まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

パチンコ物語・裏ワザ大勝負!!(1992年)

2014-11-24 00:59:55 | 懐かしのパチンコ・パチスロ映画



懐かしのパチンコVシネマレビュー

「パチンコ物語 裏ワザ大勝負!!」(1992年)


老舗のパチンコホール「春日」と、チェーン店を拡大し躍進を続ける企業「清水」は宿命のライバル。
「清水」の次なる目標はレジャービル建設だが、その予定地で営業する「春日」が目障りで仕方ない。
一方、「春日」の一人息子・慎二と、「清水」の娘・理恵は、親同士の抗争とは裏腹に次第に惹かれていく。
そんなある日、「春日」の女社長は心労から倒れてしまい、慎二はそれまでの夢を捨て店を継ぐ決意をする。だが、「清水」の陰謀は、慎二の意外なところにまで伸びていた…。
激化するパチンコ・ビジネス。過当競争激しい東京を舞台に、ついに裏ロムまで登場しての究極の乗取り合戦が展開される。



1992年12月21日レンタル開始(VHS)

★発売:ケイエスエス(KSS)/ビデオチャンプ

★販売:日本ソフトシステム

★メインキャスト

榊原 利彦(元「幕末塾」)…春日 慎二(大学院生、母は「サンライズ春日」オーナー)

福田 浩子(「cotton」)…清水 理恵(慎二の幼なじみ、女子大生。父は「清水チェーン」オーナー)

冨士 眞奈美…春日 加寿子(パチンコ「サンライズ春日」オーナー、慎二の母)


山田 吾一(故人)…清水 一郎(大手パチンコチェーン「清水」オーナー、理恵の父)


鈴木 ヒロミツ(故人)…赤間(「サンライズ春日」店長)


小沢 仁志…時田(「清水チェーン」開発部長)


粟津 號(故人)…真壁(闇の景品卸問屋。店長・赤間の引き抜き工作に一枚かむ。)


福田 健次…立花(パチンコメーカー「西陣」営業担当。慎二を色々とサポート。)

間部 洋一(原作者、特別出演)…玉本(パチンコ店経営セミナー講師)

立野 しのぶ…ミキ(ナイトクラブの美人ホステス。店長・赤間を誘惑。)


  小沢仁志        榊原利彦


ヒロインの福田浩子(当時、アイドルユニット「Cotton」メンバー)


★その他のキャスト

片岡祐太、大海渡歩、天野香織、内藤さおい、浅岡陽子、成瀬文枝、みやけ充、代哲弥、林田河童、
大谷松吉、アンヌマレイ、はたいみちこ、岩本崇規、東みゆき、大島司


★スタッフ

原作:間部洋一
監督:村田忍
脚本:山本優
企画:末吉博彦
製作:須崎一夫、水谷務(ケイエスエス)
製作:シネウェーブ
プロデューサー:尾川匠、玉盛正陽
撮影:内田清美
照明:井上幸男
美術:亀岡紀
音楽:JET-DAN
録音:武進
編集:神谷信武
記録:松隈理恵
助監督:菅原和利
製作担当:丸山昌夫
撮影助手:山本英夫、安田圭
照明助手:町田修一、平良昌才、野田友行
録音助手:清水和法、伊藤裕規
監督助手:佐伯英二、五十嵐康展
小道具:柳沢正貴
美粧:山上綾子
衣装:代田恵美子
演技事務:名須川伸吾
選曲:山川繁
効果:橋本正二
整音:関谷行雄
編集助手:中川毅彦、平野猛夫
ネガ編集:大橋まさみ
助手:加藤佳恵
VTR編集:鈴木勉
スチール:西本敦夫
製作進行:大和田晃
製作主任:中村秀康


★撮影協力
パチンコサンライズ(ひばりヶ丘駅)、柏・丸金会館(柏駅西口)、パチンコBIGグループ(ひばりヶ丘駅)
西陣、ソフィア、三洋物産、丸幸商会

★衣装協力
St.Mark’s、Bus、B Parkton、アクトスリー

★協力
日本コダック、東京現像所、光映新社、ライトユニオン、山崎美術、
イトナガオフィス、東宝コスチューム、映広



 

本作は、互いに「商売敵」の関係にあるパチ屋の息子と娘が、親同士のいがみ合いにもめげず、強く惹かれあっていくという、いわば「パチンコ版・ロミオとジュリエット」的なストーリーが中心になっている。そこへ、地元密着型の老舗と、同じ地域でチェーン展開する大型店との熾烈な対決、という図式が重なる。

亡き夫のあとを継ぎ、女手一つでパチンコ店「サンライズ春日」を切り盛りする、女社長・春日加寿子(冨士)。そこへ、チェーン展開で勢力を伸ばす「清水」のオーナー・清水一郎(山田)が、買収話を加寿子に持ちかけるが、男勝りの加寿子は全く応じない。

