列車の車窓は心の窓

我が家の住人は電車がとても好きなので、車がありません。電車とバスで出かける日本の旅

サンライズの個室寝台(その1)

2007年09月16日 | 遠くへ旅行


8月31日(金曜日・曇り)~9月1日(土曜日曇り

 

 東京と出雲・高松を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」。今までは、大阪から東京へ行く時、「ノビノビ座席」に3回乗っただけでした。4回目の今日は、待ちに待った始めての個室寝台です。

 夜食用の弁当やお茶などを買い込み、午後9時40分ごろ東京駅9番線ホームに行きました。隣には小田原行きの通勤快速が発車を待っています。夜行列車の発車時刻、片や通勤客、方や旅行者が同じホームで待つというのはいいものです。もし通勤客の立場なら、将来の旅への意欲が高まり、もし旅行者の立場なら、明日の朝自分は遠く離れた場所にいるということが信じられないような気持ちになるからです。もっとも、毎日こんな光景に接していれば飽きてくるかもしれません。

 発車は22:00、その10分と少し前に入線してきました。寝台電車285系です。奥さんは、「あっこれいつも品川の車庫にとまっている電車だ!」といい、2人でとてもわくわくしています。

 僕達の部屋は「シングルツイン」というもので、車体の端の方に位置しています。天井に補助ベッドがあり、これを降ろすと2人部屋として使えるというものです。最初から2人で使うことを前提に、スタンバイ、シーツのセッティングがされていました。上段のベッドへは、梯子ではなく小さな階段を使ってあがります。

 「補助ベッド」を跳ね上げるとこうなります。寝る前に試してみました。昇降装置のようなものはなく、手で「ガチャン」と上げます。結構重いです。上の窓がふさがれてしまうので惜しい感じ。

 部屋は、「天井が頭につかえる」ような狭さではありませんが、正直広いとも
いえません。窓は、車窓を眺めるのに十分大きいと思いました。特に上段ベッドの窓は、曲面ガラスで気持ちいいです。車体の真ん中に通路があり、両側に個室が配されています。
 ドアを閉めると、進行方向どちらか片方の景色しか見えません。反対側の景色を眺めることができるのは、「自室のドアを開けている」かつ、「向かい側の部屋が空室でドアが開いている」時だけです。この条件が満たされたのは、東京を出て横浜に到着するまでの間だけでした。自分達の部屋も、いつまでもドアを開け放しにしておくのは落ち着かない気がします。


個室寝台の通路

 5号車と12号車には「ノビノビ座席」があります。名前は「座席」ですが、横になって移動できます。そのうえ、指定席特急券を用意すれば、寝台券はいりません。お得です。フェリーで言えば「二等船室」のようなものですが、占有スペースは1人分ごとにきちんと区分されています。
 ブログの筆者は、こちらは大阪から東京へ行くときに何度かお世話になっています。それほど狭いとは感じないし、窓が一人1つずつあるのがプライベート感覚を醸し出していてなかなか良かったです。寝具の貧弱なのが難点。掛け毛布か敷毛布か分からないようなものが1枚だけあり、長さが足りないせいで足がはみ出してしまうのです。(ブログ筆者の身長は174cm)

 東京を出ると、通勤客が待つ駅をたくさん通過し、時には京浜東北線の電車と併走します。東京駅のホームにいた時と、おなじような気持ちになります。東京から離れるにつれて、沿線の明かりの数が減っていくような気がします。

 それにしても、部屋の照明を落として眺める海は、なかなかのものでした。これが今日一番の収穫かもしれません。上空には雲がかかり、上段ベッドの大きな窓からは、星の光は見えませんでした。しかし、暗闇を駆け抜ける自動車のライト、岸に打ち寄せる波。個室寝台から眺める夜の東海道本線は、捨てたものではないと感じました。
 そうしているとトンネルに入り、右から左へと白い光が流れていきます。まぶし過ぎて、とても目を開けていられません。個室のライトを再び点けました。

 つづく   



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