列車の車窓は心の窓

我が家の住人は電車がとても好きなので、車がありません。電車とバスで出かける日本の旅

ディーゼルカー時代の和田岬駅

2006年08月19日 | 思い出の終着駅


思い出の終着駅(その3) 和田岬駅JR西日本・山陽本線 

 

 山陽本線の兵庫駅は高架駅です。その1階ホームから、ひっそりと出ている支線があります。兵庫から隣の和田岬へ向かう、1駅区間だけのこの支線は、「和田岬線」と呼ばれたりもしますが、れっきとした山陽本線の支線・山陽本線の一部です。

 この路線は、工場地帯への通勤輸送にまさに「特化」しており、昼間には列車が1本も走りません。2006年8月の時刻表によると、朝に7往復、夕方~夜に10往復の列車があります。しかし、そのほとんどに「休日運休」または「土曜・休日運休」と書いてあります。「休日」に走るのは僅かに、朝と夕方に1往復ずつだけです。

 この支線は、山陽本線が全線電化された後も長らく非電化であり、ディーゼル機関車が牽引する客車列車が走っていました。その後、客車列車に代わりディーゼルカーが入線しました。けっして新しいディーゼルカーではなく、他線で使用されていた車両を転用したものでした。

 ↑このディーゼルカーは、1961年から1966年にかけて製造されたキハ35系気動車です。「和田岬線」への入線にあたっては改造が施されました。中でも特徴的なのは、各車両に片側3箇所、両側6箇所ある扉の内、2箇所を無くした点です。兵庫駅と和田岬駅のホームは同じ側にしかないので、車両の扉も片側だけにあればよいのです。そこで、不必要な側にある3つの扉の内、非常用に真中の1箇所を残し、あとは埋め込まれてしまいました。

 ↑写真の右側に、埋め込まれた扉の跡があります。座席の増設などはされていませんでした。

 
 和田岬駅のまわりには工場しかないのかと思っていましたが、行ってみると以外にも住宅があり、マンションも建っていました。昼間にも列車を走らせればいいのにと思いました。
 駅の近くに住む人は、この路線は使わないのでしょう。兵庫駅から和田岬へたくさんの通勤客を輸送した後、折り返しの兵庫行きはガラガラでした。

 その後、和田岬線は電化され、このディーゼルカーは引退しました。
 電化されたのと同じ年に、神戸市営地下鉄海岸線が開通しました。この路線は和田岬駅を通ります。地下鉄の電車は、昼間も走っています。
 JRの方は今までと同じで、相変わらず朝夕だけの運行が続き、現在に至っています。

 



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