石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

びっくり日本大使館

2008-11-03 18:59:52 | メディア
昨夜放送の、NHKスペシャル「ホワイトハウスに日本を売り込め・密着・大使館外交工作」にはびっくりした。

ディープな取材で、カメラがよくここまで入った、とか、よくここまで写させた、ならば見た甲斐があったといえるが・・・

えっ? 日本の外交ってこのレベルなの? 大使館がやってることは、この程度なの? オラのビックリは、こっちである。

まず、オバマ政権になったら、どんな「知日家」が新政権に影響をあたえるのか、その名簿作りをディスカッションしている場面だ。

そんなの、新大統領がどうなろうと、二大政党国家なんだから、名簿なんぞは常時更新され、普段から親密なつきあいをしているのが現地大使館ではないのか?

次に、今後の日米関係を議論している公使(4人)や書記官連中の中身の稚拙さである。もちろん、カメラを目の前にして話す事情は理解できる。

しかし、祖国の本省のスタッフも見ている番組となれば、それなりのリキが入ったプロならではのコメントが出て当り前だろう。ところが、ゼミ学生の議論だってこんなレベルじゃ恥ずかしい、という話の内容。

「今までのブッシュ政権とは、それなりに問題なくやってこれました。しかし、今度、新大統領となれば、日本側からの積極的な提言が求められます・・」

おいおい、イラク戦争でも金融危機でも世界の「超問題児」に堕落したアメリカに、同盟国として一言も忠告できなかった日本だ。「それなりに問題なく」とはよく言ったもんだ。

こんな「公使」が黒塗りのリムジンを走らせて、行った先では、日米問題のシンポジウムの客席隅でメモをとるだけ。どこが外交工作? 泣けてくるぜ。

これで「スペシャル」を謳っていいのか。NHKワシントン総局の取材レベルは大丈夫か? ちゃんと普段から「知日派」とつきあっているかい?