最初に断わっておくが、今回はかなりのマイナー機の紹介になる。
1990年(平成2年)にマルホンから登場した、末期の一発台「ビッグスリー」。
中央ヤクモノの「3段クルーン」が最大の特徴である。一発台の命ともいえるクルーンが三つも重なっていたのだから、見栄えは豪華であった。
クルーン式の一発台といえば、三つ穴タイプの「スーパーコンビ」「スターライト2」(共に三共)や、「ビッグポーター」(マルホン)、「サーカス」(平和)などの一段クルーンが馴染み深い。
少しアレンジしてクルーンを2段重ねにしたのが、「スリングショット」(藤商事)や「ファミリー」(大一)といったところであろう。
そこへ来て、今回紹介する「ビッグスリー」は、さらに上を行く「三段重ね」である。クルーンに玉が入った時の興奮度も3倍とお得…とは、正直行かなかった。
実は、肝心のクルーン構造がちょっと微妙で、上の二段クルーンには振り分けが存在しない。まぁ、単なる時間稼ぎ的なヤクモノという所であろうか。
最終的には、一番下の三つ穴クルーンで、V入賞の振り分けを行っていたのだ。
要するに、振り分け的には通常の一段クルーンと大差ないが、ヤクモノの発想自体は面白い。
普通の一発台よりも、ヤクモノに飛び込んだ後の興奮がより長く味わえる、結構お得な機種だったのかもしれない。
玉の動きに一喜一憂するという意味では、デジパチの過度なスーパーリーチなんかよりも、よっぽど楽しい演出だろう。もちろん、V穴に入る「一瞬の興奮」を好む一発台フリークにとっては、上二段のクルーンは無駄以外の何物でもなかったが…。
最下段クルーンの大当り穴に入ると、盤面最下部のデジタルに「アタリ」というドット表示が現れ、デジタル上の10個開きチューリップが開放する。一発調整であれば、10個開きチューリップはパンクしないようガッチリ釘調整されている。以後は、下段両サイドのチューリップへ玉が流れるようになり、出玉を増やすという訳だ。
ハッキリ言って、ほとんどのパチンカーの記憶に残っていないと思われる本機だが、中には思い入れタップリという人もいるかもしれない。当ブログでは、こういった「ネット情報がゼロに近い超マイナー機」を、これからも逐次紹介して行く。