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塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り クローズアップ番外編 双魚衝立

2013-12-31 05:28:55 | ミュージアム巡り_2013
 香川が生んだ彫金家の北原千鹿さん(1887~1951)の作品「双魚
衝立」(Screen in paired-fish design、真鍮、1932年)。
 この衝立、いいなあ、部屋に飾りたいなあ。木訥な味のある作品
だ。
 北原さんは実用的な形にはとらわれない、また伝統的な造りを打
破した工芸造形を探求していき、独自の立体表現を作品に命を吹き
込まれた。
 でも、オブジェとは少し違い、写実的造形、特に自然生物をモチ
ーフにした作品が多くある。
(MOMAT:千代田区北の丸公園1-1)

ミュージアム巡り クローズアップ番外編 ブルー・トリオ

2013-12-30 05:40:56 | ミュージアム巡り_2013
 アメリカの宙吹きガラス工芸家、ダンテ・マリオーニさん(Dante
MARIONI、1964~)の作品「ブルー・トリオ」(Blue Trio、ガラス
・宙吹き、1997年)。
 3つの異なった造形美、この内ひとつだけでも想像をかき立てる作
品で、朱色の取っ手がそれぞれ主張しているようだ。3つの作品には
安定感があり、このブルーに目が吸い込まれていきそう。
(MOMAT:千代田区北の丸公園1-1)

ミュージアム巡り クローズアップ番外編 Arc

2013-12-29 03:42:34 | ミュージアム巡り_2013
 宙吹き技法のスペシャルガラス工芸家・高橋禎彦さん(1958~)
の作品「Arc」(アーク、ガラス・宙吹き・キャスト・色、1993年)。
 ガラスアートの鬼才・高橋さんだけに、この作品の造形オブジェ
が何を表現しているのか考えてしまうが、観かたによって想像する
だけに興味がフツフツと沸いてくる。
 このArcの中には宙吹きやキャスト、サンドブラスト、色被せの
ガラス工芸技法が盛り込まれており、創作現場で生に観てみたいも
のだ。

 続いては、かご工芸家の関島寿子さん(1944~)の作品「無題 か
ご(No.396)」、A basket(No.396)、桑・編み、1994年)。
 いろんな素材を使って編んでみたり組んでみたり、日本古来の伝
統工芸のひとつ“かご”。この作品もとてもシンプルな桑の蔓を使
った編み込みで、その構図にこだわりを感じさせる。こういうのを
ファイバーアートというのだろうか。
(MOMAT:千代田区北の丸公園1-1)

ミュージアム巡り クローズアップ番外編 金胎蒔絵水指 春

2013-12-28 03:35:56 | ミュージアム巡り_2013
 1985年に蒔絵技法で人間国宝に認定された寺井直次さん(1912
~98)の「金胎蒔絵水指 春」(Water container“Spring”、maki-e
on metal base、漆・金胎・蒔絵・卵殻、1976年)。
 漆工芸家にとって、白い色を自在に浮かび上がらせることが難し
かったところ、卵の殻を使って立体感のある作品に仕上げるパイオ
ニアとして確立された寺井さん。また、漆を付着させたり、アルミ
を電解処理して素材を作る技法、金胎漆器なども開拓されている。
 この作品は、金胎に卵の殻も使われ、タイトルの春に咲き誇る花
がとても精工に描かれている。
(MOMAT:千代田区北の丸公園1-1)

ミュージアム巡り クローズアップ番外編 蛸図大皿

2013-12-27 05:43:46 | ミュージアム巡り_2013
 続いては、足開き蛸が描かれたバーナード・リーチさん(Bernard
LEACH、1887~1979)の作品「Large dish、octopus design、陶器、
1925年)。
 リーチさんは香港生まれの親日家イギリス人で、陶芸家でもあり
画家、デザイナーでもあった。柳宗悦に協力して民芸運動に加わり、
実用的な日用陶器の制作活動を由とした。
 蛸の足といえば8本、確かにこの皿の絵は8本が描かれている。
ところが蛸の足は2本で、残りの6本は腕であることが学術的に証
明されている。
 もし、このお皿が手に入ったら、活き蛸の足と腕の薄造りをフグ
の盛り付けのように盛って頂きたい。

 続いては、バーナード・リーチさんとも親交のあったオーストリ
ア・ウィーン出身でイギリスを拠点に活動した陶芸家、ルーシー・
リー(LucieRIE、1902~95)の「マンガン釉線文鉢」(Footed bowl
with Radiating sgraffito with manganesq、磁器、1970年)。本名は、
Luzie GOMPERZ(ルツィエ・ゴンベルツ)。
 第二次世界大戦が勃発する前に英国に渡り陶芸の道を進むが、初
期の頃はボタンの製作で生計を立てるものの、陶芸活動だけでは苦
労ばかりで、俗に言う“キャベツ”を食べる生活が続いたという。
 この作品はマンガンの釉薬を使い、それを削ぎ落とした技法を用
いた作品。
(MOMAT:千代田区北の丸公園1-1)