Naked Heart

その時々の関心事をざっくばらんに語ります

靖国問題の本質 その1

2005年05月20日 23時53分40秒 | 時事・社会
まず押さえておかなければならないことは、靖国神社は初めから
政治的目的をもって作られたものである、ということです。
1869年(明治2年)創建の「東京招魂社」(靖国の前身)は、
戊辰戦争の政府軍側の戦死者の慰霊のためにつくられました。
その後、幕末の志士や明治以降の内乱・戦争・事変での戦死者
などが合祀されて、現在に至っています。
人を祭神としている神社は数多くありますが、英雄や偉人、
死後「祟り神」となった人ばかりでなく一兵卒まで祀るのは、
靖国・護国神社以外にありません。
戦前の靖国は「別格官弊社」とされていましたが、この言葉は
「勤皇志士、顕著な功績のあった人臣を祭神とする神社の社格」
という意味だとされています。大した戦果は挙げなくても、
国のために戦って死ねば「顕著な功績」になるのでしょうか。
私にはちょっと理解できませんが。それとも戦前の軍隊は
「天皇のため」に戦ったから「勤皇志士」に含むのでしょうか。
だとすると、今後の「戦死者」は合祀されないんですかね。
神道の形式を取り入れてはいますが、ルーツから言っても
内実を見ても、靖国・護国神社は一般の神社とは別物と考える
のが自然だと思います。

よく問題になるA級戦犯ですが、戦争裁判受刑者については
法務死(「犯罪者」とはみなされていない)として、戦死者に
準じるものとして扱われているそうです。
中国や韓国からの非難の可否はともかく、大抵の日本人は
先の戦争の責任は東条英機に、あるいは軍部首脳にあると
思ってるはずなんですけどね。自分たちで責任をとらないで
(とらせないで)おいて、他人の口出しにだけ文句を言うのが
大人の対応なのでしょうか。
中国や韓国にも問題や負の歴史はあるじゃないか、という声も
聞きますが、だから日本も許されるというわけではないでしょう。
他国に先んじる立派な国でないと「誇り」なんて持てませんね。