獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

池田大作の功罪 (その2)

2023-12-06 01:47:07 | 創価学会・公明党

d-マガジンで、池田氏死去にともなう特集記事を読みました。
引用します。

 


サンデー毎日 2023年12月10日号

倉重篤郎のニュース最前線:
池田大作
創価学会名誉会長
戦後最大の宗教指道者の功罪

池田大作創価学会名誉会長が、11月15日に死去した。様々な評価があり得ようが、戦後最大スケールの宗教指導者であったことは疑い得ない。創価学会を巨大化させて世界宗教に育て上げ、公明党を創立して権力を構成するまでに至った。池田氏が戦後日本に刻んだものは何か? 破格のカリスマの功罪を、3人の論者が忖度なしで語る。

(つづきです)


他宗排撃をやめ世界宗教へ
脱池田ビジョンをつくれるのか
田原総一朗

「池田氏には3回インタビューした。初めて会ったのは1973年。言論出版妨害事件から4年後だ。単刀直入に聞いたら「あれは全く失敗でした。ああいうことはやってはいけないです ね」との率直な回答だった。偉ぶった感はなく、人の話を聞くのが非常にうまい。相手の失言からニュースを引き出すという私の挑発的な質問にも本音で返してきた。池田氏との対話を通じ感じたことが三つあった」 
「一つは、彼がなぜ信者になったのか、動機を聞いた時のやりとりだ。彼は『法華経という経典が素晴らしく、それを読んで信者になった』と言った。『確かに法華経にはいいことが書いてあるが、それを読んだだけで信者になるというのは動機として信用できない』と挑発した。それに対して彼はこう答えた。『実は、2代目の戸田城聖会長が、自分を3代目会長にしようと毎日、長時間必死になって数カ月にわたって説得した。その必死さに感動したんです。この人物が信心しているなら僕も信心していいと思った』とね。これは説得力がありました」
「二つめに、他宗教との関係だ。創価学会は激しい折伏と他宗派を邪教呼ばわりすることで、排他的宗教と言われた。宗教本来の性格として、自分たちの教義を守るべきだとの思いが 強まるほど他宗を排除したくなるのは当然だ。自分の意見を持ちつつも他者の意見を尊重する民主主義と相容れない部分がそこに生まれる。公明党がこの矛盾にどう対処するのか案じたこともあった。
だが、池田氏は宗教における排除の壁を見事に乗り越えた。キリストでもイスラムでも、どのような宗教も決して否定せず、他宗の信者たちとも対話をはかり、信頼し合うことに成功 した。『邪宗』を『他宗』に切り替え学会の国際化に成功、SGIなどを通じて世界192カ国・地域で活動を行うまでに至った。さまざまな宗教団体との関係を持っている自民党も安心して連立を組むことができた」


これでは若い人が信者にはならない

「三つ目は、いわゆる財務、寄付の規制だ。旧統一教会が批判されている。安倍(晋三元首相)氏を殺害した青年の母親が全財産を投げ出した。宗教の世界では、いかに生活を犠牲にして寄付・献金するか。この犠牲の度合いが信仰の深さにつながる。だから生活を犠牲にした献金が増え、被害者も増えた。池田氏はある時、『日蓮正宗は宗教あっての人間だというが、人間あっての宗教だ』と言い、「生活を犠牲にする献金は一切認めない』と宣言した」
「もちろん、献金の上限規制がない、青天井だとの批判もある。これについては、山口那津男公明党代表に、いくらまで、と規制したらどうか、と進言したことがあったが、一口いくらとは決めています、との回答だった」
「実は、創価学会が抱える大問題がある。牧口常三郎、戸田城聖、池田大作と1~3代の会長はそれぞれに新ビジョンを打ち出している。前者を否定しているわけではないが新しい理念、考え方を出してきた。2006年に原田稔・現6代目会長に交代する時、最高幹部の中で新ビジョンを出すべきかどうか議論になった。僕も相談を受け、絶対に新ビジョンを出すべきだと申し上げた。結局出さないということになり、出すべきだと主張した最高幹部が2人左遷された」
「なぜ新ビジョンを出せなかったか。池田氏を立てるしかなかったからだ。新ビジョンを打ち出すことは池田氏を超えることだ。その自信がなかったと思う。池田氏が偉すぎたのだろう」
「ただ、それによって問題も起きた。表に出てこない池田氏がますますカリスマ化されたことだ。聖教新聞を読んでいても、週に数回は池田氏の大きい写真が出て、池田氏が過去に書いたこと、しゃべったことが1990年代、80年代にまで遡って繰り返し掲載されることになった。これでは若い人が新しい信者にならない。高齢者も亡くなっていくから組織率が落ちていく」
「99年からの自公連立をどう評価するか。自民側には政局の安定という狙いがあり、公明側には連立で日本の政治を変えようという戦略があった。自民と組んで政権入りしない限り本来の政策も実現できない。自民党に対して宗教を弾圧するなという力学も働いてた」
「その背景には、1993年細川護熙連立政権以降、野党としての自民党から与党の一角にいた公明党に対する嫌がらせ攻撃として、池田氏を証人喚問しよう、という動きがあった。公明 党・学会はこれを強く警戒していた。そのトラウマがいまだに残っている」
「創価学会の今後については、池田カリスマがなくなり学会の集票力は逓減、公明党議席も落ちこんでいくだろう。聖教新聞で言えば、池田氏の教えで埋めていた記事がなくなったらどうするのか。新ビジョンを出せるか、そのまま衰退するのか、あるいは分裂か。非常に大きな転機を迎えることになるだろう。これは自民党の問題でもある。連立政権として学会700万票が望めなくなった時どうなるか。自公連立そのものの大転換点にならざるを得ない。岸田首相の心中はわからないが、維新との連携を考えているかもしれない」

  ◇  ◇


池田氏の死は「自公連立」というシステムの継続性に少なからぬ影響を与えるであろう。それが私と田原、佐高、溝口3氏の共通の見立てであった。連立動機の一つであった喚問回避問題は池田氏の死で自動消滅した。また、その死は氏の原点であるはずの反戦平和の理念が今の連立できちんと生かされているかどうかをチェックするきっかけにもなろう。足元が危うくなりつつある岸田政権も無関心ではいられない。我々はこの連立を根底から検証し、見直す好機を与えられたのかもしれない。

(つづく)


解説
彼はこう答えた。『実は、2代目の戸田城聖会長が、自分を3代目会長にしようと毎日、長時間必死になって数カ月にわたって説得した。その必死さに感動したんです。この人物が信心しているなら僕も信心していいと思った』とね。これは説得力がありました

池田氏の入信動機については、さまざまなことが語られています。
今回の田原氏が紹介したエピソードは、初耳です。
今後、検証していきたいと思います。

 

池田氏は宗教における排除の壁を見事に乗り越えた。キリストでもイスラムでも、どのような宗教も決して否定せず、他宗の信者たちとも対話をはかり、信頼し合うことに成功 した。『邪宗』を『他宗』に切り替え学会の国際化に成功、SGIなどを通じて世界192カ国・地域で活動を行うまでに至った。

私も、池田氏によって創価学会の狂信的な部分が是正された点は大いに評価されると思います。
しかし、末端の会員まで、そのことが徹底されていたかどうかとなると疑問が残ります。
池田氏が他宗教に寛容な態度をとっても、実際の折伏の場面では、ながらく「四箇格言」が捨てられてはいなかったように思います。
創価学会の組織にはダブルスタンダードが大きく存在していたようです。

獅子風蓮