塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り クローズアップ番外編 黒釉褐斑鳥文鉢

2013-12-23 04:14:07 | ミュージアム巡り_2013
 次は、石黒宗麿さん(1893~1968)の作品「黒釉褐斑鳥文鉢」
(Bowl、bird pattern、black and brown glazes、陶器、1958年)。
 石黒さんは若い頃、中国・宗時代の曜変天目の技に引きつけら
れて陶芸家を志す。京都・東山で窯を開き、その後は左京区八瀬
に移り住み長年の苦労の末、「木の葉天目」技法を編み出される。
1955年に「鉄釉陶器」で人間国宝に認定。
 石黒さんの座右の銘は「栩々然」(くぐぜん、荘子の斉物論)で、
歓びや伸びやかなかたちのこと。
 この作品は、真骨頂の黒鉄釉で描かれているのは鳥の飛ぶ姿。
ドッシリとした作品だ。

 そして次は、ガラス工芸作家、岩田藤七さん(1893~1980)
の「ガラス飛文平茶碗」(Shallow glass tea bowl、bead pattern、
ガラス・宙吹き、1966年)。
 岩田さんは、学生時代(東京芸大)では洋画や彫金、彫刻を学び、
その後アールヌーボーに啓発されてガラス工芸の道に進む。独力
で色ガラスの製法を修得し、個人で工場(岩田工芸ガラス)を開い
て“日本のガラス工芸”のジャンルを開拓したパイオニアである。
 この作品は70歳を過ぎた頃のもので、H6.3×D18.3cmの大き
めのサイズの茶碗だ。ガラスに飛文の文様を施す、それだけで画
期的な意匠だ。
(MOMAT:千代田区北の丸公園1-1)

最新の画像もっと見る