★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

ファシズムからの過程

2018-06-22 23:29:33 | 文学


「セヴンティーン」はよく分かるような気がするのであるが、「政治少年死す」はよく分からない。というより、分からないことすら忘れていたが、最近ちょっと考えなきゃいけないことがあって、読み直して見ようと思う。われわれは、自意識過剰なくせに、それからの解放ばかり夢想しているが、本当に解放された人間が長い時間をかけてどうなるかはあまり想像しない。ファシズムへの考察も、案外重要なのは、ファシズムへの過程ではなく、ファシズムからの過程ではないかと思うのである。