★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

さびしくも、また、眼をあけるかな

2018-06-10 18:42:37 | 文学


眼閉づれど、
心にうかぶ何もなし。
 さびしくも、また、眼をあけるかな。

途中にてふと気が変り、
つとめ先を休みて、今日も、
河岸をさまよへり。

――石川啄木「悲しき玩具」より


……わたくしが啄木と全く違うのは、土日でも出勤してしまうことがあり、勤め先を休まないことであった。啄木に言いたい。

手をみるちょっとその前に
とりあえず働け 眼を開けて
あーこりゃこりゃ

だいたい、その時代閉塞とやらのあとが抜群に啄木の才能が輝く時代だったのに、じつに惜しい……。わたくしも含めた若者たちよ、とりあえず、生き延びた方が面白いかも知れないよ。清貧なんてくだらないよ、金儲けして楽しく生きるのだ。