そんな時、大学院に通う加寿子の一人息子、慎二(榊原)が、ふらりと店に戻ってくる。慎二は、がんじがらめの研究生活が自分の性分に合わず、パチンコ店の経営に興味がある事を母に告げる。だが、息子を学者にするのが夢だった加寿子は、納得いかない。

慎二は、そんな自分の新たな夢を、幼なじみの理恵(福田)に告げる。同じパチンコ屋の子供で、慎二に淡い好意を抱く理恵は、慎二を応援するといって励ます。だが、慎二の母・加寿子は、大切な息子がライバル店の娘と付き合うのを、快く思わない。そんな心労がたたって、加寿子は突然倒れて入院する。慎二は、体調の悪い母の姿を見て、ますますホール経営への思いを強くする。また、加寿子も、自分のあとを継ぐ決心をした慎二の心情を、ようやく理解する。

一方、「清水」のオーナーである一郎は、ヤリ手の開発部長・時田(小沢)に、普段から頼り切っていた。時田は、実力はあるが卑怯なやり口も厭わぬ性格で、強引な手法で店舗の拡大を図る男。だが、めまぐるしい業界の変化に付いていくのがやっとの一郎は、「時田なしでは、店の経営も成り立たない」と大きな信頼を寄せ、挙句に娘の理恵を時田と婚約させようとする。時田の存在を日頃からよく思わない理恵は、激しく父に抗議する。

そんな中、チェーン展開に邪魔な「春日」を乗っ取るべく、時田は、「春日」の雇われ店長・赤間(鈴木)を抱き込む強引な作戦に出る。カネと女に目のない赤間は、時田の仕掛けた裏金工作やお色気作戦にまんまとハマり、あっけなく敵側へと堕ちる。

頼りにしていた店長が密かに寝返った事で、母に代わって慎二が切り盛りする「春日」の経営は苦しくなる。だが、好意を抱く慎二を助けようと、理恵は、ライバル店の娘にも拘らず、時田の企む内部情報を慎二にリークする。だが、それがかえって仇となり、春日の客離れはさらに進んでしまう。そこで、慎二は離れた客を取り戻そうと、大規模な「新装開店」を計画する。

そして最後は、「春日」の新装計画を巡って、卑劣な妨害工作を企む時田(絶対に当らない裏ロムを仕込んで、決定的な客離れを狙う)と、何とか新装にこぎつけて店を立て直そうとする慎二の間で、壮絶な戦いが繰り広げられる。

※対抗する店の新装台に裏ROMを仕込み、営業妨害しようとする手口は、実は1996年放映の日テレドラマ「グッドラック」(主演:松本明子)でも使われている。同作の第9話「裏切りの新装開店」では、鈴子(松本)の経営するホール「飛鳥球殿」が新装用に発注した台が、「黒部興産」(飛鳥球殿を乗っ取ろうとする、悪徳不動産会社)の妨害で、直前に裏ROMを全台仕込まれて、設置できなくなってしまう。苦慮した挙句、鈴子は古い台のまま新装を行い、「新台はありませんが、台やイスはピカピカに磨きました。お昼ご飯やお茶やお菓子も無料サービスします。」と客に訴えたが、ほとんどの客は「騙された!」と怒って帰ってしまう。途方に暮れる鈴子だったが、古い常連客だけは店に残り、鈴子の心情を慮ってオンボロ新装に付き合う。そんな常連たちの温情に、涙を流して感謝する鈴子だった…。



さて、話を本作に戻すが、実は面白い事に、ロケで使われた2つのパチンコ店は、実際に「孤軍奮闘する老舗」と、「同じ地元で幅を利かせる大型チェーン」という関係にあった。

加寿子がオーナーの「サンライズ春日」は、西武池袋線・ひばりヶ丘駅北口「サンライズ」(閉店)がロケ地である。一方、ライバルの「清水チェーン」も、当時、同じひばりヶ丘駅周辺でチェーン展開していた「BIG」がロケ地であった。

ストーリーにリアリティを加味すべく、あえて「ひばりヶ丘」をロケ地に選んだ可能性も考えられよう。


(ひばりヶ丘駅・北口「サンライズ」) 東京都西東京市(当時は保谷市)ひばりが丘北3-6
※すでに跡地はコーポに様変わりしており、当時の面影は残っていない。


90年代には、ひばりヶ丘エリアで幅を利かせたチェーン店「BIG」。駅周辺のあちらこちらに「BIG4」「BIG5」「BIG8」といった系列店を展開していた。残念ながら、同駅に「BIG」名義の店舗は現存しない
(跡地が別のパチ屋になったケースはあるが…)。


