このところ宮部みゆき氏の作品に完全に、はまってしまった。『悲嘆の門』、『英雄の書』と続き、『ブレイブ・ストーリー』まで、読破した。いずれもSFファンタジーものだ。これらの話を奥様にしたら、奥様曰く、私は「宮部みゆきは時代劇物の方がおもしろい」と一蹴された。
ウーン、時代劇物はTVでみるのは好きだが、小説では殆ど読んだ事がない。さて、どうしよか?と思いながら宮部みゆき氏の作品を調べると確かに時代劇物が多い。
と言う事で、比較的ボリュームの少なさそうな作品を選んで読む事にした。そして選んだのが、文庫本サイズと言う事で、『孤宿の人』だった。しかし読み始めて少し後悔した。文庫本サイズだが、この小説がこれまた長い。そしてシンドイ作品だった。
この作品のタイトルに使われている孤宿と単語の意味が気になり調べると氏の造語との事(『対談 作家宮部みゆき(さぬき野 2006 春)』)
”ひとりぼっち”というような意味が込められていると考えていただければと思います。もちろん、登場人物の加賀様と”ほう”という女の子のことです。 |
さて、時代劇物、いや歴史物と言うべきか?始めて氏の作品を読んだが、これがまたおもしろかった。シンドイ作品ではあったが、なかなか面白い作品だと思った。
なぜシンドイと思ったか?いやシンドイと言うより、登場人物がドンドン死んでしまうからだろう。しかも主人公の少女ほうに関係する人たちが、それこそドンドンと。それこそ最期は、・・・まで。だからこのタイトルがついているのだろうと思うのだが・・・。
 | 書 籍:『孤宿の人 上』 著 者:宮部みゆき 発行日:2008年5月25日初版 発行所:新人物往来社 価 格:880円(税別) 縦2段組み347ページ |
それは海うさぎとともにやってきた。 江戸から金毘羅代参で讃岐国を訪れた九歳の少女ほうは、丸海の港で置き去りにされ、たった一人見知らぬ土地に取り残される。幸い、丸海藩の藩医・井上舷洲宅に奉公人として住み込むことになった。そして半年ー、この丸海の地に幕府の罪人・加賀殿が流されてくることに。海うさぎが飛ぶ夏の嵐の日、加賀殿の所業をなぞるかのように不可解な毒死や怪異が井上家と丸海藩を襲う……。 | 新人物ノベルス 第一弾! 何度も泣きました。 少女ほうの健気さに…。 女優 竹下景子 宮部ワールドの最高傑作、装い新たに登場! 著者の言葉 自分を阿呆だと思っていた子が名前をもらい、生きる目的をもらい、生きていく技術をもらい、言葉を得ることで世間に居場所をつくっていく。 この物語は、幕府からの命令をなんとか遂行しなければならない小藩の苦渋も、藩のお家騒動も描いていますが、ほうという一人の少女の成長小説にしたかったのです。 |
 | 書 籍:『孤宿の人 下』 著 者:宮部みゆき 発行日:2008年5月25日初版 発行所:新人物往来社 価 格:880円(税別) 縦2段組み353ページ |
その男は”悪霊”とおそれられた。 井上家を出て、引手見習いの宇佐の世話になっていたほうは、舷洲の斡旋によって加賀殿が幽閉されている涸滝屋敷に下女として住み込む。二十日あまり過ぎたある夜、涸滝屋敷に曲者が侵入、逃げ込んだ部屋で、ほうは加賀殿とはじめて顔を合わせる。そして、ほうは加賀殿の部屋へ手習いに通うようになる。丸海藩の内紛が起こるなか、”悪霊”と恐れられた男と無垢な少女との魂のふれあいが……。 | 新人物ノベルス 第一弾! 新境地を拓く時代ミステリーの金字塔! あまりに哀しく切ない結末。 清冽な魂のふれあいを描く感動大作。
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