鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

音読み畳語は過去問と1級四字熟語だけ書ければいい。

2008年12月28日 | 憶えるべきことを少なくする

(20.6.27 21-1出題分追加、修正)

「問題と解説」の書き取りに、二字畳語の同音異義問題があります。例えば、

 りょうりょう
 ものさびしいさま(寥寥)
 奏楽の音が響くさま(喨喨)

これは難しく、3-5では4割、6-4では5割しか出来ませんでした。過去問にどのくらい出題されていたか、全部調べてみました。 なお、四字熟語については、準1級以下は狭義の三点セットから外しましたので、付記して括弧に括ります。他は1級です。


1, 四字熟語に含まれる畳語 (11語、畳語の書き取り出題は15回)

余韻じょうじょう(嫋嫋20-3K 18-1K 16-1Y 9-1Y
ちょうちょう(喋喋15-2K)なんなん(喃喃6-3K
かんかん(侃侃15-1K)がくがく(諤諤or愕愕10-3K
和気あいあい(藹藹or靄靄14-2K
勇気りんりん(凜凜14-1K 11-2K
(文質ひんぴん(彬彬))12-3K 18-2Y  準1級
けんけん(蹇蹇)匪躬 9-2K(尚、匪躬の方は18-1K で出題)
えんえん(蜿蜿or蜒蜒or蜿蜒)長蛇 8-2K
戦戦きょうきょう(兢兢8-2K
喧喧ごうごう(囂囂8-1K 14-1Y
往事ぼうぼう(茫茫5-2K

 畳語を含む四字熟語の出題回数は、以下の二字畳語よりも少ないですが、四字熟語は毎回10問であるのに比して、二字熟語がもっと沢山出題されます。従って、畳語を含む四字熟語の方が、二字畳語よりも出題頻度は高いものです。

 四字熟語に含まれる畳語は、例えば虎視耽耽など他にもありますし,調子が良くて割と憶えやすいので、他のものもできるだけ憶えた方がいいでしょう。下記にも書きました。


2, 音読み二字畳語の書き取り(19語 書き取りの出題は24回)

「四字熟語」の見出し語を構成する二字熟語は、新出でも書けた方がいいと思うので、付記しておきます。 

さっさつ(颯颯20-3K
しし(孜孜16-2Yor孶孶18-1Y20-3K

ぎぎ(巍巍or魏魏
20-1K
かつかつ(戛戛19-1K 17-3Y 5-3Y
るる(縷縷18-3K ←るる(縷縷)綿綿
ここ(呱呱18-1K,16-2Y,15-1K,11-3K,8-2K
おうおう(怏怏15-1K
うんぬん(云云14-1K,12-1Y,5-2K  準1級 
るいるい(塁塁or累累13-2K 常用←死屍るいるい(累累
しょうじょう(猩猩12-1K
たんたん(坦坦11-1K 準1級
とうとう(滔滔11-1K
げつげつ(孑孑9-1K
かいかい(恢恢8-1K,6-3K ←天網かいかい(恢恢))準1級
せつせつ(屑屑6-2K 準1級
じゅんじゅん(諄諄5-2K
いい(唯唯4-1K ←(いい(唯唯)諾諾)常用
しょうしょう(蕭蕭4-1K
がくがく(諤諤4-1K 8-1Y←かんかん(侃侃)がくがく(諤諤 

 「問題と解説」に出題されているとおり、二字畳語は一杯ありますし、「辞典」の見出し語にも結構あります。しかし、四字熟語と比較して、こちらの方は憶えにくいと思います。過去問はまた出題される可能性があるので、最低限上記だけは憶えておくのがいいような気がします。

 冒頭の「問題と解説」の問題は、孰れも「辞典」の見出し語にありますが、過去問に出題されていませんし、四字熟語も構成していないので、出題可能性は低いと思います。 

 なお、14-3以降、(四)語選択書き取りと(八)対義語・類義語の小問では、二字畳語は一問も出題されていません。また、(二)書き取りの同音異義問題にも、畳語は全く出題されていません。
 

3, 音読み二字畳語の読み問題 (23語 32回出題)

 「辞典」の見出し語にある熟語は、【 】に括ります。なお、準1級漢字だけ付記しました。他は1級漢字です。また、四字熟語を構成する二字熟語は、四字熟語を付記しました。

【煢煢】(けいけい21-1Y,10-1Y
【呶呶】(どど21-1Y
 濺濺(せんせん20-3Y
【鼕鼕】(とうとう
20-2Y、16-2Y
【怡怡】(いい20-2Y
 蚩蚩(しし20-2Y, 19-3Y
【嘖嘖】(さくさく20-1Y,18-1Y,10-1Y 好評嘖嘖
【喞喞】(しょくしょく19-3Y,17-3Y
【潸潸】(さんさん19-2Y
【冪冪】(べきべき19-1Y
【斌斌】(ひんぴん17-3Y 準1級
【鏗鏗】(こうこう17-3Y
【駸駸】(しんしん17-1Y
【潺潺】(せんせん17-1Y
【滾滾】(こんこん16-3Y
【奕奕】(えきえき16-1Y
【泛泛】(はんぱん20-3Y 13-3Y 9-3Y
【炯炯】(けいけい12-3Y 6-3Y 眼光炯炯
【冉冉】(ぜんぜん11-3Y
【矻矻】(こつこつ11-1Y
 囁囁しょうしょうorじょうじょう11-1Y
【杳杳】(ようよう8-1Y
【熙熙】(きき6-2Y 煕煕壌壌

 1級漢字の二字畳語は、少なくとも音の見出し語のある漢字は読めなければなりません。また、見出し語のないものや準1級漢字も、過去問に出題されたものは読めた方がいいでしょう。更に、上記1で述べたように、二字畳語を含む四字熟語は書けたほうがいいでしょう。

 その他の四字熟語に使用されていない二字畳語が書き取り問題に転化するでしょうか。上記2で、先に読み問題が出て、後で書き取り問題に転化したのは、「かつかつ」と「しし」の2語だけで、あまり転化しないように思います。また、二字畳語の書き取りは、4-1から21-1の全49回で23回出題されただけですから、其程出題されないでしょう。従って、読みにだけ出題された二字畳語が書けなくても合格点に達すると考えます。畳語でない熟語に勢力を注いだ方がいいと思います。尤も、上記の内、見出し語だけは書けるようにしておくのも一法でしょう。


4, 「狭義の三点セット」から除外

 「辞典」の見出し語の内、上記2で出題された熟語、1級四字熟語を構成する二字畳語以外は、書けなくても合格点に達すると考えますので、「狭義の三点セット」から除外します。上記2の書き取りについても新出のときは、「狭義の三点セット」から除外することになります。20-119-1の集計を変更しました。なお、鼕・駸・冉・矻は、上記3の畳語しか見出し語がありませんので、合格のためには書けなくてもいい漢字となります。

5,20-3以降の出題

(1)20-3には結構出題された

 20-3では、上記に追加したように、書き取りで3問(6点)、読みで1問、計4問(7点)も出題されました。じょうじょう(嫋嫋)は既出、しし(孜孜or孶孶)は、読みから書き取りへの転化、残り3点は新出です。ししや新出が出来なくても、176点取れるのですから、「狭義の三点セット」から外しておいてもいいでしょう。

(2)21-1の出題
 読み2問(内1問は、過去問再出題)だけでした。



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