その他、慎二と理恵が2人仲良くパチンコを打つシーンでは、千葉県・JR柏駅西口「柏・丸金会館」がロケ地として使われた。


柏駅西口「柏・丸金会館」…時代は少し後になるが、’90年代後半にスロマガの名物企画「オール設定バトル」や「パチスロ軍団・キングコングバトル」(BOSS、竜吉、ネギ坊が出玉を競う)でもよく使われた店。






余談…作品中に垣間見える、’92年当時の「香ばしい」雰囲気

「サンライズ(春日)」編

・正面・自動ドア付近に、三共「フィーバーマキシム(シリーズ)」のポスター(外国人女性)が貼ってある。
・シマの映像では、平和の保留連チャン機「麻雀物語」がズラッと並んだ姿が見える。
・麻雀物語で大当り中の客の頭上に、「続行」と書かれた連続遊技用の札(プレート)が刺さっている。
・三共「フィーバーレジェンドI」のシマは、全台、頭上に「無制限」の札が縦に刺してあり、大当りすると店員が札を横にする(このシマは「全台無制限」と思われる)。
・奥村・確変デジパチ「ドリームエクセレント(EX)」(朝一127回転後と大当り後がオイシイ)の姿が見える。
・台と台の間には、100円を投入して筒を押し上げるタイプの玉貸機がある。
・シマの端にお札の両替機があり、その上に800個入りの小さなドル箱が乗っていて、箱の中に「スタート」「無制限」などのプレートが入っている。
・新装開店の風景で、サンバイザーを付けたハイレグ水着のキャンペンガールが入口にズラッと並び、客に粗品を手渡している。
・新装の店内カットでは、以下の機種の映像が映る。
西陣「花らんまん(ルーキーVX)」(デジパチ)
西陣「ルーキーVXP-2」(デジパチ)
西陣「タキシード」(一般電役)
三共「フィーバースパークCX」(デジパチ)
西陣「水着でパンチP-2」(ハネモノ)
三洋「サーカスIII」(ハネモノ)
・新装の店員マイクパフォーマンス「本日は、当サンライズ春日の新装初日にご来場頂きまして、誠に…」
・景品カウンターに、玉数計数用のジェットカウンター。大当りを終えた客が、次々とドル箱を抱えてカウンターにやってきては、自分でジェットにザザッと流して、「ピッ」とボタンを押してカードを出している。


「柏・丸金会館」編

・デジパチでは西陣「花鳥風月」、ハネモノでは西陣「デジマル」が登場。

「上野訪問」編
(慎二と理恵が、新装開店用の台を選ぶ為、東上野のメーカー街「パチンコ村」を訪問する場面)

・最初に訪れた三洋のショールーム入口には、「三洋号新型機 展示中」の立看板が見える。
・三洋ショールーム…「ペンギンハウスII」「バンバンバン」「ミラージュ」等、92年登場のデジパチが並ぶ。
・西陣ショールーム…「花鳥風月」「花らんまん」(共にデジパチ)、「ビヨヨンマンJr.」(ハネモノ)、アルファキング7(権利物)が並ぶ。

「パチンコ経営セミナー」編
(ホール経営のノウハウを知らない慎二が、セミナーに参加する場面。原作・間部氏が講師役で出演)

・教室の外には「遊技産業経営専門高等学校」の看板が見える。これは、当時実在したパチンコ店向けの経営スクール(現存するかは不明…)。また、本作には登場しないが、当時は久恵多勝利氏(クエタ先生)が主宰する「パチンコ専門高等技術学院」(パチンコファン向けのスクール)や、釘師・内藤由紀雄氏が主宰する「全国遊技場経営釘調整専門学院」(店長・釘師養成)といった「パチンコスクール」が各地に存在。






※90年代Vシネマ「パチンコ物語」シリーズの歴代作(映画・ビデオ)

・パチンコ物語(1990年、古尾谷雅人)
・二代目パチンコ物語・一発勝負必勝篇(1991年、美木良介)
・パチンコ物語・裏ワザ大勝負!!(1992年、榊原利彦)
・新パチンコ物語・マル秘デジパチ攻略法(1993年、風見しんご)
・パチンコ物語番外篇・パチスロ一攫千金(1993年、勝俣州和)
・新パチンコ物語・パチプロVS伝説の釘師(1993年、西川弘志)
・元祖パチンコ物語・温泉珍道中(1994年、新藤栄作)
・新パチンコ物語・壊滅!闇のゴト師軍団(1994年、西川弘志)
・元祖パチンコ物語・駅前戦争(1994年、財津一郎)


※1990年代に公開されたパチンコ映画、Vシネマ一覧
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/c10989fe8d63c8caeef76f0f7926cfc7