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アルヴァ・アアルト もうひとつの自然

2019年02月27日 | アート

東京ステーションギャラリーで開催中の「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」展を見に行きました。

昨年秋に、葉山で開催されていた時から気になっていた本展。その後、東京に巡回すると知って楽しみにしていました。フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトの生誕120年を記念して世界5か国で開催される巡回展で、日本では20年ぶりに開かれる個展です。

アアルトといえば、日本では家具や照明、ガラス器などでおなじみですが、肝心の建築に関しては、多くがフィンランドにあるために、なかなか見る機会がありません。本展では、写真、設計図、模型、映像など、さまざまな資料をもとに、アアルトの建築家としての足跡をたどることができました。

また、アアルトが建築に合わせてデザインした、アームチェアやスツール、照明器具なども展示されています。これらの製品は、おそらく誰もがどこかで見たことのあるおなじみのデザインですが、半世紀以上経た今もなお、多くの人々に支持され、生産が続けられているのはすごいことだと思います。

アアルトのデザインは機能的でシンプルですが、それらはフィンランドの豊かな自然の中にある有機的なフォルムを取り入れているのだそうです。自然界にあるものはすべて、その色や形に道理があるからなのでしょうね。アアルトのデザインに安らぎを覚えるのも、自然との調和があるからかもしれません。

ヴィーブリ(ヴィーボルク)の図書館 ロシア 1927-35

バイミオのサナトリウム フィンランド 1928-33

バイミオのサナトリウム フィンランド 1928‐33

ステーションギャラリーの八角形の小部屋に、病室の再現展示がありました。白とミントグリーンで統一された、清潔でシンプルな空間でした。

ルイ・カレ邸 フランス 1956-59

フィンランディア・ホール フィンランド 1962-71

ニューヨーク万博フィンランド館 1939

サヴォイ・ベース(アアルトの代表的な花瓶)を思わせる曲線ですが、オーロラをイメージしているそうです。

家具や日用品の展示室。ティ・トローリーやアームチェアなど。合板を曲げる過程を紹介する映像もありました。

サヴォイ・ベースを作る過程も映像で紹介されていました。ふくらませた柔らかいガラスを型に入れて作っていました。写真は1937年頃使われていた木製の型。

展示室を出たところには、アアルトが設立したインテリアブランドArtekさんの展示コーナーも。ステーションギャラリーの赤レンガの壁によくマッチして、プライベートな空間のようですね。


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6 コメント

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北欧デザイン (ノルウェーまだ~む)
2019-02-27 23:52:59
セレンさん☆
シンプルで機能的で、そして合理的なデザインですよね。それなのにどこか温かみを感じるというのが不思議です。
特に白とミントグリーンのサナトリウムなんて、寒い地域で余計に寒々しく思えるはずなのに、全くそう感じないのは、曲線を使ったクローゼット?や勿論室内が快適に暖かいからなのかも~~

あの有名なガラス器ってアアルトだったのですね!?万博の建築物と似たフォルムはなるほど!!オーロラだったとは!!
北欧デザイン (ごみつ)
2019-02-28 00:56:18
こんばんは。

アアルト展、東京駅のステーションギャラリーで開催されてるんですね!灯台下暗しで、知らなかった~。(*'ω'*)

建築展はどうしても、設計図や模型中心になるので通好みな展覧会になりますけど、好きな建築家さんの作品はとても楽しいです。
家具とか調度品は現物も観れるのも嬉しいですよね。

アアルトが一番のビッグネームですが、私、北欧の建築家ではスウェーデンのアスプルンドが好きなんです。
森の火葬場や森の礼拝堂は一生に一度で良いから訪れてみたいです。
☆ ノルウェーまだ~むさま ☆ (セレンディピティ)
2019-02-28 10:20:01
まだ~むさん、こんにちは。
機能的、合理的なのに、温かみを感じる... ほんとうにその通りですね。
自然の素材を用い、自然からアイデアを借りたデザインだからなのかも。
サナトリウムの室内や一番上の図書館の写真は
アルミン・リンケというカメラマンが撮っているのですが
インスタ女子?みたいに温かい色調がすてきですよね。
実際の病室の再現表示は、ちょっと殺風景にも思えましたが
病人のためを考えつくされたデザインのようです。

あのガラス器、アアルト・ベースと呼ばれていますが
正式にはサヴォイ・ベースというと知りました。
万博のフィンランド館はオーロラをイメージしているそうですが
ガラス器の方はフィンランドにたくさんある
湖沼をモチーフにしていると聞いたことがありますよ。
☆ ごみつさま ☆ (セレンディピティ)
2019-02-28 10:38:10
ごみつさん、こんにちは。
アアルト展、おっしゃる通りに設計図や模型などが中心になるので
地味といえば地味ですが、イメージを膨らませながら
楽しく見ることができました。
家具や調度品も、ステーションギャラリーの空間に似合ってすてきでした。

アスプルンド、早速Wikipediaをチェックしてみました。
窓の並びなど、みごとに統一感が感じられますが
どれも北欧デザインならではですてきですね。
森の火葬場・森の礼拝堂(こちらは別サイトで見ました)は
自然と調和した風景に、アアルトと同じ精神を感じました。
アアルトに影響を与えたと知り納得です。
いつか訪れることができるといいですね。

ところでこの後、八重洲側に用事があって行ったので
ごみつさんに教えていただいたキャラクターストリートも見ましたよ。^^
結構広くてびっくりしましたが、ごみつさんがいつも紹介されている
スポット的なコーナーがどこにあるのかわからなくて残念でした。><
アールトの花瓶 (Schatzi)
2019-03-01 06:08:30
私も昔、この花瓶に一目ぼれして、コツコツと大小高低すべてのサイズを集めて持っています。何を活けても(というか、投げ入れても)おさまりの良い、素晴らしい花器だと思います。

木の型を始めてみました!なんか感動しました!

☆ Schatziさま ☆ (セレンディピティ)
2019-03-01 10:57:24
Schatziさん、こんにちは。
以前、Schatziさんからアアルトの花瓶、全サイズをもっていらっしゃると
お聞きしたのを覚えています♪
花瓶そのものが絵になるフォルムですが
茎がうまい具合にくぼみに収まるなど、実用にも優れているのでしょうね。
私も欲しくなりました☆

最初は木の型で作っていたと知って驚きました。
作っているところのフィルムを上映していましたが
全部ではないでしょうが、今もガラスを口で吹いて作っているのですよね。
感動しました。

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