塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 出雲展 金輪御造営差図

2012-10-29 06:12:31 | ミュージアム巡り_2012
 大規模な社殿の出雲大社本殿の平面図「金輪御造営差図」が展示
されていた。島根・千家家に伝来し、鎌倉から室町時代(13~16世
紀)に描かれたもの。
 巨木3本を1組とする直径約3mの大柱が描かれ、引橋の長さ約
109m取られており、従来は年紀の記載もないことから信憑性が問
われていた。ところが、2000年に同大社境内から、この図面通り
の大柱が見つかったことで、この原図が再評価されるようになる。
 図の左中央に描かれている「国御沙汰」の4文字については、同
大社の造営遷宮が中央集権からの天皇の命令「宣旨」を受け、国衙
の在官庁官人と神官が共同で事業の遂行に当たる国家事業として発
せられたことを示すものである。
 また、江戸時代、本居宣長の髄筆「玉勝間」(1812年刊)の中に
「金輪御造営差図」の写しが掲載されており、宣長自身も元図に示
された巨大神殿の実在に疑念を持っていたという。
 さらに佐草自清が貞享3年(1686)に著した「出雲国造系譜考」に
「三輪之造営」の名で差図の略図を載せ、3本の柱を接ぎ合わせた
板で包んで1本の円柱に仕上げたことを紹介している。
(トーハク:台東区上野公園13-9)


最新の画像もっと見る