「日本の伝統食文化を子どもたちに」というスローガンの下、
学校給食に鯨肉を復活させる動きが全国的に広がっている
ようです。
共同通信の2月14日配信記事は、以下のようなものでした。
広がる鯨肉給食 伝統食の味を子供らに
商業捕鯨の停止で約20年前に、学校給食からほぼ姿を消し
た鯨肉を復活させる動きが各地で広がりをみせている。
古式捕鯨発祥の太地町のある和歌山県教育委員会の呼び
掛けに応じ、他の都府県が取り扱いを始めた。試行段階の所
も多いが、教育関係者は「かつてはありふれた食材だった鯨肉
を通じて、日本の伝統的な食文化を知ってもらいたい」と期待を
寄せている。
昨年1月から、県内の小・中学校で鯨肉給食を始めた和歌山
県教委は、鯨肉をほかの自治体にも広めたいと、東京都内で
試食会を開く一方、各都道府県の学校給食会に鯨肉を扱うよう
要請。昨年後半から奈良などの学校で給食に出され始めた。
私も子どもの頃は食べてました。
3年くらい前に近所のスーパーで鯨カツを売ってたので懐かしく
なって買って食べましたが、そんなにおいしくなかったです。
好みの変化か、他においしいものを知ってしまったからか・・・。
ところで、この鯨肉復活の動き、裏には複雑な事情もありそう
です。2月10日にはこんな記事がありました。
鯨肉の在庫、調査捕鯨拡大で増加 水産庁が消費拡大に
鯨肉の国内在庫が急増している。調査捕鯨の頭数を拡大して
供給が増加する一方で、消費が伸び悩んでいるためだ。反捕鯨
国から調査捕鯨の撤廃・縮小を求められるきっかけになりかね
ないだけに、水産庁は「鯨肉を食べたい消費者は多い。売り方
を改善すれば在庫はすぐにはけるはず」と、鯨肉の消費拡大に
乗り出した。
調査捕鯨は、水産庁から委託を受けた日本鯨類研究所が87年
から始めた。捕獲した鯨肉は販売され、その収益が調査費用に
充てられている。
農水省の統計によると、05年末の鯨肉の在庫量は3511トン。
98年には600トン台まで落ち込んだが、その後、北西太平洋での
調査捕鯨を拡大したことなどから05年8月末の在庫量は4800トン
まで増加。05年度からは南極海での捕鯨頭数も大幅に増やす
計画で、在庫はさらに積み上がる公算が大きい。
水産庁によると、鯨肉の供給量はほかの水産物に比べると
少ないため、まとまった量の食品しか扱わない大手スーパーで
売りにくいという。「中小や零細の業者に流通経路が限られてきた
ことが消費が増えない理由」(遠洋課)との反省から、今後は新た
な販路開拓に力を入れ、鯨肉価格の値下げも進める。
もともと鯨油を採るためだけに鯨を乱獲したのは欧米諸国です。
「捨てるところが無い」ほど鯨を大事にしていた日本の伝統は、
もっとPRすべきでしょう。(中古家電を捨てざるを得ないPSE法
などを強行してるようでは説得力ありませんが。)
とはいえ、戦後の食糧難を切り抜けた後も日本が獲り過ぎたのも
事実。南氷洋まで行くことへの批判や捕鯨方法が「残酷」と誤解
を招いている面もあります。牛を食べてる人に言われたくない、と
いう気持ちもありますが、「ミニ鯨の養殖」なんてのも本気で検討
したほうがいいのかもね。
それより、海洋汚染の影響を受けた鯨肉は危険、との指摘のほう
が心配です。海の生態系の頂点に位置する巨大生物ですから、
有害物質が生態濃縮されてる可能性は高いわけです。
将来を担う子どもたちの食べ物は、大人の意地や思い入れとか、
経済原理は抜きにして、安全第一でいってほしいものです。
学校給食に鯨肉を復活させる動きが全国的に広がっている
ようです。
共同通信の2月14日配信記事は、以下のようなものでした。
広がる鯨肉給食 伝統食の味を子供らに
商業捕鯨の停止で約20年前に、学校給食からほぼ姿を消し
た鯨肉を復活させる動きが各地で広がりをみせている。
古式捕鯨発祥の太地町のある和歌山県教育委員会の呼び
掛けに応じ、他の都府県が取り扱いを始めた。試行段階の所
も多いが、教育関係者は「かつてはありふれた食材だった鯨肉
を通じて、日本の伝統的な食文化を知ってもらいたい」と期待を
寄せている。
昨年1月から、県内の小・中学校で鯨肉給食を始めた和歌山
県教委は、鯨肉をほかの自治体にも広めたいと、東京都内で
試食会を開く一方、各都道府県の学校給食会に鯨肉を扱うよう
要請。昨年後半から奈良などの学校で給食に出され始めた。
私も子どもの頃は食べてました。
3年くらい前に近所のスーパーで鯨カツを売ってたので懐かしく
なって買って食べましたが、そんなにおいしくなかったです。
好みの変化か、他においしいものを知ってしまったからか・・・。
ところで、この鯨肉復活の動き、裏には複雑な事情もありそう
です。2月10日にはこんな記事がありました。
鯨肉の在庫、調査捕鯨拡大で増加 水産庁が消費拡大に
鯨肉の国内在庫が急増している。調査捕鯨の頭数を拡大して
供給が増加する一方で、消費が伸び悩んでいるためだ。反捕鯨
国から調査捕鯨の撤廃・縮小を求められるきっかけになりかね
ないだけに、水産庁は「鯨肉を食べたい消費者は多い。売り方
を改善すれば在庫はすぐにはけるはず」と、鯨肉の消費拡大に
乗り出した。
調査捕鯨は、水産庁から委託を受けた日本鯨類研究所が87年
から始めた。捕獲した鯨肉は販売され、その収益が調査費用に
充てられている。
農水省の統計によると、05年末の鯨肉の在庫量は3511トン。
98年には600トン台まで落ち込んだが、その後、北西太平洋での
調査捕鯨を拡大したことなどから05年8月末の在庫量は4800トン
まで増加。05年度からは南極海での捕鯨頭数も大幅に増やす
計画で、在庫はさらに積み上がる公算が大きい。
水産庁によると、鯨肉の供給量はほかの水産物に比べると
少ないため、まとまった量の食品しか扱わない大手スーパーで
売りにくいという。「中小や零細の業者に流通経路が限られてきた
ことが消費が増えない理由」(遠洋課)との反省から、今後は新た
な販路開拓に力を入れ、鯨肉価格の値下げも進める。
もともと鯨油を採るためだけに鯨を乱獲したのは欧米諸国です。
「捨てるところが無い」ほど鯨を大事にしていた日本の伝統は、
もっとPRすべきでしょう。(中古家電を捨てざるを得ないPSE法
などを強行してるようでは説得力ありませんが。)
とはいえ、戦後の食糧難を切り抜けた後も日本が獲り過ぎたのも
事実。南氷洋まで行くことへの批判や捕鯨方法が「残酷」と誤解
を招いている面もあります。牛を食べてる人に言われたくない、と
いう気持ちもありますが、「ミニ鯨の養殖」なんてのも本気で検討
したほうがいいのかもね。
それより、海洋汚染の影響を受けた鯨肉は危険、との指摘のほう
が心配です。海の生態系の頂点に位置する巨大生物ですから、
有害物質が生態濃縮されてる可能性は高いわけです。
将来を担う子どもたちの食べ物は、大人の意地や思い入れとか、
経済原理は抜きにして、安全第一でいってほしいものです。