(20.9.15 20-1のこと追加)
2ヶ月以上も空いてしまいました。徐に再開します。
19-3は、今店頭に並んでいる20年度過去問集に載っている問題ですので、これから解かれる方はネタバレご注意。
19-2と同様に分類します。
1, 部首間違い病 3問 6点
(二)演奏家をしょうへいする。 ×招騁 ○招聘
招聘は、9-3K 14-2Kでも出題されていますが、私は、何度も間違います。因みに、騁は、馳騁(ちてい)10-3Y 16-1Yが出題されており、ヘイとは読みません。
(四)長い間治らない病気 しゅくあ ×宿'何 ○宿痾
阜偏をどうして人偏にしてしまったのだろう。
(八) 狡猾≒ろうかい ×老膾 ○老獪
老獪も、14-3K、17-1Kで出題されており、正答率は高かったように思います。老いた膾(なます)では、ずる賢くはない。
2,チェックはしてあったが、定着していない 7問 14点
(二) 大根にすが入っている。 ×松/須 ○鬆
鬆は、8-3Yで読みが出題され、書き取り問題に転化したもの。 また、すの訓読みはいくつかありますが、鬆は意味がonlyな1級漢字。両方の意味で出題の可能性があったものです。
(四) 官職などをとりあげること ちだつ ×虒奪 ○褫奪
褫奪13-1Y 17-1Yも読み問題から書き取りに転化しました。こんな難しい殆ど使わないような熟語は、書き取りでは出ないだろうと高を括っていましたが、甘かったです。音符だけきちんと書けたから良しとしましょうか。衣服を褫(うば)うから、衣偏なのですね。
(五) さんし渉河 ×山豕 ○三豕
よく出題される、文字の誤りという意味の四字熟語。以前、記事にしたのですが、故事を理解していないと書けませんね。三匹の豕(いのこ)と憶えておきましょう。
(五)金声ぎょくしん ×玉簪 ○玉振
19-1の断章取義(5級)、19-2の斗折蛇行(2級) に引き続き、常用漢字だけで構成される四字熟語です。今回は4級です。すると、20-1は、7-3を最後に出題されていない3級配当でしょうか。と書きましたが、20-1は、全て1級からの出題でした。
(九)五寸の鍵かいこうを制す ×開閘 ○開闔
出典 「淮南子 主術訓」21
開闔は、「辞典」の見出し語にありますが、この故事は全く知りませんでしたので、想到できませんでした。開闔は、開けると闔(と)じるという、対義の漢字で構成される熟語ですから、訓読みを憶えるにも便利な熟語で、「辞典」の見出し語の上には、⇔を付けています。鍵から、カイが開であることまではわかりましたが、コウから闔は浮かびませんでした。
(追加)「本試験型」第5回の読み問題に略同じ故事諺が載っています。過去問の読み問題を書き取り問題として解くことは、人口に膾炙された学習法ですが、 「本試験型」の読み問題も書き取り問題として解くことも必要なのかもしれません。
また、「四字熟語」に天門開闔がありました。四字熟語を、上下に分けて二文字熟語を書けるようにすることも必要なのでしょう。どちらも結構大変ですね。
(九) しもく大なれど視ること鼠に若かず ×眥目 ○鴟目
出典 「淮南子 氾論訓」23
「四字熟語」の見出し語に鴟目虎吻があり、SIMO様のブログの問題にもあります。 解いたのですが、思い出せませんでした。鼠と比較されるのが鴟(ふくろう)の目とはとても思いつきません。
(十) 次第に木曽のすいびに近づけるは・・ ×翠美 ○翠微
(出典 田山花袋「秋の岐蘇路」(「艸枕・旅すがた」所収 近代デジタルライブラリーにあります)
これは、ぱっと翠微と書きました。 「辞典」の準1級の親字欄は途中までしか読んでいませんが、翠までは目を通していました。翠微は見出し語にありますので微かに憶えていたようです。でも、倩考えると、何故、微なのだろう、木曽は翠深いところだから、微かは変だなあ、美の方が相応しいと思って書き直しました。直感は過たない、過つのは判断ですね。
3、 学習していない 1問 2点
(二) 敵方にかんを通じていた嫌疑がある。 ×奸 ○款
