愛犬耳袋

 コーギー犬・アーサーとの生活と喜怒哀楽

里親さんについて

2006年09月15日 | 仔猫


「オッス! オラ悟空」
 違います。
 

 さて、兄猫の鼻ホクロは若干薄くなって顔の真ん中に鎮座している。どうやら一時的なものだったらしい。きっとじゃれている間に擦ったか打ったかしたのだろう。
 もしかしたら消えないかもしれないと危ぶんだ昨晩、里親さんにその旨謝罪すると、気にしていませんとの暖かいお返事。そればかりか、
「ブチがホクロになって出てきた!」
 と、たいそう喜んでくださった。
 ブチというのは、里親さんがかつて15年間共に暮らした愛猫の名である。写真を拝見するとその名の通り、顔の真ん中、ちょうど鼻のあたりに大きな黒いブチがあった。一度みたら忘れられない個性的ないい顔立ちだった。
 兄猫のホクロはブチ君の立派なブチには遠く及ばない小さなものだが、あの世から
「オマエ、オレの代わりにうちに来い」
 と鼻先を叩いた、認め印だと思えてきた(もしくはヤキモチ焼いての「一発殴らせろ」だったかもしれない)。
 いよいよお迎えの日まで、あと2日である。

 ここで里親さんについてご紹介させていただきたい。
 仔猫たちをお引き受けいただく方は、神奈川県在住のご一家である。遠距離のお渡しになる。
 仔猫の負担を承知でこの方にお願いしたのには訳がある。

 里親さんはブチ君を亡くして間もないある日、その痛みを抱えたまま、あちこちのサイトを見ていて、このブログにたどり着かれた。
 最初はなんとなく読みすすんでいたが、次第に2匹を新しい家族として受け入れたいと思うようになったと言う。
 それというのも、ブチ君には先に亡くなった妹猫チョビがいたのである。共に愛護協会からひきとり、家族以上の絆で共に過ごした2匹だったそうだ。
 そうした経緯もあり、保護の経緯や兄妹猫の性格など、隅から隅まで読まれた上で、ぜひこの2匹を共に迎えたい、と言ってくださったのである。

 里親募集をはじめた時、この方を含めて何人かの方からお問い合わせを頂いた。
 オスがいいメスがいい、という御希望の方々の中で、いきさつを含めてこの2匹だから引き取りたい、大阪まで迎えにいくと言ってくださった方は、この里親さんだけであった。
 そんな方なら、仔猫の為にこちらからお願いしたいと、約一ヶ月の間、毎日のようにメールで連絡を取り合ってきた。

 2匹の兄妹がブチとチョビを思い出させる事。
 ブチの死という悲しみの中で、子猫たちの成長記録を支えにしている事。
 長い生涯を共にする仔猫たちと、一刻も早く会いたい事。
 どのメールも、心温まるものばかりだった。
 一度は捨てられた仔猫たちが、この世に産まれて来た意味があったと思える内容だった。
 そして不安と迷いの中で里親を探して来た私自身、頂くメールにどれほど救われたか分からなかった。

 気になったのは、大阪-神奈川の移動距離の長さである。これは獣医の先生にも相談の上、新幹線を使うことで決定。仔猫にとってはこれでも長時間だが、揺れを考えると自動車や在来線よりも新幹線の方が刺激が少ない。成長し体調が良好なら大丈夫とのことだった。

 当の仔猫たちは元気である。そりゃーもう、悪魔のように。
 お尻にウンチつけて走り回る兄猫。押さえてティッシュで拭こうとしたら、ティッシュのヒラヒラに目の色変えて、2匹もろともに飛びついてくる。ティッシュは左右に引っ張られてビリビリだ。大岡裁きの二人の母か。アンタらは。



 

 妹猫もやってくれた。トイレの粗相はしない子たちだったが、フカフカのお尻の感触には負けたらしい。愛犬の寝床の布団で1回。そして畳もうと積んであった洗濯物の上で1回。乾いたはずの服が妙にシオシオしてておかしいと思った。
 愛犬は寝床を汚されても、相変わらず妹は好きだ。というか、むしろ獣としてそれぐらいの匂いがある方が、ますます愛情が増すようである。今日も執拗にお尻を追いかけるところを見てしまった。