ブラジルは851.2万平方キロメートル(日本の22.5倍)人口約2億人の南アメリカの国です。2016年にはオリンピックも開かれます。
また、2015年は日ブラジル外交関係樹立120周年にあたります。過去、日本からの移民も多かったため、日系人は約160万人、海外で最大の日系社会です。
経済の規模も、米・中・日・独・英・仏に次ぐ世界第7位ですが、一人当たりのGDPは先進国と比較すると低い水準です。
航空産業が盛んで、エンブラエルは現在、小型ジェット機市場の半分近いシェアを誇り、一大市場である欧米諸国や日本などのアジア各国をはじめとする世界各国へ輸出されているなど、その技術力は高い評価を得ています。
農業も盛んで、コーヒーの輸出量は、世界第1位です。
コーヒー生産は他の農産物に比べ労働力が必要です。ブラジルでは1888年に奴隷制が廃止された後、労働力不足を補うためヨーロッパからの移民を受け入れたのですが、その待遇を巡ってヨーロッパ諸国と対立します。
そんな背景もあり、1908年に笠戸丸による第一回目の日本人移民が行われました。
日本人が農業移民としてブラジルに入植して以来、日本人は「農業の神様」と呼ばれ、現在に至るまでブラジル社会における日系ブラジル人の高いステータスを確保する重要な礎になっています。
当初、移民の居住環境は悪く労働は過酷で、賃金の悪さなどの待遇が悪かったために、帰国のための貯金どころではなく借金が増える一方でした。
このため、日系移民の間で移民計画を「棄民」(日本国に棄てられた民)と揶揄する声がでたほどです。
1908年に外務省が行った調査では、当初契約したコーヒー園に定着したのは全渡航者の4分の1のみであったと報告されています。
コーヒー農園から逃亡した多くの日本人移民は、日本人移民同士で資金を出し合い共同で農地を取得しました。
ジャガイモやレタス、トマトやにんにくなどの、現在ブラジルで栽培されている野菜や果物などの農産物の多くは、農作物の転換を進めた日本人移民がブラジルへ持ち込み、品種改良などを通じてブラジルの赤土での栽培に成功したものなのだそうです。
ブラジルは移民が多い国であり、本来人種・宗教などで差別することが無い国なのですが、1930年代に入り増え続ける日本人移民とその成功や、満州事変や日中戦争など日本の対外侵攻が相次いだことを受けて、日本人移民に対する排斥の動きがにわかに高まります。
その背景には、日本人移民は日本人移民だけでコミュニティを作ってしまい、ブラジル社会に溶け込まないということが有ったようです。
一方、移民は子供の教育に力を入れた人が多かったようです。
日系ブラジル人2世、3世は、その勤勉さと教育程度の高さから社会的地位が高い職業についているケースが多く、政界や官界、経済界の中枢のみならず、医師、弁護士、技師、地質学者、教員、芸術、文化、スポーツ等を含む広範な分野に進出し、ブラジルの発展に大きく貢献したと高く評されています。
2世、3世の時代になって、ようやく日本人移民がブラジル人になったということかも知れません。
日本で、移民や難民受け入れに反対する論拠として、日本社会の特殊性・閉鎖性やヘイトスピーチを行う団体の存在をあげる人々がいます。
でも、本当にそうなのでしょうか。
ヘイトスピーチが行われているのは、日本の極く限られた特殊な場所のみだと思います。
確かに、学校でいじめに遭っている外国人の子供やハーフの子供達は居ます。ムスリムの子供達も学校でいじめに遭っていると聞きました。
でも、いじめに遭っている外国人の子供やハーフの子供達をかばっている子供達も多いのです。
そして、外国人を何かと手助けしている近所の人々も居ます。
また、多くの自治体でNPOの国際交流協会が設立されており、外国人を支援しています。
そんな現状を判った上で、日本社会の特殊性・閉鎖性やヘイトスピーチを行う団体の存在をあげ移民や難民受け入れに反対するのは、単なる言い訳なのではないかと思います。
日本の企業でも、社長が外国人である企業や、社員を採用する際に外国人を積極的に採用する企業も多いのです。社内の公用語は英語という企業もあります。
バブルの絶頂期に中小企業の労働者不足を救ったのは、東南アジアからの不法就労者でした。
中小企業の社長の中には、東南アジアからの不法就労者が日本人より真面目に働くと思った人もいるようです。
近年、中小企業が東南アジアに工場を移すことも多いのですが、取引先の大企業が東南アジアに工場を作ったという理由の他に、以前東南アジアからの不法就労者を雇った時の経験も、東南アジアに工場を移す理由の一つかも知れません。
日本の企業にとっては、日本社会の特殊性・閉鎖性というのは実感としてあまり無いのだと思います。
また、ある日本の衣料品販売の大手企業は以前からUNHCRを通じ、難民への衣料品・資金支援をしていましたが、今後は積極的に難民を雇い入れるそうです。
フランスでISのテロがあり、実行犯は移民の2世が大半だったそうです。
彼らは、差別と偏見の中で孤立感を深めて行ったようです。
フランスでも移民をサポートしている人々も多いのでしょうが、孤立感を深めて行った理由は何なのでしょう。
いじめに遭っている外国人の子供やハーフの子供達をかばったり、
近所の外国人を何かと手助けしたり、
難民を雇い入れたり、
私達にも出来ることはあるのだと思います。
一つ一つは小さなことですが、その積み重ねで移民や難民の孤立感を少なくすることが出来たら、
テロやISに参加する若者を多少なりとも減らせるのではないでしょうか。
そして、ブラジルの日系人の様にその国の発展に大きく貢献する2世、3世が出て来たら、移民や難民の子供達や子孫が、孤立感を感じることも無くなるのだと思います。
このブログの画像はisis_chanプロジェクトに参加されているイラストレーターの方々からお借りしています。isis_chanプロジェクトの目的は、ISが発信する残酷な画像のインターネットでのヒット率を低下させることだそうです。isis_chanプロジェクトにはガイドラインがあり、ムスリムと彼らの信仰の尊重、暴力的・性的表現・政治的主張の禁止等々決められています。私のプログは極力このガイドラインに沿って書いているつもりですが、抵触していると思われたら、それは私の文章力の無さから来るものだと思います。
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