★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

きょ

2017-08-14 23:36:31 | 文学
うは寝っ転がって『邪宗門』を読んでいたのであるが、疲れたので、福田和也の『病気と日本文学』を眺めてみた。福田氏というのは、戦後で一、二を争う文芸批評家のような気がするのであるが、なにしろ、この本でも、後書きで、「文系の教員の成績の付け方」の「偏差」こそが「文学畑の教員の魂」だとか言ってしまうところがすごいと思うからである。柄谷氏や吉本氏にはかけねえぞ、こりゃ。花田×輝に至っては、対談の相手が教員だと知ると「フン」みたいな態度に出やがって……この不良学生がっ

福田氏は教員としてもたぶん優秀、というか教員として優秀だとみていたので読んでみたのであるが、要領のよい授業でまったくスカした野郎だと思った。プロレタリア文学や椎名麟三に対する評価など、なかなかいけている。さすがである。

わたくしが一番よいと思ったのは、下の部分で、


慶応の300人ぐらいの段々教室の学生たちに「毎回千字のレポート」を課していたらしいのだ。すばらしい。わたくしとそっくりではないか。受講生数(わたくしの場合その10分の一)と字数(わたくしはほぼその倍)以外。

金城孝祐の『教授と少女と錬金述師』も少し読んだが、これは授業で使おう。ちなみにこの本、古本屋で買ったら、金城さんのサイン入り本だった。元持ち主に呪いあれ。


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