広島では先行上映されていたにもかかわらず、なかなか観に行けなかった
『夕凪の街 桜の国』を、ようやく観てきました。
近所のシネコンで観るつもりでしたが、夜の上映がなくなったため、新天地の
ミニシアター「シネツイン2」に行きました。元々は「新天地劇場」の名で半世紀
以上前にオープンした歴史ある劇場で、その後広島宝塚の別館となりましたが
2004年に一度閉館しました。しかし「街中の映画館を守りたい」とミニシアター
「サロンシネマ」の関係者らが動いて復活したものです。ミニシアターといえど
元は200席あった一般劇場。見ごたえもあって、いい感じでした。
文化面で岡山の後塵を拝している印象の広島ですが、気がつくとミニシアター
は全部で5館もあります。(サロンシネマ1・2、シネツイン1・2、横川シネマ。)
作品のチョイスが悪いのか、私の都合と合わないだけなのか、なかなか行く
機会がないのですが、今年は観たい作品が多いので、足を運ぼうと思います。
この時期の平日に行くつもりではなかったので、前売りを買っていたのですが、
月曜日は割引デーで千円で見れたんですよね。ちょっとショック。けどまあ、
劇場前売り特典で扇子を貰ったからいいか。
原作のコミックは最初に買ったものを宣教師に、その後買い直したものも友人
に貸して、手元にはありません。でも、脳裏にしっかり焼きついています。
上映前にパンフを読みながら、思い出し泣きしてしまいました。
原作への思い入れが強いと、映像化作品を受け入れがたい部分があって、
今回も最初は期待してましたが、公開が近づくにつれ不安が募ってきました。
とりわけ『夕凪の街』の素晴らしさは、ラストシーンの漫画ならではの表現に
負うところが大きいので、映画化は難しいだろうなぁと思っていたので。
でもやっぱり観ずにはいられませんでした。
『夕凪の街』は、ヒロイン・平野皆実役の麻生久美子の好演に尽きます。原作
からそのまま出てきたみたいにイメージぴったりで、見事に演じきってくれて
いました。
ただ難を言えば、最期の場面が美しすぎでした。ちっとも原爆症らしくない。
これは作品全体にもいえることで、美しく撮り過ぎていて、例えばバラックも
整然としていて「原爆スラム」ではなくただの長屋に見えてしまいます。
どぎつい表現を避けてソフトに仕上げた意図は分かりますが(でもそれなら、
銭湯でケロイドを見るシーンもいらない気がしますが)、リアリティは追求して
ほしかったです。
ラストシーンは、まあ妥当というか、これなら有りかな?と許容できる範囲内
でした。ただ、どうせならもっと「別物」に徹してほしかったです。中途半端に
原作を引きずって、皆実のモノローグをそのまま挿入したため、実際の展開
と噛み合わなくて興ざめしてしまいました。
『桜の国』のほうは、原作にさほど思い入れが無かった分、素直に観れました。
現代劇としては、まあ及第点でしょう。ヒロイン・石川七波役の田中麗奈も、
私好みではないけど頑張ってました。でも本格女優の割に、演技に幅が無い
というか、素人っぽかったです。途中から木村拓哉を見てる気がしました。
(そういう演出だったのかも知れませんが。)
七波の父・旭役の堺正章は原作とは若干イメージが違いましたが、いかにも
という演技でした。できればもう少しセリフを喋ってほしかった。祖母フジミ役の
藤村志保は落ち着いて見られました。ただ『夕凪の街』での若い頃の場面は
かなり無理がありましたが。
無理といえば、子役や若い頃の役と年を取ってからの役のギャップの大きさも
もう少し考えてほしかったですね。
東子役の中越典子は、私には外れでした。典型的な「現代の若者」のテイスト
は出てましたが、作品にはミスマッチと感じました。田中麗奈に負けず劣らず
「素の演技」でしたし。このキャラなら、ラブホテルでプリプリの「Diamonds」が
流れるのも致し方ないのかな。
