愛犬耳袋

 コーギー犬・アーサーとの生活と喜怒哀楽

アクセスに媚びてみる

2006年09月07日 | 仔猫

モテモテ妹猫の回でかわいい写真を多用したところ、思いのほか評判が良かったので、二匹目の土壌を狙ってみる。
かわいい写真を取らせてくださいよ、といかがわしいカメラマンのように、そろそろと猫部屋に入ると、猫ベッドでくつろぎ中。

「いいよいいよ~」



「かわいいねー」



「おっ、それイタダキ」



こちらも気分が乗って来て怪しさ爆発の声をかけていたら、傍観していた兄猫が突如とびかかり、二の腕を甘噛みしてきた。



「そこ!勝手に撮らないでよ! そういうことは、事務所通してもらわないと!」
と言っていたかどうか定かではないが、兄猫はアイドルに張り付く敏腕マネージャーのようだった。


はいはい。一緒に撮りましょう。これならいいですか?


「兄ちゃん、噛んじゃダメッ」

Danced excrement

2006年09月07日 | 仔猫

尾籠な話になるので、その手のネタが苦手な方はご容赦を。

 仔猫のトイレは、保護してすぐはペットシーツを敷き、粗相をすると取り替える方式だったが、早めに砂を入れた方がいいというアドバイスを受けて、保護1週間後ぐらいから、目の細かいトイレ砂をケースの中に入れてやった。
 その時のトイレは、ケースの大きさや仔猫の体格を考えて、ビデオテープのケースを改造したもの。
 えらいもので、砂の感触を確かめると、仔猫たちはすぐにそこで排泄し、以来粗相は無い。さすがに猫は犬と違ってトイレの躾は楽だと感心したものだった。
 その後2匹がメキメキ成長し、ケースから部屋の中に出してやるようになった頃、トイレもサイズアップ。今も使っている、せんべいの缶になった。
 最初はちょっと大きいかな、と思ったが、仔猫たちはここでもアッサリとトイレを認識し、2匹仲良く順番にそこを使うようになった。
 
 ところが、である。繰り返すが仔猫の成長は早い。それゆえの悲劇が起こった。
 数日前のことである。いつものように晩ごはんの後、しばらくしてトイレの掃除に猫部屋を訪れると、ドアを開けるやいなや、鼻を突く異臭。足元を見るとトイレ砂にまみれた茶色いチョコボールのような物体がいくつも転がっており、トイレ回りは砂の山。さらには茶色いシミがクロスカーペットに点々とついているのである。
 この凄まじい状況の中、激しく鳴いて何かを訴える仔猫たち。
 どうやら、仔猫たちは排泄後のブツに砂をかけたはいいが、予想を上回るキック力で勢い余って蹴り出してしまった模様。
 臭いものが飛び出し、パニックになった仔猫たちは必死に砂をかけようとその辺りを動き回り、踏みつけてあちこちに転写し、さらに走り回ったと考えられる。
 とりあえず、転がったブツを回収し、仔猫の足についたブツを拭き、汚れたクロスカーペットを取り替え、トイレ用スプレー消臭剤を吹き、夜の大パニックは収拾したのであった。
そろそろせんべい缶も限界が来ているらしい。フチの高いネコトイレを買ってこようか、フード付きがいいか、などと考えながら、ペットメーカーのサイトなどを見るようになった。
 これが数日前の話である。

 そして今日、二度目の悲劇が起こった。仔猫たちの名誉の為に先に言っておくと、今度の犯人は愛犬である。
 今日は雨時々曇りという天気だった。雨の合間を縫って愛犬を夕方の散歩に連れ出す。
 いつもの河川敷を、今日は反対側を歩いてみようと、湿った土手を歩いていた。微妙な天気なので、いつもの散歩仲間も犬友達も、誰一人すれ違う人もいない。それなりの開放感を感じながら、ボーッとしていたのが悪かった。
 愛犬が草深い茂みに入っていき、不意に体が見えなくなった。いつもならすぐ引き出すところだが、変な開放感で
「おいでー」
とゆっくり声をかけるにとどまった。しかし出てこない。おかしいな、と思って引っ張ったところ、茂みから出て来た愛犬は、白い胸の飾り毛をまっ茶色に染め、強烈な匂いをまとった別の犬に成り果てていた。
 どうやら、茂みに放置され、雨でゆるゆるになった他の犬のウンチを、首やら体やらにすりつけて嬉々としていたらしい。一説には、こうしたクサい匂いは犬にとっては、強いオスの匂いに似ているらしく、オスはまといたくなると言う。
 たしかに、適度な湿り気を帯びた茶色い愛犬は、すさまじく強い存在感を放っていた。もちろん匂いで。
 あわてて近くの公園にひきずり、水道で洗い流す。汚れた水がドバドバ愛犬の体の上を流れていく。白い毛に茶色い水が映える、映える。コンチクショー。
 ひとしきり流し終わると、攻撃的な匂いはやや薄まったものの、こんどは醗酵したような匂いがどうにも取れない。例えて言えば歯槽膿漏のような、歯周病っぽい匂い。離れて立っても風下になれば、バッチリ匂う。ヴァー。
 こうなったからには、一刻も早く家に帰り着き、シャンプーするしかない。それからビクビクものの家路が始まった。
 愛犬はとにかく人懐っこい性格で、近所の人や犬によっていき、お尻を振って挨拶し、ときには飛びついて頭のひとつもなでてもらいたがるのだ。それをこんな状況下でやってしまったら最後、私も愛犬も、ご近所の犬社会から抹殺されてしまう。
 歯槽膿漏臭い犬をつれ、時に小走りに、建物の影に隠れながら、ようやく自宅にたどり着いた。
 が、ここでも問題が。我が家はマンションの最上階なのである。
 エレベーターで他の住人とご一緒になどなってしまったら……。それこそマンションの中で村八分になりかねない。それよか「マナー違反の飼い方をする飼い主」とかなんとか吊るし上げられ、ペット不可になってしまったらどうしよう。
 それから歯槽膿漏臭い犬と、微妙に距離をとりながら、建物一階でエレベーターが空くのを待ち、ようやく一人と一匹で乗れるというタイミングで駆け込んだ。
 エレベーターの中はクーラーが強めに聞いていて、風を感じるほど。だが、愛犬の匂いはそれに勝っていた。階数が上がるに従い上がる臭気濃度。我慢限界。
 ようやく目指すフロアにつくと、愛犬はほったらかしにして部屋にかけこみ、スプレー消臭剤をとって戻る。運良くまだエレベーターはそこにあり、再度ドアを開けスプレーを吹き捲くって残り香を消し、想定外のアドベンチャーは終わった。

 その後、愛犬を風呂にぶち込み、半泣きで全身を洗った。
なんで喜んでるんだよ!


泡立てる端から泡が死んでいくという凄まじい汚れと格闘する背後で、異臭をいぶかしんだ仔猫たちが、難しい顔でリードに鼻を近づけていた。