獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

保険証廃止をなんとか阻止したい。(その1)

2023-12-17 01:27:49 | 政策・政治

現在、私のクリニックでは、カードリーダーを設置し、マイナ保険証に対応する態勢だけはとってあります。
しかし、小児科ということもあり、マイナ保険証を利用する患者はほとんどいません。
また、オンライン資格確認システムも導入してあり、受付で、パソコン画面で、受診者の資格確認をオンラインでしているのですが、いまだに資格確認ができない患者が日に数人います。
おそらく小児科だからということもあるのでしょうが、患者の保険証の情報がシステムに紐づけられていないケースが多いのだと思います。
現在は、持参してもらっている保険証で資格を確認していますが、来年秋に保険証が廃止されたら、こうした人は無保険になるので、全額を支払ってもらうことになるのか、不安でいっぱいです。

d-マガジンで、興味深い記事を読みました。

「マイナ保険証」の推進により来年秋に保険証が廃止されたら、医療現場に大きな混乱をもたらすだろうというのです。

引用します。


サンデー毎日 2023年12月24日号
現行の保険証廃止なんて メチャクチャだ!
荻原博子が徹底追及

マイナンバー制度を巡り、政府が進めてきた「総点検」の最終報告がまもなく公表される。 その結果をもって、現行の保険証は予定通り来年秋に廃止されるかもしれない。現場は今でさえ大混乱している。健康保険証の廃止反対を訴え続ける経済ジャーナリストの荻原博子氏は今からでも立ち止まるべきだと訴える。

 

マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の利用率低下が止まりません。4月の6.3%から下がり続け、直近の10月には4.49%になりました。なんと、半年で3割減!です。
「便利」がウリで、しかも発行枚数は4月から10月まででかなり増えているのに、利用率がこれだけ減るのはなぜだと思いますか。ポイントにつられてカードを作ってはみたものの、 トラブルが続出して不安になる人が増えているからでしょう。この保険証が来年秋に廃止されたら、とてつもなく不便になることは間違いありません。
特に病院の窓口は、保険証に代わるさまざまなカードや書類、いわゆる「保険証もどき」の出現で、パニックになるでしょう。順番にみていきましょう。


「保険証もどき」
窓口も患者も混乱

現段階で想定されているものだけでも
①マイナ保険証のほかに
②暗証番号のないマイナ保険証
③マイナ保険証を取得していない人対象の「資格確認書」
④マイナ保険証でオンライン資格確認ができなかった場合の「被保険者資格申立書」
⑤マイナンバーカードと「資格確認のお知らせ」
という5つの書類やカードがあり、今ある保険証が廃止された後も1年間は暫定的に使えるので、書類やカードが入り乱れることになります。
これまでなら、年に1度、手元に送られてくる保険証を、月1回病院の窓口に出すだけで、何の不便もなく治療を受けられていた人も、保険証が廃止されたら、たくさんのカードや書類に対応しなくてはならなくなる可能性があります。
多種類の中から自分が使えるものを選んで、毎回病院に持っていかなくてはならなくなるのです。しかも、有効期限が切れたら、役所に行って更新しなくてはなりません(初回だけはプッシュ型=健康保険組合などの各保険者が、本人の申請がなくても自動的に交付する方式)。
これは、現時点で想定できる“大変さ”であって、保険証が廃止される来年秋までに、さらにどれだけの「保険証もどき」が出てきて混乱するのか想像もつきません。
なぜこれほどまでに不便なことになってしまっているのか。それはすべて計画性がなく、行き当たりばったりで進められているからです。


中途半端な
暗証番号なしカード

そもそもの間違いは、取得が任意であるマイナンバーカード(マイナカード)を半強制的に全国民に持たせるために、みんなが持っている保険証の機能をこのカードに搭載し、保険証を廃止するようにしたことです。これによって、政府は「すべての国民がマイナカードを持つ」と簡単に考えたわけです。そのために法改正までして保険証を廃止することにしましたが、中にはマイナ保険証を持ちたくないという人もいます。そういう人には、強制的に持た
せることができないので、保険証と同じような機能を持つ「資格確認書」を発行することにしました。
ところが、この2つだけでは対応できない人が出てきました。認知症の人や高齢者など、マイナ保険証を持っていても、暗証番号を覚えられない人たちです。マイナ保険証の暗証番号は3回間違えると使えなくなるので、こうした人たちに不便がないように「暗証番号のないマイナ保険証」を出すことにしました。まだ発行されていませんが、12月中には発行される予定です。ただ、この暗証番号なしカードではマイナカード取得者用サイト「マイナポータル」にアクセスすることができないので、自分の年金や医療、税金などの個人情報がどのように登録されているのかを確認することができません。マイナンバーと預金口座を紐付ける
「公金受取口座」が誤登録されていて、自分に振り込まれるはずの給付金が他人に振り込まれていても、わからないのです。また、住民票や証明書のコンビニ交付なども受けられないという中途半端なもの。
暗証番号なしの保険証の場合は顔認証か目視確認でオンライン資格確認が必要です。全国保険医団体連合会(保団連)では、保険証廃止後に30万件の目視が必要なケースが出てくる、と推定しています。その分、医療機関の窓口業務は増えることになります。