これは全くわかりませんでした。「辞典」の見出し語に通款があります。19-2で、不堪が出題されましたので、常用漢字の親字欄の音読み見出し語に目を通していますが、通までは辿り着いていませんでした。
後日 がくぶんの過去問集第1巻を見ていたら、第2回の誤字訂正問題に
政界の大立者と関を通じている 正解は、×関→○款
というのがありました。でも、「辞典」の款の親字欄に、こういう使い方は載っていなかったので無視していました。
なお、この3月に解いたのですが、第4回にも、
敵とかん(款)を通じている。
という書き取り問題が出題されています。がくぶんの過去問から、漢検にも出題されそうですので、ぼつぼつ問題集を解いています。
19-3の故事・諺の五寸の鍵、開闔の門を制す。
これ、成美堂の5回の読み問題にもあるんですよね。
四字熟語は・・・・結構「孟子」からの出題が過去にもあるんですね。 一度読んだだけではダメですねぇ。
ブログも再開したいのですが、まだ着手し始めたやりたいことが途中なのでそれが終わったらにします。 現在やってる事は、これをやったら何点取れるか?といった程度の事ですが。
ありがとうございます。まだまだ怱忙なので、ぼちぼちいきます。
> 19-3の故事・諺の五寸の鍵、開闔の門を制す。
>これ、成美堂の5回の読み問題にもあるんですよね。
私も解いたのですが、全く記憶に残っていませんでした。あおむし様は、どうしてこういうのがすっと思い出せるのだろう? 類い希な記憶力をお持ちですよね。
>「孟子」からの出題が過去にもあるんですね。 一度読んだ
お、もう読みましたか。今度は、「淮南子」などは如何ですか。私は、最近は、佛教の本許り読んでいます。
>まだ着手し始めたやりたいことが途中なのでそれが終わったらにします。 現在やってる事は、これをやったら何点取れるか?といった程度の事ですが。
また、新たな試みですね。また教えてね。
肄業、宿痾、白地、鴟目、甘蕉 と
折角問題にしてあったのに。
真面目にやってないな。(^^;;
肄業は、貴ブログで
肄うを使っていたので、字を覚えました。
遅くなりましたが、再開を皆で待っていました。良かった良かった。
自分の方はほっときですが。
最近、フォント作成を始めてしまいました。
正直ブログどころではない状態です。(^^;;
でも、楽しいですよ!
ありがとうございます。漢検の問題は微妙に変化してきているので、書き換えようと思っているところもあるのですが、一旦中断してしまうとなかなか以前のペースには戻れません。ぼちぼち行きます。
>漢字必携の許容字体にばっちり載っていました。
>ですから雨/謁は正解ですよね。
2点UPしました! 記事から削除しなくっちゃ。
家にある「必携」には、載っていなかったので、最新版を本屋で確認しました。靄に限らず、曷の音符字は、常用漢字渇の音符のように全て常用漢字の字体でよさそうですね。尤も、だけは、常用漢字の字体が載っていませんでしたが、これもいいんでしょうね。
まあ、1級受験のためにはいいのでしょうが、非常用漢字を、常用漢字の字体に合わすなんてことは本当にいいのかなあ。「大漢和」にも雨/謁なんて載っていません。異体字として存在するのかなあ。森鴎外って、やっぱり私は可笑しいと思います。
>肄業、宿痾、白地、鴟目、甘蕉 と
>折角問題にしてあったのに。
>真面目にやってないな。(^^;;
ど~も すいません。(^_^;)
貴ブログの記事がUPされたときにちらっと見たけど、全く記憶に残っていませんでした。きちんと憶えておけば、7点UPでしたね。
>白地、甘蕉
熟字訓の新出を2問も当てるって凄いなあ。ノウハウがございましたらまたご披露の程。私は熟字訓の多さに喘いでおります。
>肄業は、貴ブログで肄うを使っていたので、字を覚えました。
ありがとうございます。知人からは、漢字が難しくて読めないとの批判をよく貰います。でも、ここは漢検1級専用なのですから、これからも自分の勉強のためにも成る可く難しい漢字を須いることにしましょう(^_^)
>最近、フォント作成を始めてしまいました。
>正直ブログどころではない状態です。(^^;;
>でも、楽しいですよ!