『夕凪の街 桜の国』を、ようやく観てきました。
近所のシネコンで観るつもりでしたが、夜の上映がなくなったため、新天地の
ミニシアター「シネツイン2」に行きました。元々は「新天地劇場」の名で半世紀
以上前にオープンした歴史ある劇場で、その後広島宝塚の別館となりましたが
2004年に一度閉館しました。しかし「街中の映画館を守りたい」とミニシアター
「サロンシネマ」の関係者らが動いて復活したものです。ミニシアターといえど
元は200席あった一般劇場。見ごたえもあって、いい感じでした。
文化面で岡山の後塵を拝している印象の広島ですが、気がつくとミニシアター
は全部で5館もあります。(サロンシネマ1・2、シネツイン1・2、横川シネマ。)
作品のチョイスが悪いのか、私の都合と合わないだけなのか、なかなか行く
機会がないのですが、今年は観たい作品が多いので、足を運ぼうと思います。
この時期の平日に行くつもりではなかったので、前売りを買っていたのですが、
月曜日は割引デーで千円で見れたんですよね。ちょっとショック。けどまあ、
劇場前売り特典で扇子を貰ったからいいか。
原作のコミックは最初に買ったものを宣教師に、その後買い直したものも友人
に貸して、手元にはありません。でも、脳裏にしっかり焼きついています。
上映前にパンフを読みながら、思い出し泣きしてしまいました。
原作への思い入れが強いと、映像化作品を受け入れがたい部分があって、
今回も最初は期待してましたが、公開が近づくにつれ不安が募ってきました。
とりわけ『夕凪の街』の素晴らしさは、ラストシーンの漫画ならではの表現に
負うところが大きいので、映画化は難しいだろうなぁと思っていたので。
でもやっぱり観ずにはいられませんでした。
『夕凪の街』は、ヒロイン・平野皆実役の麻生久美子の好演に尽きます。原作
からそのまま出てきたみたいにイメージぴったりで、見事に演じきってくれて
いました。
ただ難を言えば、最期の場面が美しすぎでした。ちっとも原爆症らしくない。
これは作品全体にもいえることで、美しく撮り過ぎていて、例えばバラックも
整然としていて「原爆スラム」ではなくただの長屋に見えてしまいます。
どぎつい表現を避けてソフトに仕上げた意図は分かりますが(でもそれなら、
銭湯でケロイドを見るシーンもいらない気がしますが)、リアリティは追求して
ほしかったです。
ラストシーンは、まあ妥当というか、これなら有りかな?と許容できる範囲内
でした。ただ、どうせならもっと「別物」に徹してほしかったです。中途半端に
原作を引きずって、皆実のモノローグをそのまま挿入したため、実際の展開
と噛み合わなくて興ざめしてしまいました。
『桜の国』のほうは、原作にさほど思い入れが無かった分、素直に観れました。
現代劇としては、まあ及第点でしょう。ヒロイン・石川七波役の田中麗奈も、
私好みではないけど頑張ってました。でも本格女優の割に、演技に幅が無い
というか、素人っぽかったです。途中から木村拓哉を見てる気がしました。
(そういう演出だったのかも知れませんが。)
七波の父・旭役の堺正章は原作とは若干イメージが違いましたが、いかにも
という演技でした。できればもう少しセリフを喋ってほしかった。祖母フジミ役の
藤村志保は落ち着いて見られました。ただ『夕凪の街』での若い頃の場面は
かなり無理がありましたが。
無理といえば、子役や若い頃の役と年を取ってからの役のギャップの大きさも
もう少し考えてほしかったですね。
東子役の中越典子は、私には外れでした。典型的な「現代の若者」のテイスト
は出てましたが、作品にはミスマッチと感じました。田中麗奈に負けず劣らず
「素の演技」でしたし。このキャラなら、ラブホテルでプリプリの「Diamonds」が
流れるのも致し方ないのかな。
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