父親の使命感

深夜、熟睡していた私に突然大きな叫び声がした。
「火事だぁ！！」
はっと目を覚ますと、静かな町中にぞっとするようなサイレンが響く。
そして、出火現場を放送した。深夜の火事ほどぞっと来るような
鳥肌が立つ怖さがして私はなかなか起きあがれないが、父親は
それに慣れていてサイレンの音と同時に飛び起きられる習慣を
持っている。
火事の現場は父親の友人宅で父親は慌てて着替えて寒いなか
様子を見に出かけていった。

私の父親は、数年前まで消防団にはっいていて、その事からか
音に対して人並み以上の敏感さを持っている。
私が子供の頃からちょっとした音でも、すぐにテレビの音を
消音にしたり電源を切ったりと、テレビを見ている側からはた迷惑
なところもあった。でも、それだけその使命に真剣だったからそのような
ことをしたのだろうと、今思っている。消防団を退団している身であっても
緊急事態が起こると自然と体が動いてしまうのは、その仕事に対して自分
の使命感がまだどこかで残っているのであろうか。
こうゆう父親の姿を私自身、見習いたいと思っている。