毛筆といい、手の届かない世界ですねえ。SIMO式勘亭流でしょうか。これもまたご披露されたし。
先週私も京都に行きました。祇園や嵐山を徘徊しておりましたが、旧字体が息づいていましたね。
なるほど!
白魚一寸さんが、必携を見ていないとはらしくないと思っていましたが、いつぞや見せていただいたあの書き込みだらけの必携(初版?)には載っていなかったのですね。納得。
この連休は珍しく6連休でした。最初の4日間ずっと小筆でフォントの為の文字書きをしていました。(1cm角くらいの文字を一ページあたり72文字ずつで約110枚)JISの第一水準と第二水準及びひらがなカタカナや記号です。
もの凄く消耗しましたが、楽しかった!!
残りの2日間で、微調整をしてフォントに仕上げます。(もうほとんど出来ました)
JISにない文字をどのコードに入れるかを今考え中です。
良いアイディアがありましたら教えてください。
いやあの茶色のではありません。家内が使っていた2001年4月30日発行のものです。その後、改版され、許容字体が増えました。最近は、「必携」は殆ど見なくなりました。代わりに、「辞典」が旧必携状態になりつつあります。
> 残りの2日間で、微調整をしてフォントに仕上げます。
貴ブログにアップされましたね。
>JISにない文字をどのコードに入れるかを今考え中です。
>良いアイディアがありましたら教えてください。
御免なさい。コードとか全然分かりません。鶍とかMS明朝では普通に出ますから同じところへ入れればいいのかなあ。でも、魚尓(いさざ)は困りますね。
魚尓:いさざ
金逆:さかほこ
この3文字です。JISにもないし、unicodeにもありません。
これらや糵の漢検用の文字などを、普通に出力できるフォントを作成しようと思っていますが、何しろコードが無い文字ですから、外字として登録するか、或いはどこかの文字や記号などの場所を借りるかしかありません。
で、単にどこがいいのかな、ということです。
鶍は、第二水準までにはありませんが、JISの補助漢字に入っています。
日+干(かん、くれる)とかは補助漢字にもなく、unicodeにはあります。こういうのは、gooブログではうまく表示できないようですが、一応コードが決まっているので、登録場所ははっきりしています。
>JISにもないし、unicodeにもありません。
>外字として登録するか、或いはどこかの文字や記号などの場所を借りるかしかありません。
>で、単にどこがいいのかな、ということです。
Daisakuさんのブログによると、いさざと読む漢字は、魦鱊があるようです。
http://blog.goo.ne.jp/o-tei/e/a780c4073853a4439243f643f8a4c399
unicodeにはあるようですが、魦も鱊も1級には不要だから、魚尓に入れ替えてしまうというのはどうでしょうか。
同じ論で行くと、
>魚惠:あおさば
あおさばと読む漢字は、「大漢和」にも載っていませんが、さばと読む魚偏だと、鮄がありますから、これと入れ替える
>金逆:さかほこ
さかほこは、「大漢和」でも他にありませんからお手上げです。
このあたりは大岡様にご登場頂ければと思うけど、最近どうされているのかなあ。
>𫒼
は、上記の議論にお答えいただいているのでしょうが、そんな事情で、これが何を意味するのかわかりませんでした。