1994年(平成6年)にユニバーサルから登場した4号機「フリッパー3」
初打ちは、新宿・東南口のユニバ直営店「てんとう虫」(閉店)。隣のパチスロ専門店「グリンピース本店」でも良く打った。まぁ、新宿に限らず、多くのエリアで導入されていた人気台だ。
1993年頃の新宿東南口「パチスロてんとう虫」(左)と「グリンピース本店」(右)
歌舞伎町・靖国通り沿いの「グリンピースタワー店」でも打った記憶アリ。
(グリンピースタワー店。現在は閉店。)
パネルやリールのイルカが、実に愛嬌タップリだった。「FLIPPER」とは、イルカなど海生動物の「ひれ」を意味し、「宙返り」という意味もある。
かつて全米で大人気となり、日本でも放映されたTVドラマ「わんぱくフリッパー」に登場するイルカ「フリッパー」が、やはり本機のモチーフであろう。ただ、時代が古過ぎて、当時はその事に気付かなかった。
ジャックゲームでイルカが揃うと、「キュイキュイキュイ」という鳴き声がする。何とも面白い演出だったが、イルカを毎回狙ってホールに鳴き声を響かせる「無粋」な輩もいた。隣でハマっている者にとっては、「騒音」以外の何物でもなかった…。
(当時の新機種広告…ユニバの斬新で奇抜な広告は、何かと目を引いた。「大学パチスロ愛好会訪問」という、香ばしい企画も存在した。)
(ボーナス確率)
設定1 設定2 設定3 設定4 設定5 設定6
BIG 1/315 1/287 1/268 1/260 1/240 1/240
REG 1/585 1/585 1/585 1/585 1/585 1/481
BR比は約2:1と、ビッグ偏向スペック。ツボにハマった時のビッグ連打が気持ち良かった。
(リーチ目)
リーチ目は、基本的に7、イルカ、BARの一直線形で、リプレイやプラム等が揃った場合を除き有効。イルカが揃っても、払い出しはない。なお、リプレイは「BAR・チェリー・チェリー」なので、一瞬「リーチ目?」と思っても、リプレイが揃っている事が多い。
本機の特徴として、通常時は毎プレイ1/128の確率で、「ガセリーチ目」の抽選を行っている。いかにも入っていそうな豪華な形が、簡単にスカを喰らう事もあり、特にハマリ時はダメージが大きかった。
このガセリーチ目、ゲーム性が単調になるのを防ぐ為に、敢えて取り入れたと思われる。賛否両論あろうが、アイディアとしては良かったと思う。
コチラは、左リール「イルカ・スイカ・イルカ」からの中段スイカ揃い。本機では、この形だけがガセのない鉄板目とされる。
「イブX」もそうだが、ユニバ4号機が従来のフラッシュ告知からリーチ目主体のゲーム性に移行したのは、山佐の大ヒット機「ニューパルサー」を意識した事は明らかだ。
だが、テーブル制御のニューパルと違い、フリッパー3はコントロール方式を採用。リーチ目の多彩さ、奥深さでは、ニューパルに到底かなわなかった。
ただ、「シンプルな一直線目が却って遊びやすい」と支持するファンも多く、愛らしいイルカキャラは、特に女性ファンの受けが良かった。
技術介入的には、配列上、リプレイ以外の全小役を取りこぼす可能性あり。特に、メインの8枚役(プラム)は、左リールにも取りこぼす箇所があり、適当打ちをすると、補正の効く通常時はともかく、ビッグ獲得枚数に影響した。また、ハサミ打ちによるリプレイ外しも可能。
後に、後継機「ゴールデンフリッパー」が登場。こちらは、さらにニューパルを意識した作りで、7、イルカ、BARの並び順などによって、リーチ目の信頼度に差が付いていた。
いわゆる「チャンス目」型を採用した訳だが、無理矢理ニューパルに近づけた感もあり、あまり好みではなかった(賛否両論はあろう)。イルカの縁取りが金色だった事だけが、妙に印象深い。裏モノでオイシイ思いをした方もいるだろうが…。
余談だが、1998年にCSで放映されたパチスロ番組「旅打ち」(BOSSとしのけんが出演)で、沖縄の「コザゲーム」という古い店が登場した事がある。この店には、昭和のアップライト名機「トロピカーナ7S」(メーシー、1.5号機)が置いてあり※、出演した二人も実際にプレイする。その際、裏のシマの方から、例の「キュイキュイキュイ」というイルカサウンドが盛んに聞こえた。恐らくは、ゴールデンフリッパーの30パイVerの効果音と思われるが、この「異色の共演」に沖縄スロットの香ばしさを見た思いがする。
※コザのトロピについては、コチラの記事を参照されたい。
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/c6748b192fc14b12eb97607a8fe9647c