愛犬耳袋

 コーギー犬・アーサーとの生活と喜怒哀楽

一夜明けて

2006年09月18日 | 愛犬の日常




 仔猫たちの旅立ちから一夜明けて、我が家では晴れ晴れとした脱力感のようなものが漂っている。きっと教え子が卒業した翌日の教師がこんな感じだろう。
 もっとも我が家の場合、その理由の半分は、夕べの祝杯が影響しているのだと思うが。

 夕べのブログをアップしようかという頃、仔猫の飼い主さんからお電話が入った。
「無事、到着しました」
 のご報告だ。
 しかもうれしい報告は続く。長時間の移動ということで、予想していた仔猫のニャーニャーという鳴き声は、
「新幹線ではほとんど鳴きませんでした」
 とのこと。私が動物病院に連れていった時の、鳴いて騒いで飛び出した様子と、なんという違いだろう。
 さらに予想されたキャリー内での粗相についても
「オシッコもウンチもしませんでした。うちに着いてからサリーはトイレでちゃんとしました」
 まったく、私の時と(以下略)。
 こういう対応ひとつひとつを伺っても、自分の育て方の粗忽さを感じると共に、本当の飼い主はどちらであるか、改めて見せていただいた気がする。

 仔猫たちは約3時間の移動を問題なく乗り切り、飼い主さん宅に到着すると、早くも2匹で走り回り、じゃれあって元気に遊び始めたそうだ。大好きな猫じゃらしは、置いておくだけで自分で遊び始めたというから、その元気っぷりは想像以上。
 この報告を聞いて、やっと仔猫の保護活動が完了した思いである。
 仔猫たちは我が家で世話をするより、遥かに安全で幸せな生活が約束されている。





 さて2匹を送り出した後、仔猫の遊び仲間であった、我が愛犬アーサー。
 仔猫がキャリーに入れられ、共にエレベーターに乗り、車中に消えるところまで見届けたせいか、昨夜は猫部屋に仔猫を探しにいくことはなかった。

 しかし一夜明けた今朝、アーサーはいつもの日課である猫部屋参りを始めた。
 毎朝、アーサーに餌をやり、そのスキに猫部屋に入って猫の朝食やトイレの世話をしていたのだが、時折その餌のおこぼれを狙って、アーサーが乱入していたのである。
 猫の餌は犬には問題が多いので、こちらもすぐに下げておくのだが、それならそれで猫砂をボリボリと食べ始めるからたまらない。我が家ではトイレ砂は人工的な檜の香りがついた、トイレに流せる木製のものを使用していた。そのボリボリ感と唾液でふやける感覚がたまらないのか、一度など目を離した隙に思いっきりモリモリとかっこんでしまい、終日、息が嘘くさい檜の香りになったこともあった。エチケットガムか。
 そんなわけで、朝になると入りたがる猫部屋だが、今朝はドアも開け放たれ、明かりは消えたまま。様子の違う部屋にそろりと足を踏み入れたアーサーは、床の匂いをグルリと一周かいで回ると、ちょっと情けない顔をしてこっちを見上げた。
「にゃんこは飼い主さんのところへいっちゃったよ。昨日見送ったでしょう」
 そう言ってはみたものの、アーサーはなんだか釈然としないのか、しばし猫部屋の敷居際でぼんやりと伏せていた。

 とかなんとか雰囲気のあることを書いたが、すぐに飽きていつものアーサーに戻っていた。
 今も仰向けのおヘソ丸だしで、飼い主さんからお土産に頂いたオモチャを噛み噛みしていたところである。
 飼い主さん、どうぞ御心配なく。アーサーも我々も元気に、楽しくやっています。