1994年(平成6年)に某民放TV局で放映されたパチンコ特集番組の一コマ。
「パチンコ台蒐集家(コレクター)、ミスターKに密着」(1994年)
冒頭、東京は大森駅近くの「パブ・パンダ」という居酒屋が紹介される(この時、「金時」「ライオン」「アイサン」といった、大森界隈のパチ屋も映る)。このお店、実は、店内にパチンコ台やパチスロ台が置いてあり、しかも実際に打つこともできるという事で、マニアの間で非常に人気があった(今でいう「スロカフェ」の原型であろう)。
取材時も、狭い店内の一角にデジパチ「麻雀物語」(平和)&「ドリームGP」(奥村)、そしてパチスロ「コンチネンタル1」(瑞穂・3号機)が設置されており、店の常連たちがジョッキ片手に台と戯れていた。デジパチは、玉を直接打つタイプではなく、外付け改造されたチャッカーのスイッチを押すと、デジタルが回る仕組みになっていた。
客の反応について、店長のOさん曰く「(その日パチンコに)負けた人は、絶対やらないね。何万もやられると、悔しくて『あんなの、いじりたくもない!』っていう人もいますよ。勝った人は、奢ってくれますよ(笑)」
その「パンダ」に、一人の男性が入店する。しかも、中古のパチンコ台を抱えながら…。良く見ると、カエルのイラストが付いた山佐「ニューパルサー」の黒いTシャツを着ている。その男性、店内の麻雀物語を手慣れた様子で取り外すと、持って来たデジパチ「春夏秋冬」(西陣)を取り付けにかかる。台の「入替」を終えると、試し打ちで大当りさせてガッツポーズを決める。取材班は、謎に包まれた男の正体を掴むべく、彼に同行する。
タクシーで都内某所に帰宅した男性は、スタッフを自宅隣接の倉庫に案内する。ドアを開けると、中には大量のパチンコ台がギッシリと積まれていた。その数、実に150台。この男性の正体は、知る人ぞ知るパチンコ台コレクター「ミスターK」氏であった。パチンコ好きだった父親の影響で台の蒐集を開始して、はや10年。軽い気持ちで始めたものの、今では、珍しい台があると聞けば、地方まで遠征する程だという。
「これが一番のお気に入り」と、大一の手打ち台「センターフラワー」(昭和44年)を打つK氏。スタッフの「主にどういった台を集めているのですか」との問いに、K氏は「その時代で人気の出た名機と呼ばれる台ですかね。それと、台自体はつまらなくても、その音楽が聞きたくて持っておこうかな、というのもあります。」
そういって、K氏は平和のハネモノ「サウンドステーション」のチャッカーにゲージ棒を突っ込み、TVキャメラの前で大当り動作を開始させる。台から流れてきたのは、ビートルズ往年の名曲「オブラディ・オブラダ」の電子音だ。「家に持ってきて初めて、『こんな音だったのか』と判る時もありますね」と語るK氏。
締めは、故・広川太一朗のナレーション…「彼の夢は、パチンコの博物館を作る事。ガンバレ!」
この番組に出演された「ミスターK」こと鍬形和紀氏は、オンエアから6年後の2000年に『パチンコ名機コレクション』というレトロ機種の紹介本を出されている。旧台コレクターなら、彼の名を知らない人はいないだろう。番組放映時、6畳ほどの倉庫には時代時代を彩った手打ち台、デジパチ、一発台、ハネモノなどの名機が山ほどストックされていたが、21世紀に入り、それらがカタログ本という形で日の目を見た事になる。
※大森「パブ・パンダ」の店長だったOさんは、既に鬼籍に入られており、お店も随分昔に閉店したとの事である。Oさんのご冥福をお祈り致します。
東京で日曜の午後に放送してたような?
あれKさんじゃなかったような。
不鮮明な情報ですみません。
もうリストアップされていましたかね‥