塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 「飛騨の円空」 円空像 大森旭亭筆

2013-03-17 05:59:53 | ミュージアム巡り_2013
 文化2年(1805)に飛騨高山出身の国学者・田中大秀の門人である
大森旭亭に、関市にある弥勒寺に伝来していた円空の肖像画を模写さ
せたと伝わる「円空像」(えんくうぞう、Portrait of Enku、千光寺)。
 像は五仏を表わした帽子をかぶり、独鈷杵と念珠を取って座す姿で
顔は四角く、歯はまばらで、目は下を向いた印象は孤独感が漂う。
 当時の弥勒寺は、1920年に火災で多数の円空仏や円空画像が焼失
したという。そのため、この円空像の絵は現存する唯一のものだ。
 円空が生涯に残した造像は12万体と伝承されているが、現在現存
するのは5,300体ほど。円空が訪れる先々で民に自然に受け入れられ
歓迎されたようで、民家への宿泊や食物の施しの礼にと、気軽に神仏
像を刻み彫り込んで与えたことが伝わっている。
 今後、新たな円空像が発見されるのが楽しみだ。
トーハク(台東区上野公園13-9)

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