★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

享楽の同志

2024-07-16 23:44:33 | 文学


行者これを聞きて大きによろこび、洞の中を飛出で本相を顕し、八戒を呼びて黄風王が云ひし言を物語り、霊吉菩薩の住處はいづくなるらんと、二人商議してありける所に、忽ち老翁一人歩行來れり。八戒の曰く、「師兄此老人に問ひ給はんはいかに」行者點頭いて老人の前に走り寄り、「靈吉菩薩の住み給ふ所や知り給ふ」と尋ぬるに、老人答へて「此正南に小須彌山といふ山あり、是靈吉菩薩の住所なり。

メダカの同志――ではなく、自らの発言でさえ、2分割の、あたかも二人のテンポで、――同志的なテンポでたたみかける猪八戒である。

わたくしは一度、清原和博氏のマネージャーになった夢を見たことがある。悩めるボスを全力でサポートする者の生き方は道徳化しようのない。何か享楽のにおいがする。猪八戒が享楽の人であることは、ちょうど悟空のパートナーであることとどことなく響き合っている。


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