
明治座にかかっていたミュージカル
『屋根の上のバイオリン弾き』を観る機会がありました。
かれこれ、半世紀前にブロードウェイで上演され、その後映画化されて『サンライズサンセット』という挿入歌が日本でも大ヒットしました。深夜放送ラジオのリクエストには必ずオンエアされたほど。
しかし、私は曲は知っていても実際に作品に触れる機会はありませんでした。
日本での舞台公演は1967年!!帝国劇場で。
以来57年もの長きにわたるロングランだそうです。主役は初演から19年務めた

実は妹が、学生時代に演劇鑑賞という校外学習で一度この公演を見に来たことがあるらしいのです。その当時はまだ森繁久彌さんが主人公をで曲のテンポも歌詞も微妙に記憶と違っているとのこと。
おそらく時代に合わせて演出や言葉など変わっていったのだと思います。
で、肝心の内容はというと、当時の妹は途中居眠りをしたりでほとんど覚えていなくて……とニヤニヤ。
確かに内容はとても深くて重いものがあり、中高生にはちょっと難しい?かも。
けれど今はこの年齢になったからこそわかる部分もあり、同時に学生時代だったからこそ感動した部分もあったのは確か。
設定や演出はその時代によって変化します。普遍的なテーマを伝えるために上演されるたびに舞台も成長していくのでしょう。
(例えば主人公の一家が故郷を追われ旅立つ先ですが、この舞台ではアメリカ合衆国となっています。発表当初はイスラエルに帰還するという設定でした)
歌詞もタイトルも同じく。
初めて私が曲を聴いたときは『サンライズ・サンセット』と原文そのままでしたが、今回では『陽はのぼり.陽は沈む』と日本語訳になっていました。
初めて知った本編。
とても理不尽な理由で、本来ならごく当たり前に進むそれぞれの人生が、試練に満ちたものになる。ひとりひとりは皆善意の人なのに、向き合おうとすれば対立し、憎み合うことになる。何が正しいのか幸せなのか、誰にも答えは分からないままひと筋の希望を残して幕が降ります。4時間の長編でしたが、息つく間も無く見入っていました。プロジェクションマッピングを使わないでみせる舞台の作りもこのお話にはピッタリで、あの舞台の奥に別の世界が広がる面白さ。
この日もかつての妹たちのような学生さんのグループが観劇に参加していました。この学生たちが社会人になり大切な人ができ、人の親になりした時に、また見てもらいたい。今はなんだかよく分からなかったことも、興味を持ったことも心のどこかに留め置いてもらいたいなあ。
それにしても市川正親さんも鳳蘭さんも朗々たる歌声にしなやかな身のこなし。
いかに研鑽を積まれてきたかと頭が下がります。デュエットが圧巻で泣きそうになっちゃった。何度も何度もアンコールに答えてくださった出演者の皆さんが素敵でした。ありがとうございます。ロングランがる続くことも大事ですが、こうして名作に触れることが普通にできる世界であってほしいな、と思います。

ところで明治座の座席に

エアウィーブのクッションが!!
これ実は私も愛用してまして。あまりに座骨神経痛がひどくて、もういっそヘミングウェィのように立って描いたろうか!!!って考えていた時に勧められました。
マジ。神。です。
今回の観劇4時間もとても楽に過ごせました。明治座グッジョブ!
もろもろ
本日が明治座公演千秋楽だったので、カキコ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます