タジキスタンは、面積が約14万3,100平方キロメートル(日本の約40%)、人口は840万人(2014年)、中央アジアの小国です。タジク・ソビエト社会主義共和国としてソ連の一員でしたが、1991年12月のソ連解体にともなって独立を果たしました。
中央アジアの定義は様々です。大まかに言って、東は中国、西はカスピ海、南はイラン・パキスタン・インド、北はロシアに囲まれた地域を指します。
中央アジアの国々は北アジアのモンゴル高原から中央アジア・イラン高原・アゼルバイジャン・カフカス・キプチャク草原・アナトリアを経て東ヨーロッパのバルカンまでを活動領域としてきた遊牧民の国々です。シルクロード交易で繁栄していました。
広義には東トルキスタンと西トルキスタンに分かれます。
東トルキスタンは中華人民共和国の新疆ウイグル自治区、西トルキスタンは旧ソ連のの支配下に在った、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギス(クルグズスタン)、そしてタジキスタン、さらにアフガニスタンが含まれます。
北のカザフスタンから時計周りに、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンとなります。
因みに「イスタン」とは国を表す言葉だそうで、タジキスタンはタジク人の国という意味です。
東トルキスタンは、18世紀なかばに清により征服され、その支配下に入りました。
西トルキスタンの内、アフガニスタンを除く各国はロシア帝国の支配を経て、ソ連の傘下に組み込まれました。
タジキスタンの国土のほとんどは山岳地帯で、国土の半数が標高3000m以上であり、中国との国境に至る東部は7000m級に達するパミール高原の一部です。ただ、首都のドゥシャンベの標高は700~800mほどとそれほど高くありません。
独立後すぐの1992年、タジキスタン共産党系の政府とイスラム系野党反政府勢力との間でタジキスタン内戦が起こりましたが、1997年に内戦は終結しました。
内戦のために、旧ソ連諸国の中では最貧国となってしまいました。ロシア・カザフスタンへの出稼ぎ労働者も多かったのですが、両国の景気後退の影響を受け、出稼ぎ労働者からの送金も減少しています。
それでも、日本を含む各国の手厚い支援や国連活動によって、近年は7%前後のGDP成長率を維持しています。
綿花栽培を中心とする農業と、牧畜が主要産業ですが、繊維産業も比較的発達しているようです。
そんなタジキスタンにある日本人の慰霊碑があります。秋野 豊という人の慰霊碑です。
第二次世界大戦中の英ソ関係を研究し、北海道大学助手から、在モスクワ日本大使館専門調査員を務めた後、1986年から筑波大学で助教授として教鞭をとっていました。
単なる研究者ではなく、人懐こい性格を生かしてどんな人間の懐にも飛び込み、身の危険を冒しても現地で情報を集めていたそうです。
そんな彼は1998年、筑波大学を辞職し外務省に入省、国連タジキスタン監視団に参加します。
そして、同年7月20日、ドゥシャンベ東方の山岳地帯を走行中、武装集団による襲撃に遭い、同乗者とともに射殺されました。
ドシャンベの国連監視団の同僚たちは彼を心から慕い、悼んでいたそうです。
日本にとっても大きな損失でした。だからこそ、2015年10月24日、同国訪問中の安倍晋三首相が慰霊碑に献花したのだと思います。
トルコの軍艦が沈没した時、乗り組み員を救助した和歌山の漁民たち、
命のビザを発給し6千人のユダヤ人の命を救った杉原千畝、
日本の戦時統治下でブルネイ県知事を勤め、軍部の反対を抑え、多くのインフラ設備をして後のブルネイを経済発展させた木村強。
イギリスの海上封鎖の中、イランにタンカーを送った出光興産の出光佐三社長。
そして、秋野豊、NPOやJICAの人々等々。
日本という国は、そんな人々が築き上げた日本人への信頼という遺産の上で、繁栄出来ているのだと思います。
将来の日本に、その遺産が引き継げれば良いのですが。
出来れば、その遺産がもっと増えていきますように。
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