Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

ペンテコステ

2005年05月15日 23時19分21秒 | キリスト教
耳慣れない言葉ですが、ギリシャ語で「50番目」を意味する
言葉だそうです。
旧約聖書に書かれたモーセによるエジプト脱出を起源とする
イスラエルの「過越祭」の安息日の翌日から50日目に、
収穫祭が持たれておりまして、元々は「七週祭」という名称
(ヘブライ語)でしたが、中東一帯にギリシャ語が広まると
「ペンテコステ(五旬祭)」と呼ばれるようになりました。
イエスの死と復活の後、このペンテコステの日に「聖霊」が
使徒たちに降った、という記事が新約聖書の「使徒言行録」
の冒頭に記されており、「聖霊降臨日」としてキリスト教会
では祝われるようになりました。
今日がそのペンテコステの記念礼拝でした。
といっても、「5月15日」というわけではありません。
「過越祭」の安息日の翌日というのは、イエスが復活した日
「イースター」に当たるのですが、現在でも太陰暦の一種である
ユダヤ暦に従って日付が定められています。簡単に言えば、
春分の後の最初の満月の後の最初の日曜日です。それから
50日目(序数なので、49日後、すなわち7週間後)の日曜日が
ペンテコステということになります。

使徒たちが「聖霊」に満たされて宣教を開始したこの日が、
言ってみればキリスト教会の誕生日、創立記念日です。
クリスマス、イースターと並ぶ、キリスト教の三大イベント
であっていいはずなんですけど、教会内でも結構地味な扱いを
受けている気がします。たぶんクリスチャンでない方は、
聞いたこともないでしょう。
まあ、キリスト教会は「キリストの教会」であって、
キリストについて語られる、キリストを第一とする所ですから
クリスマスやイースターのほうがメジャーなのは致し方ない
としても、教会の歴史・伝統を大切にするならペンテコステも
もっと大きく扱われてもいいのではないかと思ってしまいます。
(誕生日を祝わない「エホバの証人」ならともかく)
年に一度「聖霊」についての説教が語られる日、というのでは
ちょっと淋しすぎます。
(いつもいつも「聖霊」が強調されるのもまた問題ですが)

話は変わりますが、この「聖霊に満たされる」状態を重んじる
クリスチャンのグループを「ペンテコステ派」と呼んでいます。
ただ、そういうカテゴリーって、結構アバウトなんですよね。
ペンテコステ派=カルト教団みたいなことを言う人もいますが、
いろんなタイプの教会があって、そんな風にひとまとめにして
言い切れるものではありません。ごくまれに、極端な主張を
したりトラブルを起こすグループも無くはないですが、多くの
教会は聖書の教えから外れてはいませんし。
それに、前回の「カルトについて」の中でも書いたように、
そうしたグループのある種の思想や行動だけが問題なのではなく、
私たちの日常生活の中にもカルト的要素は潜んでいるものです。
重要なのはそれを自覚し、自分でコントロールすることなのです。