顔認証が大問題に!

実は今、この顔認証が問題になっています。
Google検索で「マイナ保険証」「医師」「YouTube」という3つのワードを入れると、出てく 検証動画があります。ある病院の院長が、自分の顔写真を引き伸ばしてお面にして女性スタッフに付けさせ、院長のマイナ保険証をカードリーダーに置いて、お面をかぶった女性が顔を近づけると、院長本人だと顔認証してしまう動画です。
これを見て、本当に顔写真で顔認証できるのか、自分の顔写真をうちわに貼って、マイナ保険証をカードリーダーにおいて試した人がいましたが、写真なのに顔認証されたと報告されています。
千葉の私の知人女性は、同僚の男性のマイナ保険証をカードリーダーにかざして、自分の顔を機械に読み込ませたら、なんと見事に顔認証されたと驚いていました。
おそらく、トラブルが起きないように、業者が機械の認証レベルを下げているのでしょうが、これでは「誰でも顔認証」になってしまいます。そのため、病院によっては「顔認証お断り」の張り紙をしているところもあります。


「10割負担」700件
 超は氷山の一角

次に出てきたのが、マイナ保険証が読み取れないトラブルです。
停電や故障、カードのICチップの破損など何らかのトラブルが起きるとマイナ保険証の情報は読み取れなくなります。それだけでなく、転職の際にデータ登録が終わっていないなどさまざまな理由で、機械は機能していても読み取れないケースが続々と発覚しました。
そうなると、病院で治療を受けた費用に保険が利かず、全額本人負担となります。こうしたケースが今年4月と5月だけでも770件を超えました。これは氷山の一角です。全国には約18万件の病院や診療所があるため、全額本人負担になったらどうすればいいのかが大問題になりました。
そこで「被保険者資格申立書」といって、
①保険証の有無
②保険種別
③保険者等名称
④事業所名
⑤保険証の交付を受けた時期
⑥一部負担金の割合
――の6項目の書き込みをして、本人か事業主が医療機関等の窓口に提出する書類が作られました。
困るのは、あまりに複雑な書類なので、大抵の人は完全な書き込みができないことです。そこで、この書類は「可能な範囲で」記入すればよいことになり、保険種別や一部負担金の割合などの項目は「わからない」の選択肢も用意されています。
これで本人の負担は少し減りますが、ただ「わからない」をチェックすると、病院の窓口や保険組合などがこれらを調べなくてはならず、事務作業の大きな負担になります。
さらに、マイナ保険証が使えない小規模な医療機関で保険診療を受けるために、被保険者番号や、窓口での自己負担割合などが記載された「資格情報のお知らせ」という新しいカード 発行されます。
ところが「資格情報のお知らせ」は簡単に作ることが可能なのです。しかも、オンライン資格確認に対応している医療機関は厚生労働省のホームページで確認できますので、未対応の病院や診療所は簡単に調べられます。
「『あの医療機関は、顔認証付きカードリーダーは使えない』と認識されてそれが広まり、『資格情報のお知らせ』でなりすましの患者が来ることが非常に懸念される」と保団連は警鐘を鳴らしています。

(つづく)


解説
これだけ問題が山積している「マイナ保険証」の利用です。
荻原さんが言われるように、ここは立ち止まり、保険証廃止は中止すべきでしょう。

「10割負担」700件超は氷山の一角

これは、私のクリニックでも実感していることです。
現状のまま、来年秋に保険証が廃止されたら、医療現場に大きな混乱がもたらされることでしょう。
そして、その被害は、患者とその家族に及びます。

来る総選挙では、ぜひ「保険証の存続を!」を選挙の争点にしてほしいと思います。
民意を反映することで、なんとか保険証の存続を期待したいと思います。

 

獅子風蓮