ぴょんぴょん舎でお昼をいただいた後に、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の「インターフェアレンス」展 を見に行きました。
インターフェアレンス (interference) =干渉。本展は、光、振動、波動など、身体に介入する揺らぎの感覚を通じて、知覚探求を試みるアーティストによるグループ展です。フランシス真悟、スザンナ・フリッチャー、ブルーノ・ボデラ、宮永愛子の4名が参加しています。
本展の作品は、会場の空間を生かしたインスタレーションとなっています。会場で実際に見て、感じて、体験しないと、色彩、素材、動き、大きさなど、おわかりいただけないかもしれませんが、雰囲気だけでもお伝えできればうれしいです。
カリフォルニア出身のアーティスト、フランシス真悟の作品。本展のタイトルにもなっている「Interference」シリーズから。このような作品が10作ほど並んでいます。
作品は、雲母を含む光干渉顔料を用いて描かれています。私はパールの入ったマニキュアを思い出しました。極々薄く、筆の動きがまったくわからないほどに、なめらかに塗られている表面が、光の干渉によってさまざまな色に変化していました。
円の内側と外側はそれぞれ違う色が塗られているようですが、見る角度によって違う色に見えるので、もとが何色なのかさっぱりわかりません。若干もやもやするのですが、繊細にきらきらと光っていて、とてもきれいな作品でした。
8階の展示室には、床から天井までの壁一面が塗料で塗られ、ひときわ大きな作品となっていました。ガラスブロックを通して入る太陽の光に反射して繊細に輝き、とてもきれいでした。
こちらは、スザンナ・フリッチャーの「パルス」(Pulse) という作品です。
写真ではほとんどわかりませんが、8階の大きな展示室いっぱいにシリコン糸がぶらさがっています。それらの糸は横糸でつながっていて、モーターの振動によって、縦糸がぷるぷると揺らぎます。一見すると、雨が降っているように見えました。
写真では見えにくいですが、縦糸がぷるぷると揺らいでいる中を、歩いて通ることができます。空中には5つの円盤が糸につながってぶら下がっています。シリコン糸の間を歩いていると、わずかにモーター音がうなりを上げているのがわかりました。
ブルーノ・ボテラの「猿のお金」(Monnaie de singe) という作品。5点からなる連作です。インクで描かれたこれらの作品は、タイトルの意味もわからないし、何を描いているのかもわからない。それでもどことなく不穏を感じさせる作品でした。
宮永愛子の「Voyage」という作品。オンラインお茶会を表している作品で、机には、作者が裏返しに書いた手紙、お茶会の招待状、そしてどこからか拾ってきた?きれいな石が並べてあります。コロナによる行動期限のある生活から生まれた作品だということです。
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東京は先週 3/14 に桜の開花宣言がありました。
ちょうどその日、勤務先で咲きはじめた桜の花を写真に収めたところでした。それからずっと気温の低い日が続いていて、開花のスピードも足踏み状態ですが、今年の桜はその分長く楽しめるかもしれませんね。