域によっては散見される。しかし、この作者自身の日常にはすでにあり得ないものである。1970年代のフォークソングの名曲『神田川』などの20世紀レトロとも違う。どこか即物的で無感動な印象は拭えない。しかし、一句の末尾に据えられた【ほぼ裸】の一言がこの句も逃れられないはずの近代俳句の【有季定型】を一挙に覆してしまうリアルさを持っている。若い女性の薄着を言っているわけだが、その辺りの事情は、掲載誌「海光」(横須賀市。林誠司発行)の句評に詳しい。ここであえて言うなら元ヤン・キャバ嬢・フリーター・・などの現代風俗の一端を覗かせる点である。また、私独自の視点を明かすと、これらの他者の光景を超えてゆく作者の自己認識の斬新さである。この【ほぼ裸】の一言の内に秘める定型言語上の起爆力である。さらに言えば、《裸》に付された『ほぼ』という婉曲な言い回しによって、目の前にある光景もろともに作者自身の真新しい《実存》が引き寄せられて来る。俳句形式の17音という制約(短さ)の中でこそ勝ち取られた新味の無限性と言えるだろう。【ほぼ裸】の解釈はもう一つあり得る。・・・《続く》

 

「海光 俳句雑誌」の画像検索結果

 

ボニージャックス他 カバー 『神田川

https://youtu.be/zE7Vk7lyVXY?t=16


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【モラトリウム脱出】本当にシラケていたのは私たち・・元祖新人類との対話を終えて*カラオケ最高歌唱付/私とは誰か~プレおたく世代の現在*特別編

2018-11-09 04:13:51 | エッセー・評論

20年来の知人K君との対話が終った。3ヶ月にわたって深夜コールを続けた結果、もはや彼らには先進世代【新人類】の《元祖》としてのエネルギーは残っていなかった。前にはあの【団塊の世代】が立ち塞がり、後ろには後門の狼よろしく【新新人類】がもの凄い形相で控えていたのだった。彼は現在58歳だが、2010年代に第一線を退くにあたって、団塊の世代の得体の知れない異人類パワーに押され、加速力を失ったところで、今度は油の乗り切った【新新人類】や【ポスト新人類】らに終った世代の烙印を押されてしまった。後に残ったのは真性シラケ世代(=第二次シラケ世代)ところで、その尽きることのない【団塊の世代】の野性的なエネルギーの出処について、彼らは理解出来なかったのだろう。かつて「無気力・無関心・無責任」の【三無主義】の担い手として、1980年代の主役となった彼ら【元祖新人類】は、前を行く《団塊》を乗り越えることなく老いさらばえてしまったようだ。80年代にコンピュータ言語の先駆けとなったベーシックやC言語で、先行世代をリードした彼らも、1990年代のWINDOWSシリーズの汎用システムの中で二度と浮かび上がることは出来なかった。それでは、この両者の中間に身を置いてハンパ者の地位に甘んじた私を含む【第一次シラケ世代】はどうだったのだろうか?私たちは【団塊の世代】と呼ばれた70年安保闘争・カウンターカルチャーの生き残りと直に接して来た世代だけに、現在まで彼らの再生力のない野蛮さの出自を骨の髄まで知り尽くしていた。本当にシラケていたのは、他でもない私たち【第一次シラケ世代】【モラトリウム世代】だった。・・・《続く》

 

 

竹野留里 カバー 『LOVE IS OVER』(原曲 オウ・ヤン・フィフィ)

https://youtu.be/v4o5QN8fdaM?t=20

 


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牛丼をかつこむホスト梅雨に入る/北大路翼を読む(10)

2018-08-07 20:53:35 | エッセー・評論

牛丼をかつこむホスト梅雨に入る   北大路翼   「街」132号より

ホストに牛丼は不釣合いである。しかし、作者が根城とする新宿歌舞伎町では、ごく自然な光景と受け取れる。21世紀の〈俳句のリアル〉とは、このような幾つもの小さなドラマを生き生きと蘇えらせることであろう。

 

「北大路翼 俳句」の画像検索結果

 

RIRIKA カバー 『夏の終り』(原曲 森山直太朗)

https://youtu.be/3DN-tclKvsA?t=43


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歳月の風化に似たりわが裸 林誠司/一句観賞

2018-08-07 13:44:32 | エッセー・評論

歳月の風化に似たりわが裸   林誠司  俳句愛好誌海光」第8号 2018年秋

この句のエッセンスは、作者自身の隠しようのない肉体の衰えを単刀直入に【歳月の風化】に譬えたことにある。この【歳月の風化】とは、21世紀の俳句形式の残すべき俳諧精神の一つとしてのアプリオリに偏在する外界への自己投企にピッタリと当てはまる。要するに、自然体で日々生きることの困難を見据えてのものであろう。いささか大げさな物言いになってしまったが、ここに描かれているのは、作者がその日常に於いて朝晩にシャワーを浴びている姿以外の何ものでもない。ウイキペディアによれば、1965年生まれの53歳とあるから、40歳代までの脂ぎった生活感の象徴としての肉体は目に見えて衰えてゆくに違いない。そして、その姿を否応無しに目にせざるを得ない日々のアンニュイ感を、下五の『わが裸』に託し切ることで俳諧精神への揺るぎ無い信頼を主張する。作者は、最近俳句総合誌のニューウェイブ「俳句界」の編集長を辞し、新たに句集制作の【俳句アトラス】を立ち上げるという力業を成し遂げた。この句の『わが裸』には、むしろ【歳月の風化】はそぐわないのだが、その辺りにも作者の俳句の未来に賭ける衿持を感じさせる一句と言えよう。

 

「海光 俳句雑誌」の画像検索結果

 

カフェ・ミュージック

https://www.youtube.com/872ed70b-3390-4391-9985-22fd991a220f


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